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落 花【タケノコxミモザx歩行者b】

タケノコさんミモザさんxほこbでお送りする第二段!
今回は「落花」のお題です。
「落花」 晩春の季語です。桜の花が散ることを指します。


こちらはタケノコさんの詩を基に創作しました。
スズムラさんの画像とは性が違いますが、なにせジェンダレスなご時世、ゆるりと変換してご覧ください。


春の雨   【486字】

春の風が私の体を吹き抜けて、裏の雑木林に去って行った。
そんな風に誘われたわけではないが外に出る。
開け放たれた我が家の縁側にも春の光が満ちている。背中を丸め、お茶を啜るように飲む夫の姿が薄ぼんやりと見えて、そこからしばし目が離せなかった。

いつもの散歩。
もう私もあの人の傍に行ったっていい、そんな思いがまた蘇る。十分いい人生だった。あの人のお陰でしあわせだった。

いつもの公園はいつもと違って10倍もの人で混み合っている。
桜、桜って毎年咲くのに・・・
私は車椅子を操って、なるべく邪魔にならないところに止めた。

ふと傍らに中学生くらいの男の子がやってきて、「押しましょうか」と声をかけてくれた。どうも遠慮していると思ってくれたらしい。
そのやさしい心遣いに甘える。
そう、こういう時は甘えた方がいい。

桜の花が頬に体に降ってくる。
「あと何回見れるんだろう」ハッとして、私は辺りを見回して声の主を探した。
そうだ。今年の桜はこれっきり。来年があるかどうかなんてわからない。夫にこの桜を話してあげなきゃ。

私はふくらんだ春から降り注ぐ、涙にも似た桜の花びらを、この春のこの桜をしっかり胸に留めた。
         了

詩:落花

桜が散る
あと何回見れるのだろう
とつぶやく人を見て
私は生を知る

タケノコさんの詩

こちらもお楽しみください♫

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やわらかな激情とでもいうのでしょうか。さらっと走る筆の中の情緒を味わってください。


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