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生きる力になる本

僕は「本に生かされている」といっても過言ではありません。
小さな頃から発達特性があり、自分の世界にこもりがちだった僕は、他者との関わりの中で、何度もつまづいていました。

幸いにも、両親が読書家で、家には子どもの興味を引く本がたくさんありました。
本をたくさん読むようになった僕は「本で知ったことをこの目で確かめたい」という強い動機づけの下、大人になるまで、本当にたくさんのことに挑戦してきました。
器用な方ではなかったので、もちろん失敗もたくさんしました。
でも、本から知ったことが、僕の「武器」となり、何度も僕を救ってくれ、おかげで僕は自分の世界を広げることができました。

今では、不器用ながらも、大切な家族や仲間に囲まれて幸せな毎日を送っています。

今回は、僕が発達特性を抱えながら生きていく上で役に立った本を、ジャンルに分けてご紹介します。


●自己理解を深める

(1) 生物から見た世界

知る人ぞ知るユクスキュルによる科学の古典です。
感覚受容器は種によって大きく異なります。
それぞれが外界から受け取った情報をもとに作り出した世界<環世界>の中で生きています。
そう考えると、病気や怪我で受け取る感覚情報に偏りが出てしまった人同士はもちろん、生まれながらに特定の感覚が欠損してる人、逆に特定の感覚が際立ってる人は、それぞれ独自の世界に住んでいるのだろうな、と想像できます。
発達特性により感覚に凹凸がある僕たちと、凹凸のない人では当然住んでる世界が違うのかもしれません。

(2) 利己的な遺伝子

R.ドーキンスによる世界的ベストセラー。
人間の生への衝動はどこからくるのか、そんなヒトの存在の根源的な問いに、遺伝学の観点から答えてくれます。
生物とは、遺伝子を守り、次の世代につないでいくための「生存機械」に過ぎず、利他的行為ももとを正せば「遺伝子の生存にとって有利だから」という理由に他ならないわけです。
何十年も前の本ですから、内容はそのまま鵜呑みにはできないかもしれませんが、人間という不可解な存在の一側面を、かなりはっきり照らしてくれる一冊といえます。

(3) 毒になる親

スーザン・フォワードが著した、「毒親」の語源ともなった一冊。
今では「毒親」というワードが一人歩きをして、さまざまな曲解をされていますが、この本を読めば、自身の親子関係を見直すきっかけが得られると思います。

「兄弟の中で、自分だけ親に差別を受けていた」

と漠然と感じていた僕は、具体的に何に対して不満を感じていたのかが、ぼやけていました。
いろんな場面で自分が選択の機会を与えられていなかったこと、容姿など努力ではどうにもできないことをけなされてきたこと、この本を読んで、親と自分との関係性をみつめなおせたことで、不満が明らかになりました。
そして、それを、親にぶつけて正面から対決して謝罪をしてもらったことで、わだかまりは消えました。
同時に、自分は愛されていなかったわけではなく、ひとえに親自身の未熟さによる部分も大きかったと気づきました。

(4) 愛するということ

「愛」をテーマにした、A.フロムの名著。
愛というのは、アスペルガー特性によると思われるイメージ力の弱さがある僕にとって、いちばん難解で理解に苦しむ概念でした。

僕は、愛とは何かを、本当の意味で知らないまま大人になりました。

世の中の全てが敵にみえてうつ病にもなりました。
それまで出会った人たちと違い、その当時お付き合いしていた彼女(今の妻)は、献身的に僕を支えてくれました。

その後、立ち直ってから読んだこの本で、僕なりに「愛とは何なのか」を理解しました。
そして、自分が幼き頃から親がしてくれていたことが、結婚前から妻がずっとしてくれていたことが、自分が両親・妻・子どもたちにしていたことが、実は「愛するということ」だったんだと知りました。

