【#NIKKEI】デジタル人材だけでなく、戦略も重要ということ

 引用した記事の内容は、グローバルでIT・デジタル(おそらく同一の意味で2つの呼称が記事内で用いられている)人材を調達するというもの。現在の日本でも広まりつつあるようなリモートワークでの採用により、海外人材の訪日する必要がなくなる。そのため、IT・デジタル人材の不足する日本で、IT・デジタル人材を確保する新しい手段となりえる。
 また、上記の人材調達について、パソナが行うというもの。インドなどにネットワークを抱えているようだ。

IT・デジタル人材を調達しても難しい

 IT・デジタル人材を遠隔で確保する場合、そうした人材の業務内容は、受託による業務である。基本的には指示通りに動くのみである(アプリ開発など)。であるならば、いかにIT・デジタルに精通していて、高い能力を有する人材を確保することができたとしても、一つ問題が残る。それが、指示の部分、いわゆる戦略だ。
 結局のところ、戦略の部分を担える人材がいなければ、優秀な当該人材も宝の持ち腐れである。では、戦略を担える人材を調達するか、というと簡単な話ではなくなる。なぜなら、(昨今のデジタル環境を前提とするならば)企業の全社的な動きを変えるだけの権限を与えることになるからだ。しかも、今から外部調達をする企業であるならば、ほとんどの上層部・経営陣はデジタルへの理解が追いついていないと考えられる。つまり、何となくデジタル対応するために採用した外部人材に経営の中核を握らせることになる。現実的には難しいだろう。記事の内容と対応させるならば、中小企業における当該人材の採用、が当てはまると考える。

結局、デジタルについて学ぶことが重要

 最終的に、学習・理解、へと落ち着く。前項では、デジタル戦略が作れていない企業を対象とした。もし、経営陣がデジタル戦略を作れるならば、どうであろうか。考えるべきは、既にある程度枠組み、人材を外部調達する土台ができていることだ。少なくとも、デジタルに強い人材、指示を出せる人材がおり、場合によっては専門の部署があるという状態だ。であるならば、人材を機能別に外部調達することは可能だろう。何をどうすれば、何ができるのか、分かっているのだから。
 ただ、少なくとも、今からデジタル人材の確保に動くことは無い。記事では、今、デジタル人材を確保できていない企業が対象に入る印象を受けたが、個人的には難しいように思う。発注側の理解がないまま発注すれば、思った通りの成果物は基本的には得られない。だからこそ、デジタルについての知識を深めることは優先事項なのである。猶予がないならば、コンサルを入れて専門家と伴奏するように戦略立案と実行を並行して行うのも選択肢の一つだろう。

まとめ

 DXと一言で言っても、その影響は実はビジネスだけではない。いわゆる、インターネットによる生活者・消費者の行動変化も当てはまる。例えば、空港で飛行機の運行状況が知りたい時、10年前ならスタッフに問い合わせることが基本だろう。しかし、昨今であれば、運行情報について、自分で調べることが基本で、その手間(時間的コスト)を省くためにスタッフに聞くことが多いのではないか。そしてまた、空港のDX事例の一つにスタッフにタブレットが配布され、空港のwi-fiでクラウドにアクセスし、全てのスタッフがリアルタイムで運行状況をしれるようになる、というのがある。(昔、AppleのHPで閲覧した事例。現在もHP内にあるかは不明)
 このように、DX、デジタル対応と言っても、顧客の動きに合わせて考えるならば、非常に難しい問題を内包している点を考えなければいけない。単にアプリ開発と言っても、顧客に合わせた様々な視点やコスト管理の視点など、必要な要素は多岐に渡る。何を作るかによる、ということは前提だが、単にIT人材を揃えれば良い、という段階は既に通りすぎたように思う。このサービスが、どのように利用されていくのかは、興味深いところだ。

#日経COMEMO  #NIKKEI

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