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たったひとりに宛てる手紙。

これは、愛と決意と覚悟の超個人的なおはなし。
”貴方”の望みを叶えてあげたい気持ちと自分との間でゆらゆらしていた私は、一度決めたら揺らがない”貴方の望み”を受け入れようと思った、というおはなし。

愛は決断。決意。そして、決して盲信的・情熱的な思いではないと思っている。
信じるとは、覚悟。自分が傷つく覚悟を持つこと。

私は甘ちゃんなのだ。無茶苦茶で、優しくて、人を鬱々と飽々とさせるが、それでもそんな自分に愛と誇りと覚悟を持って生きているのだから、周りが思っている以上に私はいわゆる強メンタル、の持ち主である。(正確に言うと、気が遠くなるほどの時間の果てに、強メンタルの持ち主となった。というのが正しいのだけれど、このおはなしはまた今度。)



貴方を傷つけてしまったのに、一緒にいてくれたこと、ありがとう。
期待もたくさんした。プレッシャーも与えたと思う、それなのに、ありがとう。
私はただ目の前の気持ちに寄り添うくらいのことしかできない人間なのに、強い自分を気張りきって。本当はこんなこと言いたくないと、強い感情を投げるたびに隠れてひとりで泣いていた。いつも成長に喜びを感じて共に成長を望む貴方で、それは私も同じだから、どうしてもそれに応えたかったよ。

それと同時に思っていたこともある。
何でも完璧に隙なくこなす貴方だけど、そんなに完璧じゃなくても、いつも全力じゃなくても、不足があっても、弱いところがあっても、私にくれたのが大きなダイヤの指輪じゃなかったとしても、バチェラーじゃなかったとしても、それでも私は貴方ことが大切で、大好きで、そのままで価値ある人間だと思っているのは昔から変わらないんだよ。価値ある人間だからそのままでいいし、わざわざ自分で自分の価値を下げるようなことをしなくてもいいんだよ。貴方が長い間努力して苦しんで作ってきた世界と力と価値だからこそ、私は貴方の価値を下げる人のことも許さないし、貴方の価値を大切にしない人に貴方が不用意に傷付けられるのも許せないんだよ。
それに、貴方が貴方自身の価値を自分で下げるようなことを言ったり、したりして、それで勝手に傷ついてしまって自分を肯定できないでいるのも同じように許せないんだよ。
もちろん、貴方の価値は貴方が自分で決める。私はその、貴方が決めた価値を絶対に守ると思ってきた。私は守られる人じゃなくて、守る人になりたかった。
貴方を人生の路頭に迷わせてしまった。貴方に壁を見せてしまったのが私なんだと思っている。それをごめんとかそういうのとは違うけど、でも、知らなくてよかったことなのかもしれないと思う時がある。
自分という人間の正体を深く知ることがどれだけ辛いことか、ちっぽけな自分を認めることがどれだけ苦しみを伴うか、ありたい自分の姿を見失う瞬間も、生きる意味が見出せない闇も、今までの生き方の延長では目の前のことや人生に向き合えなくなったり立ち向かえなくなる絶望も、もう二度と笑顔を取り戻せないんじゃないかと思う怖さも。
わかるなんてそんなおこがましいこと言えないけれど、わかる。

優しさは私の価値だと思っていたけど、優しさは時に武器になる諸刃の剣だと気づいた。もちろん、私は自分が人に配れるだけの優しさしか振り回さないから、自分が人に優しくすることが自己犠牲だとは思っていないのだけどどうしたらいいかわらかなかった。
好きじゃないから、女に見れないと突き放されれば、触れることもできなかった。
触れられないのに、言葉だけあげても当たり前に信用してもらえない。
でも、言葉しかあげられない。
一生懸命言葉を綴るしか私にはできなかった。
私が何もできないから余計に傷付けてしまった。
何もできない無力さは、怒りに変わった。
貴方が私を好きじゃないって言うことに怒っていた。
何より、
貴方が私を好きじゃないからっていう理由で何もできない私自身に怒っていた。
自分がすることに見返りを求めてしまっている自分自身に怒っていた。
言葉しかあげることができない自分自身に怒っていた。
弱い自分に怒っていた。
私はずっと怒っていた。
怒っているのは、怒ってるんじゃなくて悲しいからだよって自分で何百回と言っていたのにね。
強い感情の裏には大抵何か違ったものを孕んでいて、貴方から強い思いと感情や圧力を感じる時もいつも思ってきた。

悲しかったんだよね。
そんな強い思いを抱えて、どんなに辛く悲しいだろうかって。
痛みを分かち合うことも許してくれない貴方はどれだけ辛いものをずっと抱えてきたんだろうかって。