愛する技術は、先天的に備わっているものではなく、練習によって習得することができる、という言葉も力強く僕の背中を押してくれました。

●世の中の普遍の原則を知る

(1) 相対性理論:100分de名著

いわずと知れたアインシュタインの理論を分かりやすく解説してくれています。
僕は物理学は門外漢なので、理論の解説は本書に譲るとします。
僕がこの本を読んで驚いたことは、時間も空間も絶対的なものではなく、現時点では「光の速さ」以外のものはすべて、条件次第で変わるものなんだということです。
もちろん地球で生活していく中では感じられないような変化ですが、光の速さ以外は「可変」のものであるという知見は、僕に世の中に対する過剰な執着を捨てさせてくれました。

(2) ファクトフルネス

人間が陥りやすい10の思考パターンを提示してくれています。
これを知らずに世界をみると、いろんなバイアスによって、かなり事実を歪めて捉えてしまうんだと思います。
客観的事実を把握するのはそれくらい難しい、ということも大きな気づきでした。

(3) ソシュールを読む

「近代言語学の父」と呼ばれるスイスの言語学者であり哲学者でもあるソシュールの概念を、かなりわかりやすく丁寧に解説してくれている一冊です。
シニフィアンとシニフィエの概念など、僕たちが単に「言葉」と読んでいるものを構造化して分析しています。
音の連鎖という記号、音のあらわす言葉の概念、これらが結びついたものが言葉であるというように、言葉というものの本質的な部分の理解につながります。

そして、言葉というのは「差異」を生み出すもの、という理解は、僕に言葉が持つ便利さの裏に潜む危険性も認識させてくれました。

この本を読んでから、言葉の使い方にはよりいっそう注意を払うようになりました。

(4) サピエンス全史 上・下

ホモ・サピエンスの誕生から発展の歴史を、豊富な知見をもとに解説してくれています。
人間が人間たる所以は、目に見えない「概念」について、言葉を用いてお互いに共有できることである、という視点をはじめ、その後、人類が農業・科学・帝国を発展させていった経緯が描かれています。

僕が「発達特性のある人=狩猟採集民」説の着想をえたのもこの本といえます。

あと、おもしろいのは、個体としてのヒトの成長と、種としてのヒトの進化が重なるんですよね、なんか。
そういう視点で読んでみるのも、おもしろいかもしれません。

読むと、人間の本質が少しみえてきます。

(5) 「生きるに値しない命」とは誰のことか

ナチスドイツが、ユダヤ人以外にも障害者や同性愛者などの少数派を虐殺したことは有名ですが、その政策を支えたのが、刑法学者ビンディングと精神科医ホッヘの共著『生きるに値しない命』なのです。
その本の原文とそれに対するアンチテーゼで構成されているのが本書になります。

僕が以前に書いたnote(https://note.com/adhdot/n/n3a7dc9cab89c)は、真っ向から『生きるに値しない命』という歴史的な本に挑戦する内容になっています。
つまり、当時寝たきりや意思疎通ができない患者さんと日々関わっていた僕は、この本を読んで吐き気を催すと同時に、後半のアンチテーゼの部分に大いに賛同したわけです。

どんなに認知機能が衰えても人には「快・不快」の感情は残り、その個人にとっての快を追求していくべきだという意見は、僕が医療従事者として働く上での芯になっています。

(6) 君主論

権謀術数主義の代名詞といえるマキャベリズムの語源となった、中世イタリアの都市国家フィレンツェの官僚・マキャベリによる名著。
君主としてのあるべき姿を、徹底した現実主義者の目線で描いています。

これは、各国の策謀渦巻く中世で、政府を支える立場として奮闘してきたマキャベリだからこそ著せた、超実践主義的リーダー論といえます。

当時、慣れない管理職であれこれと苦戦していた僕に、書店に並ぶ自己啓発本以上に、リーダーとしてのふるまいについて教えてくれた本でした。

●前向きに生きる

(1) 嫌われる勇気

いわずと知れた、アドラー心理学について書かれたベストセラー本です。
アドラー心理学を専門にする哲学者と悩める青年の対話、というスタイルで物語が進みます。
内容の解説は、ネットにもたくさん出ているので、ここではあえて触れませんが、僕がこの本から学んだことの中で、大きいのが「課題の分離」と「目的論的思考」です。

