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生物多様性だよ!全員集合!!

先日たっくんさん(@t_A_kKn)より、以下の本を贈与頂きました。
めちゃくちゃ嬉しかった!!
ありがとうございます!

〈生物多様性〉入門 (岩波ブックレット 785)

たっくんさんのnoteはこちらから!

アスペが飲み会をこえていく|たっくん @t_A_kKn 

本を読んでたくさん疑問が浮かんできたので、それをちょっとずつワーワー言いながらゆるく解明していきたいと思います。小難しいことは読むのも書くのも苦手なので、できるだけ自分に分かりやすいように。
章ごとに書いていこっと。

1 誤解されがちな「自然を守ること」

よく、昔より今、緑が減ってきたって言われてきた。だから、花いっぱいの公園を作ったり、道路には街路樹を植えたり。雑草でぐちゃぐちゃになっている場所を綺麗に整備して、代わりに花を植えたりもする。河川だと、決まった時期に鮎とかヤツメウナギとか、魚の稚魚も放流する。

でも、待って、これってほんとうに「自然」を守っていることになるの?って疑問を投げかけてくる作者。

確かに、手入れされた草木、放流されて育った魚、これらは元の「自然」と言えるのか?というお話。な~んか、出だしからして、その自然は私たちに違うよね~と言わせる気がたっぷりだ。(笑)

良いですか、野生の色んな草花(この中では植生って呼んでた)があるお陰で、その植物たち(生産者)に頼りまくっている動物(消費者)、ちっちゃいものクラブの微生物(分解者)がうまく噛み合い、共存して生態系が回ってるんですよ!

あ、これは、小学生の理科で習った…かもしれない。ここまでは分かるし、確かに山切り開いて新しい花咲く公園にしましたとかは、逆に生態系破壊してる感じがする。そこには、ぼや~っとした、確かになんだかダメだよね感。

Q.なんで山や川を思いっきり手入れしちゃダメなのか。

A.自然には、その山や川でしか生きられない植物、動物、微生物だらけだからです。

わあ、もう第1章でめっちゃ結論言ってる!

確かに、実際、雑食でなんでも食べられる生物よりも、これしか食べられないよ!って生物の方がずっとずっと多いんだろうな。だから、絶滅の危機が~っ、生態系破壊が~ってて話になる。なるほど~

あと、落ちてた雛にエサをあげたり(餌付け)するのは禁止!って、法律で決まってる。これはなんで?って読んでいくと、ちゃんとした理由が書いてあった。

野生動物(在来種)が餌付けされることによって人の手に頼らないと生きていけなくなる(家畜化)のを防ぐため。なるほど、確かにそうだよね。

だけど、稚魚の放流は?あれって生態系で減っちゃってるものを補う、自然の保全のためじゃなかったの?

やっぱり、足も踏み入れられないような原生林は、放置しておいた方が良いの?

わぁーもうこうなってくると、もうどうしたらいいの?黙ってほっておけばいいの?人間がお邪魔虫だ!

わずか1章で、人間は地球から滅ぶべきなの?とか思いがよぎる。(いや、そんなことどこにも書いていないのだが)

2 生物多様性とは何か

1章で分からなかった私の疑問解決…の前に、生物多様性のことに詳しく触れてる。
日本にはめちゃくちゃ多くの在来種(本来その地域に生息・生育する種、だって)がいて、さらにその国や地域にしか居ないのが固有種。
天然ブナ原生林、白神山地にしかいないニホンザルとか、1回絶滅した!って言われていたニホンジカとか?トキも絶滅危惧種で有名だよね。(でも調べて分かったんだけど、日本出身のトキって、全滅しちゃってるんだね…今の日本には、中国出身のトキが人工繁殖で生息してるみたい、悲し~(´;ω;`))
あと、種の中の多様性について。
胡蝶蘭とか、同じ種類なのに、全然色や形が違う。例として、人間も個体差があるでしょう?それそれ!
え~これも、多様性の1種なんだ!言われないと分からなかったなぁ。
本の中では、里地・里山のすゝめがされている。クマとかサルとかイノシシとか、野生動物がエサを求めて下界に下りて来ないように、里山の部分を多く作っていきましょう・・・みたいなことを地元のテレビ局が放送していた。そもそも、里山って、何?

