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記事とコピーの違い

皆さま、こんにちは!
AFUストアです。

弊社は海外メーカーより日本での独占販売権を得た正規代理店であり、私はコピーライターを肩書きに働いています。具体的な業務内容としては、クラウドファンディングサイトやネットショップに掲載される商品紹介文書(コピー)の作成ということになります。
とは言え私はこの仕事に就いてからまだ半年ほどのペーペーです。日々勉強、なんとかノウハウを学んでいる最中であり、その未熟さにひどくへこむことも少なくありません。
そんな私ですがこの職に就く以前は、ある専門誌で記者をやっていました。
そこで今回は、「記事とコピーの違い」というテーマで記していこうと思います。

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人に伝わる文章を書く」という意味では、同じ「物書き」という言葉でくくることができる「記者」と「コピーライター」ですが、その文章スタイルには大きな隔たりがあると感じます。
妙に聞こえるかもしれませんが、私が記者時代に先輩から「やってはいけない」と教え込まれた「良くない文章」の条件のことごとくが、こと「コピー」に関しては「良い文章」の条件へとカードがひっくりかえるのです。
三点ほど箇条書きしてみます。

1、地の文で感嘆符(!)、疑問符(?)を使用しない。
2、形容詞は使用しない。
3、直喩(~のように)は使用しない。

もちろん、絶対にご法度だということはありません。ただ、記事内で上記三点の条件に当てはまる表現を用いた場合、往々にして校閲から赤が入ります(絶対に直すわけではありませんが)。
その理由は、文章に格調がなくなる、という美意識上の理由もあるかと思いますが、私は「新聞」という媒体が持っている性質に由来するものだと理解しています。

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皆さまもご存じのとおり、新聞とは“事実”を扱うメディアです。そして新聞はテレビと異なり、「文字」と「写真」(ない場合もあります)しか伝達手段がありません。つまり、「こういうことがあった」と書けば直ちにそれが事実として享受され、しかも、証拠の提示は必要ない。
……そうです、見方によれば、新聞は非常に危ういメディアなのです。
だからこそ記者たちは徹底的に裏付けをとり、単語の使い方ひとつに潔癖になる。だから、形容詞や直喩といった、主観が入り込む隙間の大きい表現は、ちょっと手をつけづらいということがあります。

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……と書くと、まるでコピーライターが“事実”を軽く扱っているかのように聞こえるかもしれませんが、断じてそんなことはありません。
お客さまへとお届けする商品のスペックとページ内コピーの内容に相違が発生しないよう、メーカーと何度も打ち合わせを重ね、ほんの些細な表記のブレまでしつこく質問を繰り返します。
さらにサンプル品が届くと、実際に機能を試してみたり、正確な重量を測ったり、とにかく執拗に商品のことを疑います(たまに人間不信になります)。
また場合によっては、出来上がったページ案をメーカーに見てもらい、かなり細かいところまで意見をもらうことだってあります(新聞記事は原則として取材相手に草稿を見せません)。
そうやって、その商品が持つすべての機能と可能性を洗い出し、物語や想いに乗せて文字に起こし、皆さまに発信するのです

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だから、もしかしたらこんな風に言えるかもしれません。
過去に起こった事実を読者に伝えるのが新聞記事。
商品を買うことで得られる未来をお客さまに提示するのが商品コピー。

……それが、私が半年間この会社に勤めて導き出した答えです。そしてこの「記事とコピーの違い」とは、弊社の採用面接で現在の上司に問われたことでもあります。その際にはうまく回答することができなかったのですが、最近になってようやく自分の仕事の意義と役割が分かってきたように思います。

これからも世界中の良い商品をネットから日本の皆さまにご紹介していきます。商品の魅力を120%お伝えできるよう日々精進していきますので、ぜひ弊社のクラウドファンディングページやホームページを覗いてみてください。

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