それまでの人生で、現在の不遇の原因を過去に求めたり、「他者の課題」にまで頭を悩ませたりして、自分を苦しめていた僕は、この本を読んで、生き方をガラリと変えました。

⚪︎「自分の課題」に全力投球して「他者の課題」に口を出さない。
⚪︎「なぜ自分はこうなったのか」ではなく「なんのために自分はこういう“あり方“を選択しているのか」と考える。

このようにシフトしたことで、僕の目は常に前を向くようになり、余計なことに頭を悩ませず、やるべきことを粛々とおこなっていくストイックな生き方を手に入れたのです。

(2) 道は開ける

僕がうつ病になり実家で療養していた頃、父がそっと手渡してくれた本です。
アメリカ人らしい、明快な文章で、心の病との向き合い方が書かれています。

僕が最も感銘を受けたのは『今日一日の枠の中で生きよ』という著者からのメッセージです。
どんなに精神がタフな人でも、これからおこり得るすべてのことを今日引き受けようとしたら潰れてしまうでしょう。
うつ病の僕は、仕事を失い、路頭に迷い、寂しく死んでいく未来まで抱え込んでしまって、生きることに絶望していたのです。

他にも、有益なメッセージはたくさんあり、読み終えると、少なからず心が晴れやかになるので、僕は今もこの本を手元に置いています。


(3) 君たちはどう生きるか

若い内に読んでおきたい吉野源三郎の名著です。
最近、宮崎駿監督が同名映画を発表して話題になりましたね。
はい、僕は観ていません(笑)

本書には、以下のような大切なメッセージが込められています。

⚪︎世の真理を学ぶためには、自分自身を世の中の構成員の一人ととらえる俯瞰的な見方が必要
⚪︎過去の偉人を真似するだけでは立派な人間にはなれない。自分自身の経験を重視してそこから感じたことを深く考えることで真に立派な人間になれる。
⚪︎自分の過ちを認めて、それ故に苦しめるのは人間だけ。人間は行動を選択する力を持つため、過ちから立ち直れる。

僕は、30代でこの本を読みましたが、改めて、自分から行動をおこす主体性と、自分をいつでも客観的にみられる冷静さを、常に持っておこうと思わされました。

(4) チーズはどこへ消えた

社会によくいるタイプの人間を、ネズミや小人に例えて、人生をどう生き抜くべきかを問う、スペンサー・ジョンソンのベストセラー寓話。
これは、客観的に物語として読めば、一度見つけたチーズを貪り続けて変化への備えを怠っていた小人を「ばかだなぁ」と笑えるんですが、実際の生活では、多くの人が今あるものの上にあぐらをかいてその日暮らしをしてるんじゃないでしょうか。

変化に備えて日頃から行動し、いざそれが起こっても勇気を出して、未知へ一歩踏み出す。

生きる上で大切なことを思い起こさせてくれます。

(5) 自省録

僕の人生のバイブルです。
ローマ帝国の五賢帝の一人マルクス・アウレリウスが多忙な日々の中、自戒の念を込めて書き続けた記録。

外敵から帝国を守るために戦地を転々とし、大切な子どもたちを次々と病で亡くし、内政に頭を痛め…

そんな彼がどのようにして自分を保ちながら責務を果たし、賢帝と呼ばれるまでになったのか。
その答えがこの本にはあります。

●世界を広げる

(1) スマホ脳

スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンが、スマホが脳に与える恐るべき影響をまとめあげた一冊。
豊富な研究データをもとに、わかりやすく、理路整然と述べられています。
これを読み終えた直後、僕は、スマホを叩き壊してゴミ箱にぶち込みたいという衝動に駆られました。
それはしませんでしたが、スマホとはしっかり距離をとった生活をしようと決意しました。

(2) ジョニーは戦場へ行った

第一次世界大戦で、戦傷を負い、手足と触覚以外のあらゆる知覚を失い「意識ある肉塊」と化した青年の内的世界を描く、反戦文学の金字塔。

僕は、これを反戦モノとしてではなく、人間の尊厳とは何かに対する一つの答えとしてみました。

当時、寝たきりの、いわゆる「植物状態」の患者さんのリハビリをすることも多く、体の拘縮(関節の硬化現象)を予防すること以外に、リハビリをする意味を見出せなかった僕は「例えどんな状態になっても快・不快の感情は残るし、場合によっては豊かな内面世界をおもちかもしれない」と思えるようになり、寝たきりの患者さんであっても、迷いなく精一杯リハビリを提供するようになりました。