それを全部全部わかって笑顔にさせてあげたいのに、全部吹き飛ばしてあげた買った。だから私いつも祈ってるよ。
貴方がまっすぐな気持ちや心を信じる強さを取り戻せますように。
苦しんだ先で突き抜けるほど笑えますように。
価値ある自分に胸を張れますように。
自分のことを傷つけませんように。って。

貴方がどれだけ悲しくて悔しくて辛いんだろうって想像するほど、痛いほどそれがわかって、私はただいることしかできなくて悔しい。人は勝手に自分で救われるという前提で、それでも自分に何の力もないことが悔しい。だからせめて、貴方の幸せを願えるだけの優しさと強さが欲しい。


私は盾になって、時に一緒に戦うくらいのことしかできない。どろんこに塗れてズタズタになっても何回でも一緒に立ち上がる。それくらいのことしかできない。
ものすごく特別なものや、ものすごくキラキラしたものはたくさんあげられない。ほんの時々、貴方はそういうものが欲しいのかなと思う瞬間がある。私は泥くさい人間だから求められてないと思う瞬間がある。
自分が立ってる場所はおんなじでも、自分の心持ちとか状況によって、見える世界も変わったりするもんね。
私はそれを寂しく思ってしまう人だから、私はしっかりここにいるという気持ちでいつもいる。私は迷った時の目印の旗みたいな存在になりたいと思ってきたよ。

私は貴方がいてもいなくても、私は貴方がくれた私の中のありたい自分。仕事。作りたい世界。それを叶える方法を求めて生きてく。
そうすることで、貴方って存在は、私を形作るひとつとして、永遠に残り続ける。貴方がいなかった時も、私の中には貴方の存在や貴方の在り方が、そういう形で強く残り続けて、私を静かに燃やしてきた。これからもそうだよ。

私はただ、そんな貴方が支えてきてくれた私で、今度は私が貴方を支えられると思ってきた。この世は持ちつ持たれつの世界だと思っている。与えてばっかり、与えられてばっかりじゃなくて。
お互い与え合いながら、尊敬しあえて、お互いのやりたいことも応援しあえて、お互い変わり続けていく人間同士、景色が、環境が、目の前にいる人間が、自分のいる場所が、何が変わっても揺るがない迷った時の目印の旗になりたい。人間一人で生きていけないからこそ、一人でしっかり地に足のついた人間同士で笑ったり怒ったり泣いたりしながら楽しいことワクワクすることだけじゃなくて、苦しい時も長いトンネルの中も、谷も、大波も一緒に超えていく戦友みたいな存在になりたかった。

貴方が本当に大事だから貴方が望むことを叶えてあげたい。
貴方が大切にしたいものを私も大切にしたい。
背中を押してあげたい。間違ってないよって言ってあげたい。大丈夫だよって言ってあげたい。誰が敵になっても一番の味方でいたい。
貴方が何を信じれなくなっても、私が信じている。

貴方のような人がハッピーに生きられないこの不条理な世界が大嫌いだ。

貴方の笑った顔が大好きだよ。
一番最初の印象も笑った顔が可愛いだった。
あの大好きな笑顔を私がいなくなったらまたすっかり取り戻せるんだとしたら、
私が消えることで貴方が救われるなら、
はっぴーな日常を取り戻せるんだとしたら、
私は喜んで消えるし、誰にだって差し出すし、何だってする。
いつもいつも、昔から、そういう気持ちでいる。
前にもそう言ったことがあるよね。

ただ、私は貴方のことをわかりたいし理解したい、1ミリでも貴方の心に近づきたい。と、思っている。
貴方はそうさせてくれないかもしれないけれど、ずっとそう思っている。
壁をぶち破った先で一緒に笑いたい。
貴方の闇を貴方と一緒に歩きたい。
無茶苦茶な私にはそれができると思っていた。
私は本物のアホだから、正直今もそう思ってしまうよ。
私は、この人生は貴方と共に戦い抜きたいって思っていることも全部。

私が貴方だったらどうするかな、って最近よく考えてる。
貴方にしかわからない苦しみもあるね。
でも貴方の正義の中で、互いを守ろうとしていること、これが貴方の考える最も優しい選択なのだということは私にはわかるよ。
貴方の選択が、これから先、貴方がずっとずっと笑顔で過ごせる選択になるなら私も嬉しい。私はどれだけ苦しんでも構わないから、貴方が1日でも早く苦しみから救われてほしい。

私は最後まで悪者になりきれない弱くて優しくない人間なのに、嫌われきることも遂行できない人間なのに、バカでアホな私なのに、私が振りかざす優しさで貴方にものすごく長い間罪悪感を持たせ続けて、手のひらを返して強い自分を演じ続けて貴方を傷つけてしまって、怒っていて。
それなのに共に生きる道を模索してくれて、貴方が持てる最大限の優しさをくれて、ありがとうね。


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