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【 マンガクロスボーダー 】という企画を始めてみる話。

暑い。夏だ。
暦はまもなく7月らしい。
おかしい、おかしいな、確かわたしは2月の終わり頃ささやかな春の風が吹いたあたりで3月4月の間にアレを始めようと志し5月には別のアレも始めようじゃないかと意気込んで6月にはそれら全てを軌道に乗せてあらまぁ何だかとってもええ感じ!の2023年になってるはずだったがどうした?何ひとつ始まってないな??Why???

いや、Whyもクソもひとえにわたしの不甲斐なさの結果である。しかし、何かを始めるならば春だろというセオリーに囚われすぎていた気もする。季節など関係なく、思い立ったが吉日。そして、できる時にできることするのが吉。と、言い訳もどきを書き散らしたところで、ようやく準備が整った「アレ」について述べてみたい。

まず唐突に身の上話をしよう。
わたしは長年、書店業界に身を置いている。新刊書店では日々、えげつない量の本が入荷してくる。紙の塊をみっちり詰め込んだ狂気、いや凶器の重量箱が、何十、何百とやってくる。そして、10年以上その箱を開け続けていても、今日という日に新しく発売される本がこんなにもあるのだなあと、未だ新鮮に驚く。

ちなみに、日本の出版市場の約4割をコミックが占めている。『出版月報 2023年2月号』(全国出版協会・出版科学研究所)の最新情報によると、2022年に発売された新刊コミック総数は、14,187点。いちまんよんせんひゃくはちじゅうなな点。これは昨年の1年間で、あくまで紙のコミックとして発刊されたタイトルに限っている。電子コミック媒体のみで発売されている新刊も含めたなら、更にとんでもない点数に達するだろう。

14,187種類のマンガ本。そのすべてのページに目を通した人は、きっといないはずだ。もしかしたら、365日すべてを労働せず読書に費やせるなら可能かもしれない。いやはや心からそうなってみたい。不労所得カモーン。それはさておき、1年間でこの数だ。コミックの新刊点数は年々増え続けており、電子販売も含め、市場規模は拡大するばかりである。

マンガは増えている。そう、マンガは、増えすぎている。素敵なものが増える。それは嬉しい。最高なことだ。しかし、母数が増えれば取りこぼしも増える。人間の能力は有限だ。この世に存在するすべての人間を知り尽くすことが不可能なように、すべてのマンガを読み尽くすことも不可能な時代になって久しい。

それでも。

できるだけたくさんの面白いマンガに出会いたい。そしてそれらがあまねく世に知られてほしい。マンガはあらゆるジャンルを内包する極上のエンタメだ。しかも、比較的安価な値段と豊富な作品発表媒体。これまでもこれからも、未知数のマンガたちが、諸手を挙げて我々を待っている。あとは読むか読まないか、ただそれだけ。え、じゃあ、読まねーと勿体なくね?めくるめく物語が!ここにあるのに!!読まないなんて!!!知らないなんて!!!

マンガ読もおおおお!!!!!
出会おおおおおおおお!!!!!!
ウオオオオオオオオオオ!!!!!!!


……という衝動の産物が、このたび始動する企画、
【 マンガクロスボーダー 】なのである。


ハァ〜〜〜〜〜前置きが長ぇ!!!
失敬失敬。
懲りずに続きも読んでくださればこれ幸い。

そんなこんなでマンガとの出会いを増やしたく、そしてマンガと出会う人も増やしたいわたしであるが、出会うために必要なことーーー、それは「気付き」だと思う。

急に恋愛アドバイザーみたいな文面が降臨したが、マンガの話しかしないので安心してほしい。そもそも、我々は無数の出会いに囲まれて生きている。まだ出会ったことのない人物も、風景も、食べ物も、娯楽も、大抵のものは既にそこに在って、我々がただ気付いていないだけなのだ。