戦争を知らない僕たちが、戦争の残酷さを知るまたとない機会にもなるでしょう。
生きのびたとしても、こんな世界がまっていると想像したら、絶対戦地に行きたくなくなると思います。

(3) 史上最強の哲学入門

僕は哲学が大好きですが、なじみのない人にとっては、理解不能な世界だと思います。

一般的な哲学の入門書とちがい、実在した哲学者たちを闘技場で論戦させるという『グラップラー刃牙』を思わせる設定で、ストーリーが展開されていきます。
内容は骨太で、それぞれの哲学者の論旨を、忠実に、ユーモアを交えて解説してくれています。

著者の飲茶さんは、僕も大好きで、他にもおもしろい本をいくつも出されています。

(4) 夜と霧

ナチスの強制収容所から生還したユダヤ人の精神科医ヴィクトール・フランクルの著書。
極限状態に追い込まれると人はどうなるのか、想像を絶する過酷な状況で、人がどう変わっていくのかを、精神科医の目でとらえた不朽の名作。
自分が生きながらえるために、同胞に手をあげるカポーという地位に甘んじてしまった人々がいた一方、どんなに追い込まれても理性を失わず、愛する人たちを守るために誇り高く死んでいった人々もいたそうです。

人間の気高さを垣間みれる一冊です。

(5) ローラ、叫んでごらん

アルコール依存症の父と精神が不安定な母に、生まれて間もない頃にネグレクトや暴力などの虐待を受けた少女の物語。
アメリカで実際に起こった虐待事件を追ったドキュメンタリーです。

フライパンで焼かれ、体に重い傷害をおってしまったローラは、精神科医ダンブロジオや修道院のシスターたちの献身的な関わりで、徐々に心を取り戻していきます。

壮絶な体験をした人は、防衛機制が働いて心を閉ざしてしまうのかもしれません。
臨床でもよく出会う、なかなか心を開いてくれない対象者の方にも、諦めずにアプローチしつづけてみようと思わせてくれる作品でした。

(6) スティーブ・ジョブズ

いわずとしれたアップルの創業者スティーブ・ジョブズの伝記。
天才でありながら、周囲との衝突も多かったジョブズの人生を知って思ったことは、際立った才能がある人ならば、まわりが、世間に迎合することを強要せず、のびのびとさせてあげた方が、いろんな新しいものが生まれるんだな、ということ。

「出る杭は打たれる」ような保守的な社会は、僕はきらいです。

(7) あるヨギの自叙伝

これも僕の人生のバイブルです。
あまり有名ではないかもしれませんが、スティーブ・ジョブズが、唯一iPadに入れていた電子書籍としても知られています。

インドの偉人パラマハンサ・ヨガナンダ氏の自伝。
氏の数奇な一生と、インドに伝わる神秘思想、ヨガの真髄などを知ることができます。
かといって、お堅い宗教の本というわけでもなく、物語としてもとてもおもしろいです。

僕らが慣れ親しんでいる仏教も、もとをたどれば、天竺と呼ばれたインドから伝わったものなので、本の内容はわりとスッと心に入ってきます。
人生というのは、壮大なる魂の旅の一過程に過ぎない。
そんな僕の人生観をつくりあげるのに大きな影響を与えた一冊です。

(8) きけ、わだつみのこえ

太平洋戦争で亡くなられた戦没学生の方々の手記をまとめた本で、映画化もされています。
それぞれが家族を思い、国家を思いながら、若い命を燃やして散っていったのです。
何度も何度も読み返しては、彼らが後世に託した思いをこの胸に刻み込んでいます。

どんな反戦作品よりも、戦争の愚かさを教えてくれます。
これほどまでに高い知性をもった若い人々を、人殺しの道具にしてしまう戦争の無益さ。
今なお世界中の戦地で失われ続ける若者の命を思うと、言葉がみあたりません。

