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例えば こんな家族 03

( この物語は 一部フィクションです )

・ 江戸下町 葦が生えてる湿地帯  平屋 母屋と離れがある
父:農家&直販所経営 母:専業主婦 姉:高卒工場工員 弟:大学1年生

祖母が介護施設に入院 祖父が軽度の認知症を患っている

祖父の実際の行動は
・学校が休みの土日に家にいると何度説明しても学校に行くように言う 
・御飯を食べている時に御飯を食べているか聞く
等の軽度のもだったが 両親は祖父母の世話で精神的に病んで来ていた

父が日によって言う事が変わる様に成ったのを感じ出したのは ボクが高校2年生も終わりを迎えようとしていた頃だったろうか

ボクの進路についての話で 大学に行くように勧めてくれたのは母のみ
父は ある日は進学して良いと言い ある日は進学させないと言う

たぶん 父は介護疲れと販売所の経営不振から おかしくなっていたのだろうと思う

だけど ボクも自分の将来への不安というか 受験に向けての学習の不安が大きく 父とは言い争う日が増えていった

大体 父は大学受験を理解していないのだ それもそのはず

両親 親族全てを含め 誰一人 大学へ進学している人が居ない

からだろう

親戚の叔父さんなどは 日大くらいなら行けるだろう とか言う始末なので困ってしまう そんな環境なので 父に大学に行く必要があるのかと言う説得から初めなければならなかった やっと正式な許可が出たのは夏休み中

さあ これから ラストスパートだと意気込んでいると 今度は1歳年上の姉からの攻撃がいきなり始まった

ボクが 勉強の合間にちょっと居間で転がっているだけで
「何の為に私が進学しなかったと思っているの」
とか言い口撃が始まる

え? 意味が分からないんですけど? アナタは別に進学したくない(正確には出来ないだと思う)って母に何度も言ってましたよねぇ

アナタ 「勉強したくないから進学しない」 って何度も答えてましたよね

母はアナタに 何度も 何度も 何度も 問いかけ 進学した方が良いんじゃないのって 言ってるのを聞いてましたけど

それで アナタが進学しなかった事と ボクの大学受験の何が関係するのか
微塵も理解出来ないんですけど アナタが言うほど家にお金入れて無いですよねぇ 大体 家はそんなにお金困ってないでしょ。。。

我が家は そんなに経済的に苦しくは無いはずである 先祖から受け継いだ田畑を親族に貸しているし 最近でこそ経営が苦しく成っているようだが 少し前までは 農作物の販売所にお笑い芸人を呼ぶくらいには儲かっていた

それでも 若干 不安なので こっそり母に経済的に大丈夫なのか聞いてみると 母は笑いながら ん? 大丈夫だよ まだ普通のサラリーマンの3倍くらい お店は儲かってるし 貯えも有るから とのこと

安心しました 良かった

アイツ:姉 は一体 何が言いたくて口撃してくるんだろう。。。

母に相談すると ほっとけとの事なので その日から ガン無視する事に決めたら ボクの部屋まで追いかけて来て 口撃 めんどくせーぇ うぜーぇ

なので アイツをガン無視して なるべく 学校 塾 で勉強していたんだが一つ屋根の下暮らしていると 接触無し って訳にも行かない
困ったなぁ どうしよう

と 何故か 救世主登場!

祖父が離れの空いている部屋を使って良いと耳打ちしてくれた。。。

えーっと ボケてたんじゃ イヤイヤ それよりも何故 アイツとボクの現状を知っていると言うか 把握していたんだろう

離れは 祖父母が使っていたが 今は祖父ひとりが住んでいる 元々は来客用に建てられたもので 昔の建物にしては部屋の独立性が高い その上 部屋数も有り余っていたので 遠慮なく祖父の申し出を受けることにした

その後は 学校から帰宅後 離れで夜中まで勉強できるようになった

離れでコッソリ暮らすようになってから 良い事がもうひとつ
祖父が離れで食事をするので ボクも一緒に食事をする事になったのだが
たった30分ほど一緒に食事をしているだけなのに

祖父の認知症が治った? と思える程 普通に会話できる様になったのだ

不思議過ぎる。。。

母は コッソリ喜んだらしい (受験後に聞いた)


母 祖父 の助けをかり 何とか第一志望の大学に合格
ちゃんと父から学費を出して貰いました 有難う御座います


春から 大学生! とか思ってたら リモート。。。学校行ったの数えられますよ(笑
サークル 何それ 美味しいの? って感じで 大学生活は全く楽しめていませんけどね

アイツとの軋轢の関係から ボクは大学合格を機会に全面的に離れに引越し

何故か
じーちゃん:嬉しそう 別段大して話すわけでは無い 受験中とほぼ同じ
父:微妙 嬉しいのか 悲しいのか 怒ってるのか 全く判別出来ず
母:狂喜乱舞 曰く「貴方のお蔭で じぃちゃんが治った」とか言うけど
アイツ:渋面 流石に何も言わなくなったが 兎に角 渋面

人は 不思議ですねぇ

今迄と 家族構成が変わった訳でも 何でもない
単にボクが大学生になり 母屋から数mの離れに引っ越しただけなのに
何故か 家族間のパワーバランスが変わった気がする。。。

社会人って 大変なんだろうなぁ  と思わせる出来事でした


貴方の 明日が良い日でありますように



有難う御座います                           将来の夢のために使わせて頂きます