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嫌われ承知で、お金は永遠に湧いて出てくるものという依存症に挑む

国際協力関係の仕事をしていると、この「援助慣れ」という途上国における病気には120%打ち当たると思う。もちろん、いわゆるODAを始めとする「援助」を単なる依存を生み出すようなものにしてしまうのではなく、途上国の自立発展を促すものとして先進諸国は工夫をしてきたし、我が国は特に「自助努力」という言葉でそれを全面に打ち出している。

でも、実際、先進諸国からの金銭的支援をただ単に期待して待っているようなメンタリティは20世紀後半から途上国においてずっと育ってしまったし、その一因はもちろん援助を供与する先進諸国にある。

ダンビサ・モヨが『援助じゃアフリカは発展しない』という著書でこのことを再三厳しく批判しているが、過激な視点の著書だけれど共感する部分は少なくない。アフリカ各国でもどれだけたくさん「援助慣れ」に出会ってきたことかとわたし自身も振り返る。このメンタリティは、国際協力の場面に限らずとも一般国民とのコミュニケーションの中でも必ずある。

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