お店のドアを出るときの幸せ感をいかに高めるかが、リピーター作りの鍵(終末効果の話)
最近教えていただいたことなのですが、心理学の考え方で「終末効果」というものがあるらしいです。
「判断の直前、つまり最後の情報が、判断に大きく影響を与えるという現象」
こんな意味合いらしく、要するに「終わりよければ全てよし」ってやつです。笑
これって言い得て妙で、僕たちの本能的な感覚としてこういうのってかなりあると思います。
「幸せ」のピークをどこに持ってくるか?お客さんの感情曲線をデザインする
お客さんは幸せになるためにカフェに来る、と常々申し上げておりますが、この「幸せ」はどの瞬間にピークを迎えるのが、ファン(リピーター)作りという点において理想的なのでしょうか?
入ってきたときに「うわー、素敵な内装!」となる瞬間?
届けられた商品を見て「このケーキ可愛い!」となる瞬間?
食べて「これ美味しい!!!」となる瞬間?
……僕は、「店を出る瞬間」だと思っています。
これは、先に挙げた「終末効果」をエビデンスにした、自身の実体験に基づいた話なので結構自信を持って言えます。
年間200軒のカフェに行く僕にも何度も通っているお店というのがあって、そういうお店に絶対共通しているのって、店を出た後に何とも言えない、温かい幸せな気持ちがあることなんです。
歩きながら「いいお店だったな、また来たいな」と、ゆっくり何度も噛み締めたくなるような幸せがあるお店。
これは逆も然りだと思っていて、ちょっと嫌な話をするようですが、タピオカ屋さんが長続きしないのって、多分幸せのピークが「店を出る瞬間」じゃないからだと思うんです。
(「タピオカが飲み物(食べ物?)として好き!」という一部の熱いファンは除いて、)一時のブームに乗っかってタピオカ屋に並んでいた人たちの幸せのピークは、「今、流行っているタピオカをちゃんと消費していますよ」アピールをするための写真を撮って、SNSにアップする瞬間です。
この"幸せ"を構築するための要素は、「今流行っているもの」を「写真に収めてSNSにアップする」なので、別にそのお店である必要はありませんし、長続きもしません。
だから、リピーターにならず、ブーム終焉とともに去って行くわけですね。
まずこのカラクリを理解して、そしてお客さんの感情(幸せ)のピークが「店を出る瞬間」に来るように設計することが必要です。
美味しいコーヒーを飲むだけ、美味しいものを食べるだけだったら、他のお店でも出来ます。
「店を出る瞬間」に感じる幸せはどんなものが好ましいか?
これはもうシンプルに「この店主の、このお店に来られてよかった。また会いに来たい」という実感です。
つまり、人と人の、会話から生まれるコミュニケーション。
この路線を目指すのだったら、最近増えている「オーダーと同時に事前会計→あとはお好きに」スタイルはちょっともったいないかもしれません。
お店で一通り過ごして、最後の会計時に否が応でも(という言い方もアレですが笑)店主と顔を合わせなければいけないというのは、会話の口実としてはこれ以上ないものです。
そのときに、会話のきっかけになるようなことを質問してしまえば良いのです。「今日のコーヒーいかがでしたか?」とか「お近くにお住まいなんですか?」とか。
会話の中で「受け入れてもらえている感」、つまり承認欲求を満たすことができれば、何とも言えない温かい幸せな気持ちを持ち帰ってもらうことが出来ると思います。
逆も然りです。
お客さんがお店の人に一声かけることで、そこから生まれたコミュニケーションで信頼関係ができ、大事なお客さんとして扱ってくれて(「特別扱い」ではなくて)、結果的に自分の落ち着く居場所を増やすことが出来ます。
お互いに良いコミュニケーション、とりたいですね。
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