里地里山とは、原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域です。

あ、田んぼが出てきた!人間いてもいいのね。ホッとする私。ということは、1章での疑問だった、全く手つかずな原生林でなくてもいい、ってことだ。

畑のミミズたちによって土がいい感じになったり、ミツバチによって果物が美味しく作れたり、人間との共生ができる場所っていう感じなのかな。あとは、山菜やキノコが採れるっていうイメージ。

いまは世界的にも農地の拡大、森林伐採、身近だとダム建設などで元の生態系とかけ離れてきている。できるだけ維持して自然と仲良く共存していきましょう!ってことかー、うーん、うまくいってるのかな?(うまくいってないからこんな本が出て・・・げふんげふん)

3 めぐみと由来

人間はどんなに自然からいいことしてもらってきたのかを書いてる。ひたすら恩恵しか受けてない。やばい。(語彙力)

①食料とか燃料などの資源を供給してくれる

②水をきれいにしてくれたり、雨を森でせき止めてくれたりして、快適で安全に人間が暮らせるようにしてくれる調整役

③紅葉とか、コオロギの鳴き声とか、森林浴、釣りとか、文化的な体験ができる

④①~③を生み出す生物たちを養う土台になっている基本的な役割

えーーー無いと人間死ぬじゃん。これが、例えば仮に、たった1種類の動物が絶滅したせいで生態系が崩れて、恩恵が受けられなくなるかもしれないと考えると・・・絶滅って、遠い遠い次元の話じゃなくて、もっとずっと身近で怖い問題なのかって思い知らされて、ゾっとした。

動物や植物などのやり方、姿をまねて作られた技術やモノ、人間にはない知恵はどんどん取り入れられている。人間のすごいところは、それらのイイトコドリができちゃうってことなのかな。だからうまいこと進化して、生き残って、今や一大勢力なんだろう。納得。

といっても、大元がなくなっちゃったら意味ないよねえ・・・

4 生物多様性の危機

待ってました!ほら、絶滅の危機だよ!!!(不謹慎)ここぞとばかりに強調してもしょうがないんだけど、やっぱり生物多様性と言ったら絶滅は避けて通れない最大の問題だと思ってる。

外来種のせいで在来種が食べられたり、いるだけで水が汚れたり、住処を追いやられたりして激減して絶滅、っていうのはよく聞く話。屋台で取ったカメとか川に離すなよ!いいか、ダメだぞ!!でもあいつら、いつの間にか逃げてたりするんだよなぁ・・・(2回逃げられた)

上の3章の感想にも書いたけど、絶滅の連鎖ってやっぱりあるらしい。「絶滅カスケード」(なんかかっこいい名前だね、バンド名みたいな)。その鍵を握る、これは絶滅したらダメ!絶対!っていう種が「キーストーン種」。本の中ではその具体例に触れている。海にいたラッコがいなくなったら、その海の海藻や、海藻の中にいたエビとかカニとか貝とか全部消えたっていう恐ろしい事例。えーーもう食べられないの!?

一番厳しい状態なのが、淡水生態系らしい。河川・湿地・水田・ため池など。ダムで人工的にせき止められちゃったり、廃水やヘドロなどによる水質悪化、あとは侵略してくる在来種の複合アプローチ。湿地は明治・大正から比べると、60%も減ったって書いてある・・・いったい、これらは何に代わってしまったんだろう?(本に答えは書いていない、気になる。農地でもない、ただの宅地になってしまったのか?)

↑秋田の干拓地。日本で2番目の面積を誇る湖沼であった八郎潟を干拓して造った土地で、農地になってる。干拓した後に残った八郎湖は、アオコが大量発生してヘドロがすごくて、臭い問題とかで問題になってる。これ、身近な環境問題だった。

海水面では、乱獲によっていろんな魚が取れなくなった。秋田のハタハタとかが私には身近。今では稚魚放流とか、資源を確保して取れる時期も限って、産卵で地面にある卵は取ったらダメとか、めちゃくちゃ管理してる。これを読むと、1章で考えていた、稚魚放流はありなのかな?あと、サンマがいなくなって1匹500円・・・これも、若干漁場がズレて、取れなくなったんだよね。海水の温度がー潮の流れがーって色々な要因があると思う。お金がある人たちは取れなくなっても高いお金を出して買えば食べられる・・・けど、自分で漁をして食べていた貧しい人々は魚を食べられなくなる。

7月から、世界的な海洋プラスチック問題で、レジ袋が1枚5円です!と有料になった。海の生態系はどんどん劣化していっていて、世界の4分の1が「ゴミ集中海域」になってしまっているそうな・・・そんなに海はゴミだらけだったのか・・・(全然海行かない民ですみません)。夏だし、今度ちらっと見に行ってみます(冬の日本海は海風で吹っ飛ばされそうになってほんとうにやばいので、夏のうちに( ^ω^)・・・)。