これから世界はどうあるべきか、そんなことを、深く考えさせられます。

●ライフハック

(1) 思考の整理学

東大・京大でもっとも読まれた本として有名です。
現代の日本の教育の問題点を喝破した、『グライダー人間・飛行機人間』の考え方が印象的でした。

誰かの考えに乗っかってしまって、自分で考えられない人は、グライダーの能力しかない。
もちろん、グライダーの能力も場合によっては必要ではあるが、変化の多い時代には、自分の頭で考える独創性こそがイノベーションを起こしていく力となる。

この本を読んで、“あたりまえ“を疑う精神が養われました。

(2) 五輪書

剣豪・宮本武蔵が著した、勝負に勝つための極意をまとめた本。
相手の動きにまどわされず、いかに勝負を制するかが、昔の人が書いたとは思えないほどわかりやすく書かれています。
機先を制する・出鼻をくじく・意表を突くなどの、剣術以外の、勝負ごと・交渉などに役立つテクニックを学べます。

僕は、これを読んでから、人と話をするときに、冷静に相手の反応をみたり、相手を不快にさせないタイミングで要求を切り出したりできるようになり、それまでより人づきあいでのストレスが減りました。

一時期はビジネスマン必読の書ともいわれていたので、どんな人にもおすすめです。

(3) 葉隠入門

日本兵の死を恐れない勇敢さに恐怖を感じたアメリカ側が、戦後発禁処分にした、古来より戦に身を投じるものたちに読まれ続けた『葉隠』の骨子を、三島由紀夫がまとめたもの。

迷ったら、確実に死ねる方を選べ。

この教えは強烈であり、誤った解釈をすれば、自殺を肯定してしまうことにもなりかねません。
実際、『葉隠』を愛読していた三島由紀夫は、自衛隊にクーデターを促す演説をした後、壮絶な割腹自殺を遂げています。

でも、僕は、毎日死ぬ覚悟を決めて(腹をくくって)生きることで、邪念に惑わされず、潔く生きていけるのではないかと解釈しています。
逆説的かもしれませんが、つまるところ『葉隠』の考えを、生きていることに対する究極の肯定であるととらえています。

(4) 最強の食事術

「医食同源」という言葉もある通り、食べることは健康に直結します。
健康な食事法についての書籍は、巷に溢れかえっており、その内容も日々変遷します。

僕は、仕事柄、食生活に大変強い関心があり、「食生活アドバイザー(2級)」まで、独学で取ってしまいました。
その過程で勉強した内容や、日々の臨床でみる患者さんの食生活と健康状態の関連などから、どの本よりも説得力を感じました。

食事については、いろんな考えがあり、一概になにが正解ともいえないと思いますが、参考までにこちらの本はいかがでしょうか。

(5) あるミニマリストの物語

かねてより、ADHDとミニマリズムの相性のよさを提唱してきた僕ですが、その考えの原点ともいるのがこちらの本です。

「ものをもたないことがミニマリズム」という偏狭な考え方が、最近は主流ですが、そもそも現代のミニマリズムの考えを生み出した人々は、そんな限定された意味合いでこの言葉を使っていませんでした。
物に限らず、人間関係なども含めて、必要最低限のものだけで生きるというのが、本来のミニマリズムだと思います。

ミニマリズムのムーブメントのきっかけになった人のお話です。

●本を楽しむ

(1) モモ

ミヒャエル・エンデによる大人気小説。
古い小説ですが、いまなお読み継がれています。
人々から「時間」を奪い去った時間泥棒たちと対決し、時間を取り戻そうする謎の少女モモの奮闘ぶりを描いた作品。

不思議なことに、今だからこそ、この物語がもつ深みが増してくる気がします。
僕は、時間泥棒を、刹那的な快楽を餌に、家族と関わる時間、人生について考える時間を、僕らから奪い続ける「スマホ」に重ねてしまいました。


いかがでしたか?

読書は、楽しみであり、勉強であり、人生や自分自身についての思索でもあります。

今回のnoteが、みなさんの読書ライフを少しでも豊かにすることに貢献できれば幸いです。

イルハン

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