気付いた瞬間、出会いになる。でも気付かなければ、存在しないも同じ。気付くには、視界に入れたり耳にしたり、何らかのきっかけが発生しなければならない。だから、マンガを知ってほしいわたしとしては、誰かの視覚や聴覚にマンガの情報をうっかり食い込ませたい。確かにそこにある、けれどもまだ広く知られていないようなマンガにも、ひとりでも多くの人が気付いて、出会ってほしいのだ。とびきりの物語たちに。

というわけで、わたしは「このマンガがすごい!から読んでくれ頼むううううううううう」という激情を常に抱えて生きているのだが、無念、日々の労働に疲弊してなかなか活発な発信ができない。前述の通り書店に勤めているゆえ、広義で本全般の発信に携わってはいるものの、悲しいことに現在はコミック管理を担当していないので、尚更にマンガへの激情を放出できていない。

この葛藤、どうすっぺ……と考えあぐねていたわたしは、最近、とある出会いを経て、思いついてしまったのである。誰かを巻き込んで発信しちゃえば、宣言してから始めちゃえば、わたしもやらざるを得ないんじゃね?ひとりでは忙しさを理由に諦めてしまうことも、誰かとなら動かして続けていけるんじゃね??と……!!!

その「誰か」とは、知る人ぞ知る、いやもう結構知られている、【書肆喫茶mori】さんである。

書肆喫茶moriは、大阪/谷町六丁目にある、海外コミックスのブックカフェ。つい先日はテレビ番組でもガッツリ紹介されていた。

【片っ端から喫茶店】

こちらYouTubeで視聴フリーなのでどんどん観てくれ。どんな説明より圧倒的に勝る映像がある。更にはもうひとつの記事で、ご本人による自己紹介があるのでそちらもご一読あれ。

既に書肆喫茶moriファンの皆様にとっちゃ周知で承知の事実だが、moriさん、発信力がまじとんでもない。パワーーー。ブックカフェを運営しつつ、このnoteでの記事執筆は勿論、TwitterとInstagramでも稼働を欠かさず、YouTubeチャンネルを持ちPodcastでも語り、定期的に海外マンガ情報誌も制作している。超ハイパワーーー。

何より、実際にお会いし、話してみて納得。海外マンガへの飽くなき情熱、良さを伝えるべくとめどなく紡がれる言葉、そのパワーーーたるや、信頼の極み。

moriさんの発信力。そこへ存分に寄り掛かろうとしているわたしであるが、しかし。何より重要なポイントは、書肆喫茶moriが海外マンガの専門店であることだ。わたしはわたしの経歴上、日本で発行され、ある程度の部数で以て流通している本に関しては、マンガもマンガでなくとも、それなりに詳しい自負がある。だが海外のマンガに関しては、正直てんでわからぬ。新刊書店では洋書の取り扱いもしているが、よほどの超大型店舗でなければ、入荷できる種類は非常に限られているからだ。日本語版が発行されても部数は少なく、多くの書店には行き渡らない。

わたしは海外マンガを知らない。確かにそこにあるけれども、出会っていないから、気付いていないから、読んだことがない。書肆喫茶moriさんは、海外マンガに精通している。そして海外マンガを広めたいし、より多くの人に知ってほしいと思って活動をしている。…………ヒャッハァアアアアアアアアア!!!!!!

ゆえに、巻き込んで、いざ発信。
題して、マンガクロスボーダー 。

【 国境=border 】を【 越える=cross 】
【 組む、交差する=cross 】


マンガの面白さは万国共通。
わたくしアガサジューンは日本のマンガを、書肆喫茶moriさんは海外のマンガを紹介していく。それぞれの熱い気持ちを交えながら、交互に語っていく次第。

ここで語るマンガへの愛が、誰かにとっての、マンガとの出会いとなることを願って。

発信はこのnoteで、7月5日からスタート。
マガジン【 マンガクロスボーダー 】、
チェック&フォローしてくれよな〜〜〜!!!

こんな末尾まで読んでるあなたに最上級の感謝を。ついでにハートマーク押してくださると、もれなくわたしがすこぶる元気になるので是非。