「エコツーリズム」にも触れていた。自然を壊さず、汚さず、楽しみながら学びましょー!という活動や旅行のこと。私実はこれ意外と詳しいかも。秋田だと、農家民宿がかなり盛ん。田舎の大きな家にいろんな人が泊まって、田植え手伝って、山菜とか比内地鶏(日本三大地鶏)のお出汁で作ったきりたんぽ鍋とか、秋田ならではのごはんをたべて、地元の温泉にいって、民謡聞いたり、秋田にまつわる地元話聞いたり。カヌーで川くだりましょうー、そのついでに?ゴミも拾いましょー!という活動もある。いいことだよねーって思ってた。

だけど、本の中には私の決定的に知らないことが書いてあった。

ある状態から別の状態への跳躍的な変化(カタストロフィック・シフト)が起こると、多くの生態系が一挙になくなっちゃう、と。ようするに、生態系がまだ回復できる見込みがあるうちになんとか手を打たないと。そして、その生態系の利用、負担があまりにも増えてくれば、「エコツーリズム」とか謳っていても、結局生態系破壊の一因になってしまうよ、ということだった。うーん、やっぱり、どこまで自然の中に入っていって、管理していいものなのか、見極めるのって難しそう。

ところで、「絶滅して消えゆく種」と「ますます繁栄していく種」ってなにが違っているんだろう?

A.「ますます繁栄していく種」は、個体数が多く、遺伝的変異が大きい集団です。

死にづらく、適応能力が高い。人間の生活、世界の環境にすぐ慣れて、子供を作るのが早くて、爆発的に増えていくもの。Gかな??(いや、森の中のGは益虫です)

害虫や雑草(農薬に抵抗していく~)、病害生物(うわコロナ)、外来種など、人にとって厄介な生物がどんどん残って・・・いちばん優位に立っていると思われた人間の生活を脅かしているってことなのか・・・あれ、これ思ったより今、私たちの未来深刻???

5 危機を乗り越えるために

ちょっと冒頭を引用。

ヒトは、あまりに大きな危険に直面したときは、むしろ危機意識が薄れて、恐怖心がまひしてしまう。そのような心理状態に陥ると、危機を回避するための適切な行動がとれない。さらにそれが高じると、自殺行為ともいえるような行動をとることもあるという。

んあ?確かに・・・1章で考えてた私のノーテンキな感想と、この5章までにたどり着いて見ていった内容がですね・・・あ、でも人間絶滅したほうがいいの?って書いてるから、能天気でもなかったか!私たちは、この問題から目を背けて、今じわりじわりと自殺に向かっているらしい。

できるだけ防ぐには、バイオマス(汚泥・廃棄物・野生のイネ科多年草)を利用しましょうとか、生態系ホットスポット(地球規模でみて生態系多様性の高い地域だけど、絶滅の危機だらけという地域)を守りましょう。よく見たら、日本は全体が生態系ホットスポットだった。えー日本ってすごい!

とはいえ、高度成長期でできた人工物のせいで大半の原始的な森林、河川、自然海岸はなくなっているらしい。

原始林は屋久島とか、2章でも書いてた白神山地だよね。河川はどこ?ダムが設置されてないとこだよね。

自然海岸は・・・えーと、リアス式海岸しか頭に浮かんでこなかった。違う。

湿地は「ラムサール条約」(「特に水鳥の生息地として交際的に重要な湿地に関する条約」のこと)が国際的な湿地保全の取り組みで、1971年イランのカスピ海沿岸のラムサールで採択。カスピ海って、あのカスピ海ヨーグルトの?この対象にされている日本の湿地(ラムサール条約湿地)は、北海道の釧路湿原、サロベツ原野、滋賀県の琵琶湖。有名どころだー!琵琶湖って、湿原だったんだ!?初めて知った・・・。

後半に行くにしたがって、知らないことばかりが増えていく。それはそうだ、今までは積極的に知ろうとしてこなかったことばかりだもの。こんなに身近にある結構深刻な問題だったのに。

