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札幌の人気店・喫茶カルメル堂が踏み切った「お一人様専用」という大きな挑戦のヤバさを解説します

昨晩、この告知を目にして僕は大興奮しました。

以下、喫茶カルメル堂のInstagramより一部抜粋。

現在休業中の喫茶カルメル堂は、
6月1日(月)から営業を再開いたします。
それに伴い少々の改装をしまして
席と席の間隔を十分にとり、
当面の間、お一人様専用の喫茶店として、
しばらく営業して参ります。

このあとに「お一人様専用」に踏み切った背景、お店側の願いなどが記されているので、ぜひ投稿を読んでみてください。

それにしてもヤバいですよね!これ!

こんなに興奮してるの、僕だけなのかな……笑

「お一人様専用」という挑戦がヤバい理由

「人は、幸せになるためにカフェ(喫茶店)に来る」が僕の持論であり、「そのお店に行くと、自分がどんな種類の幸せを得ることが出来るか」がお店選びの基準になるものだと考えています。

一般的には、以下のようなものが「お店選び」の要素になったりします。

・コーヒー、ケーキなどが美味しいから"幸せ"
・一緒に行く友人とおしゃべりができて"幸せ"
・自分のやるべきこと/やりたいことが捗って"幸せ"
・馴染みの店主と交流ができて"幸せ"
・その空間にただただゆっくりいることが出来て"幸せ"

で、自分が達成したい"幸せ"を達成しやすそうなお店を選ぶ、ということですね。

このとき、比較検討の対象になるお店の大半(というか、この国にあるカフェほとんど全て)には、特に明確な"制約"はありません。「ルールやモラルの範囲内で、お好きにお過ごしください」という前提の中で、そのお店の性質や提供しているもの、雰囲気と自分のニーズ/ウォンツをすり合わせて、お店を選ぶ。

しかし、今回はここに「お一人様専用」という(ある種の)制約が加わりました。

このことによって、まず「一緒に行く友人とおしゃべりができて"幸せ"」に類する"幸せ"を得られる可能性は絶たれます。ただ一方で、「一人だから出来ること」「一人でこそやりたいと」を深めて、自分と向き合う場所としてのポテンシャルが一気に高まります。

……だんだん、この凄さがわかってきましたか?笑

このチャレンジの最高にクールなポイント

今回のチャレンジの最高なところは、「お客さん全員が"お一人様専用"というルールを理解し、全員が一人で過ごすために来店する」ということです。

(あえて雑な表現をしますが)"普通"のカフェ・喫茶店って、一人で来るお客さんが入れば、二人連れ以上で来るお客さんもいます。当然、それぞれのやりたいことは違うわけで、同じ空間で上手に共存しながら、互いに思い思いの時間を過ごし、幸せを手にして行きます。

僕なんかは昨年370回以上カフェに行ったうちの実に95%くらいは一人だったので、女子高生や女子大生が「○○と△△が付き合いそう」だ「バイト先の社員が~」だワイワイ盛り上がっているお店でも全然一人で入れるのですが、中には「みんなが二人連れ以上で来ている空間で、一人で過ごすこと」に気恥ずかしさを感じたり、気後れしてしまったりする方もいらっしゃいます。

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しかし、「お一人様専用」という看板がかかったドアを開けて入ってくるのは、一人で来る人だけです。

「みんな、一人で来てるんだなぁ」
「自分も、一人で過ごしていいんだなぁ」

これが確約されている空間って、めちゃくちゃ心理的安全性が高いですよね。そして、「みんなでこの空間を作っている」という"連帯感"が、互いに言葉は交わさずとも、さらにその心地良さを増すのではないかと予想しています。

もちろん一方で、お一人様限定にすることでテーブル単価が下がり、回転率も悪くなれば、売り上げには影響が出ます。

この部分ともしっかりバランスが取れるように、例えば満席だったらサッと席を譲るとか、滞在が2時間を超えるときはおかわりのドリンクをオーダーするとか、そういったお客さん側からの配慮もあったら素敵かなと思います。これも、一人だからやりやすいことですよね。

このチャレンジがどんな化学反応を生み、どんな空間を作り上げるのか。観察するために、僕もしばらくはカルメル堂に入り浸ると思います(ご迷惑にならない程度に…)

美味しいコーヒーやスイーツを楽しむ、本を読む、書き物をする、ただただボーッとする……そんな準備をして、一人で過ごしに行くのはいかがでしょうか。

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