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Books for us(6)マララのまほうのえんぴつ(マララユスフザイ著 ポプラ社)

私は、おそらく一般の日本人としては珍しく、仕事柄多様な国の人々との関りが多く、さらにムスリムの人々との関りも20代の頃からあり、それぞれのムスリムからいろんなことを学んだ。

はじめは、「明日の日の出は何時?」と聞かれてびっくりしたり、食べられないものが多くて、日本で一緒に食事できるところを一緒に探して回ったり、観光案内の途中で「あ、そろそろお祈りの時間だ、」と言われて、あわてて神社の方に場所を貸してもらったり、驚きや戸惑うことのほうが多かったけれど、私と異なる価値観や生き方の人々との交流はとても興味深く、学びも多かった。何より私の出会った多くのムスリムの人々は、敬虔で、思慮深く、強い信念があり、他者への思いやりも深い人々だった。

今月になり、アフガニスタンからの心配なニュースを目にすることが多くなった。我が家では夏休みの間、7時のニュースを見るのを日課にしていて、娘も一緒になって、ニュースを横目で見ている。7歳では背景知識が少なくて、理解しずらいものも多く、「これ何?」「どうしたの?」「なんで?」と質問が多い。特に最近のアフガニスタンの画は娘にとって初めて見ることが多く、銃を持った男たちが何をしているのか、空港で泣き叫んでいる女の人がいったいどうしたのか、飛行機から落ちた人はどうするのか、そこにアメリカの大統領の言葉がなんで入り込んでくるのか、知りたがった。

複雑な世界情勢や歴史的経緯があり、私自身十分にかみ砕いて説明できないもどかしさがあった。娘も半分以上「???」である。特に7歳児のわかる言葉でムスリムやイスラム原理主義について説明することは難しく、ぼんやりとした雑な説明になってしまった。

先日図書館へ行くと、マララの絵本を見つけた。手に取って読んでいると、娘に、「あ、私もこれ、借りようと思ったやつ。お母さん、これも入れて。」と。

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娘は、気に入った様子で何度も読み返している。絵本の中にはニュースで見た街中で銃を構える男たちの絵が出てきて、娘はやはり、また、「ねえ、この人たちは誰を撃つの?」と心配そうに尋ねる。
動画で、マララ本人のスピーチを一緒に見て、少し説明を加えたら、とても興味深げにじっと動画を見ていた。

7歳に大人のニュースは早すぎる、難しすぎると思うかもしれない。もう少し上の学年になり、子ども新聞から始めてもいいかもしれない。でも、私自身は、現実の世界や社会の出来事、今、リアルに起こっていることを知ること、疑問を持つこと、そこで自分なりに感じたり考えたりするのは、娘にとって新しい挑戦で、やってみてもいいんじゃないかと思った。

幼少期の絵本は、私と娘にとってファンタジーで、ハッピーエンドで、かわいくて、うきうきしたり、じんわりしたり、どきどきしたり、わははと笑える、そんなエンターテイメント的な存在だった。それはそれで最高に楽しかった。
でも、この夏に読み始めたいろいろなタイプの絵本は、世界のことや、生き方について、怖いこと、悲しみや苦しみについて、知っておくべき大事なことについていろいろ教えてくれる、ちょっと一歩先のアイテムになった。そんな気がした。



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