人口一人当たりの「エコロジカル・フットプリント」(生態的な足跡、生活を維持するために必要な陸・水域面積の合計)が先進国であればあるほど必要になってくるんだって。なのに、どんどんそれは失われていっている。なんとか維持していくためにはどうしたらいいの?ということで、「SATOYAMAイニシアテチブ」という理念を世界に発信しようとしているんだって。ほえー。「SATOYAMA」って、里山だよね。2章で出てきた。村の集落、田んぼなどに加えて、植物や水がある、山との境目の樹木・草原・ため池・水路など。これをもっと大事にしていきましょう!という話だった。う~ん、私が知ってる生物多様性にやさしい環境に負荷をかけない商品、と考えてまず初めに浮かんだのはアイガモ農法。おしりふりふりのかわいいカモさんが田んぼに放されて、いらない雑草を食べてくれたりする。農薬がいらない。無農薬栽培米は農薬を使わないこともあって、手間暇がかかるだろうけども、とても安心安全。

里山の田んぼ・・・と考えたら、棚田。景観がいいんだよね。でも維持するのは大変なんだよね・・・今耕作放棄地を若い農業者が安く借りたり譲ってもらったりして経営しているっていう話も聞くけど。

棚田はかつて平野が少ない山間部や海岸部の食料自給に貢献し、現代でも景観や生物多様性の保持に大きな役割を担っている。だが米が余剰になるにつれ、耕作効率の悪さから作付けが放棄される例が増えている。

ちょっと脱線したけど、環境意識の高いコメとか無印良品のちょっと良いシンプルなTシャツとか。こういうのが意識高い系の「生物多様性こだわり層」に響いてきてるんだろうなぁ。

「CSR(企業の社会的責任)」として行われている行動が「グリーンウォッシュ(本業で環境に大きな負荷を与えながら、環境保全に熱心ですよ!なんて消費者にアピってる環境保全活動)」なのかどうなのか、これから消費者がもっとしっかり見ていくようになる。木を植えてるだけじゃダメだってこと!(って作者が言ってる)

企業戦略として、割りばしつけませんとか、 結局なくなったよね。エコバッグにして、レジ袋有料とかも、もっと考えたほうがいいと思う(これは私の考え)。根本的になにが環境を破壊してるのか、生態系に異変を与えているのか?

「生物多様性条約(生物の多様性関する条約)」と、「生物多様性基本法」っていうのがあるらしい。初めて知った!

「生物多様性条約」は、1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロでの国連環境開発会議で採択されたんだって。あ、地球サミットか!(名前だけ知ってる系)

条約の目標は、生物多様性を守ろう、そして持続できる範囲内で利用しよう、あとその利用の利益を公平に分けようねってやつだった。2010年4月のときで192か国とEUが加盟。今はどうだろう?2014年5月18日南スーダンが加わり194となったらしい。193か国目どこだ。

↑2002年の締結国会議で約束してた、「生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」という目標があったんだけど、その成果が評価されて2020年までの戦略計画が採択されたんだって。あれ、今年じゃん。10年計画だ!↑のサイトから「愛知目標」についても書いてる~

公共事業とか、環境アセスメントの実施を求めてからやらないといけなくなったんだよねーそういえば(遠い記憶)。

なんとかかんとか、環境省は生物多様性を守ろうとしてるんだってことはわかった。うーん、なんだか私たち、にはなかなか届いてない気もするけど。気のせいかな?

6 未来をひらく自然再生へ

破壊されちゃった生態系を直す「自然再生」について書かれてる。世界的に、アメリカフロリダ州の湿原を再生するとか、イギリスの鉱山開発ではげ山だったところが田園風景に戻ってるとか。貯水池の跡地を氾濫湿地に自然再生したとか。日本でも、ウェットランドの自然再生が一番多いそうな。そうかー湿地ってこんなに大事だったんだ。足元ぬかるんで、持ってかれてこけるイメージしかなかった。反省します。

実家の近所にあった雑草地も、田んぼも、湿地も(意外とこれがあったのだ)全部アスファルトになって、商業施設や家が建っているけれど、こうやって地道に再生してるところもあるんだな。

日本は降水量も多くて湿地の再生が比較的簡単みたいだ。種飛んでくれば森にまで回復できるそうな。ほえーっ。梅雨いやだなぁと思っていたけど、ある程度は、まさに恵みの雨、なんだよねって改めて再確認。でも、ジトジトはいやだけどね。

今回の本で、生物多様性についてほんと色々考えた。私はどこから手を付けるべきなのかな・・・外来種のウシガエルが増えてるらしいよ。昔読んだ漫画に、女の子がおにぎりをウシガエル丸ごと入れて具材として握って、おいしいよ!って言ってるのがあったけど、それをちょっと思い出しました。

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