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【西アフリカ料理】オクラのソース「ガンナ」とマリの切れないナイフ

良いオクラが手に入ったので、マリのオクラソース「ガンナ」を作った。
(レシピは動画のキャプションご参照)

ドラマ『全ラ飯』で紹介されていたガーナのオクロシチューとほぼ同じものだ。

オクラの産地にこだわりはないが、やはり日本では、旬の季節の日本産に良いものが多い。太くて大きくてしっかりしている。

マリのオクラ、「ガン」は太くて短い。

マリのオクラ。コロンとしている

私は上の動画でオクラをみじん切りにしているが、マリではまず小口切りにし、そのまま煮る人もいるし、小口切りしたものを臼と杵でついて細かくしてから煮る人もいる。

マリの女性たちはまな板の類は使わず、手に持った食材をナイフで器用に切る。なんなら膝に赤ちゃんを乗せたまま。

オクラを空中で切る。しかも赤ちゃんを膝に乗せて。

これは本当に見事だ。

こういう使い方をするせいかどうかはわからないけれど、マリの包丁はあまり切れ味がよくない。あまりよく切れないようにしてあるような気さえする。その切れない包丁を使って食材を造作無く切っていく。これ以上細かくする必要がある場合は、臼に入れて杵でつくのである。

ちなみにこのナイフは料理用と決まったわけでない。楽器作りでヤギの皮や太い木綿の糸などを切るのに使っているのも見たことがある。汎用ナイフと言っていいだろう。もちろんマリにはこのナイフしかないわけではなく、鋭い切れ味のものも存在するに違いない。しかし一般家庭ではみんなこのナイフを使っていた。

そういえばマリにいる時、テーラーの店以外でハサミを見かけた覚えがない。ハサミで切るようなものはすべてこのナイフで切れるから、なのかもしれない。

切れない包丁を使って空中で食材を切る女性たちを見るにつけ、<堺雅人さんのモンゴルとマリの共通点>の記事に書いたように、「マリの人は身体を使っている」ということをつくづく思ったものだった。
道具をうまく使えるということはすなわち身体をうまく使えるということだから。

ミネコ


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