【#NIKKEI】特許料は従量課金になるのかもしれない

 引用した記事の内容は、技術開発企業→部品メーカー→完成メーカー、という従来型の技術運用に加え、意図しない運用としてIoT(記事内ではデータ利用、という表現もある)が加わったため、IoT関連企業が負担せずに特許を利用しているのではないか、というもの。また、この場合、特許料の負担はメーカーに偏り、IoT企業の利用について、新しい対応が必要となるという。

※私は専門家では無いため、法制度等については間違った解釈等をしている可能性があります。ご留意くださいませ。

特許料の運用範囲と拡張性

 今回の特許料に関する問題点の発端は、技術開発企業が意図しない方法で収益を上げているために、その分の特許料を支払うべきなのではないか、ということである。そして、特許権がメーカー段階で消尽(消滅?)するため、現制度下では上記の例でいうところのIoT企業には請求できない。
 ただ、この問題は解消されることは難しいように思う。特にIoTの場合は、拡張性が幅広い。通信主体が限定されているものなら良いが、必ずしもそうではないだろう。であるならば、機能を追加する度にマネタイズ・ポイントが増えることになるのだから、事前予測の収益に従い、特許料を決めても、その通りにならず不満が生じる可能性は高い。

料金設定に拡張性を持たせられるか

 前項で、事前に用途を把握して特許料を課すことは難しいのではないか、と記述した。料金設定を運用範囲に従って柔軟に変更できる拡張性を持たせることが重要なのではないかと思う。それが、本記事のタイトルでもある、従量課金、だ。
 例えばであるが、従量課金、は検討の余地があると思う。私が考えるのは初期費用と従量課金の2段階制度だ。まず、従来のように事前に用途を定め、特許使用許可料を発生させる。そして、売上等に対応したパーセンテージを支払う(従量課金)。イメージとしては、この特許使用許可料と従量課金の総額を従来の特許料と変わらない金額にするということだ。従量課金の部分を、特許の使用期間から生産量や売上等を算出したり、例外的に定額制、にすることで実現可能だろう。
 このように、意図された用途であれば従来と概ね同額、意図しない用途で使用されたとしても特許料がゼロになることはない。

まとめ

 新聞の記事内では、その都度契約内容等で対応するので良い、というような意見もあるようだが、IoTに限定していえば、難しいと考えている。通信技術を利用するものは基本的に「デジタル」である。そして、デジタル技術の特徴として、書き換え可能というものがある。例えば、スマートフォンのOSアップデートである。iPhoneでいえば、毎年、何らかの機能が追加されている。であるならば、「デジタル」は潜在的に拡張性を備えているのである。継続的な改良の過程で、特許の新しい使われ方をされる可能性は十二分にあるのだから、それを前提にした制度やルール作りをしていく必要があると思う。

#日経COMEMO  #NIKKEI

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