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3日間限定一般公開、シュウエケ邸(神戸北野異人館)

期間限定、特別公開の北野異人館の洋館
あぁ、なんと甘美で行ってみたくなる誘惑の言葉だろうか。限定、特別、イマダケヨ。

神戸新聞に載っていたので、最終日に行ってきました。

新聞記事

神戸・北野エリアの異人館シュウエケ邸を特別公開 室内には和洋の調度品が多数 レンタルスペースで貸し出しも@kobeshinbunより

神戸・北野エリアの異人館の一つで、神戸市認定伝統的建造物の「シュウエケ邸」(同市中央区山本通3)の特別公開が10日、始まった。阪神・淡路大震災で被災し修復後、近年は定期公開をしておらず、シュウエケ家が収集した和洋の絵画など約200点が飾られた洋館を見ることができる。12日まで。

神戸新聞

なんと、2024/2/10から2/12のたったの3日間限定の一般公開・特別展。阪神大震災の1995年に被災し、その後に修復。定期公開はなく、ごくまれに数日限りのイベント公開をしてきたそうです。

今日、出口で会った方は「入りたくて、見たくて、10年待った」と。マジ幻の異人館。

2023/11/24〜26に神戸モダン建築祭の開催に合わせて、こちらも3日間だけ公開されたそう。

シュウエケ邸の概要

シュウエケ邸の概要を紹介すると、

・場所はトアロード近くの山本通り。北野異人館街の入り口からは、少し離れている
・ゴシック調のコロニアル洋式の建築
・木造2階建ての建物
・イギリス人建築家のA.N.ハンセルの私邸として1896年に建てられた
・白の下見板貼り+クロムグリーンの縁取り
・広い庭園には芝生に石灯籠を配置をするという和洋折衷
・譲り受けたユダヤ人のシュウエケ夫妻が修復し居住した
・夫妻が2019年までに他界。
・親族らが1階部分をレンタルスペースとして貸し出すことを決めた

なるほど。高齢の所有者夫妻が住んでおられたので、一般公開はされずにいたと。

今回はレンタルが2024/2/13以降にはじまり、
そのPRを兼ねた一般公開というわけ。
写真撮影や挙式、食事会などで使えるが要相談とのこと。気になるお値段は見つけきれませんでした。

さて、では今回に私が撮影した写真をご紹介します。

神戸北野スターバックス

まずは10:00開店だったので、時間調整に神戸北野スターバックスへ。

「北野物語館(旧M.J.シェー邸)」で、1907年(明治40年)の建築当初は住居です。
昨年夏に改装というか塗装塗り直しで鮮やかな色になりました。こちらの中も素晴らしいので、改めて記事にします。

シュウエケ邸到着

10時15分前くらいからシュウエケ邸に向かいます。
スタバのすぐ近くの山本通りなので5分くらいの距離です。ハンター坂の急傾斜を横切ります。

ありました。シュウエケ邸です。

白の下見板貼り+クロムグリーンの縁取りなので、先ほどの神戸北野スターバックスとよく似ています。3本の煙突と屋根の上のシャチホコが目印。

レトロな街灯とよく合います。
日没後もさぞ綺麗なのでしょうね。

麗しの美少女

受付の方とお話ししながら、どうやら2,3番手で空いてる時間に入ります。
なんと桜の花が飾られていて、花屋さんがこの日に合わせて頑張って咲かせたそうです。
(がんばってどうにかなるんやな)

中に入ると、モデルさんかと間違えそうな美しい美少女の大きな写真が。持ち主のシュウエケ夫人の十代の頃らしく、これはたまげました。

そして古い神戸市民にお馴染みの笹山神戸市長のサインが。平成五年とあるのであの地震の2年前ですね。
ポーアイやバーバランドなどの神戸都市計画といえばこの人。建築や土木の専門家の元神戸市職員でもあったので、なるほど神戸建築100選にも市長としてのサインかと。

絵画が壁一面に

内部はとにかく絵が多い。壁に隙間なく絵が飾られていて、洋館というよりも、まるで絵画ギャラリーのよう。

絵画もいわゆる洋画は少なくて、明治時代世相画や浮世絵が中心で約200点飾られているそうです。

まるで民俗博物館

ジャンルからして、美術館というより民俗博物館の雰囲気が色濃い。
恐らくはシュウエケ夫妻の趣味なのでしょう。

淡い色合いの絵がが多いので、直射日光には弱そうな気がします。

家具の数々

古いピアノは、神戸新聞によると象牙の鍵盤だとか。テーブルの彫刻や飾られている彫刻、屏風など、いたるものに和風の雰囲気が漂っています。

見事なダイニングテーブル

一方でテーブルは洋風のグラスや金色と緑のお皿、銀製の食器などが並びます。

中庭からの建物ビュー

室内は一階の部屋のみ公開なので、このへんで庭に一度出ます。名建築鑑賞の醍醐味は外観第一主義なのです。

やはり外観が素晴らしい。

左右対称で、ゴシック調のコロニアル洋式の建築そのものです。
二階の展望ベランダから見る景色は、昔はさぞかし良い眺めだったのでしょう。

今は周りに建物が増えていて、庭しか見えないかも。
70年代80年代から神戸市の都市開発を進めたのは、先ほどの賞状の、神戸市役所にて都市計画局で職員として活躍した笹山神戸市長だったりします。

窓コレクション

暗い室内ならではの。

再度、室内へ。
室内が暗いのでカメラのレンズが単焦点レンズのノンフラッシュでは撮れない。真っ暗。

単焦点レンズをズームレンズに交換して、ISO感度、絞りを調整します。

古き良き時代のシャンデリア。

天井や壁に広がる光が柔らかく、
影がまた絵になります。 

光の通り道

足元に目を向け、光の通り道を追います。

光が窓から差して、美しいタイルやカーペットに筋を浮かび上がらせています。

日差しの良い部屋

窓の格子状の隙間と透過性のあるカーテンの組み合わせならでは。

磨きあげられた木目も、実に美しく艶やかに輝いて見えます。

主人の肘掛け椅子

コロニアル様式といえば、大きな窓とベランダが特徴的な建築様式。

陽当たりの良い南向きのサンルーム。
開放感が素晴らしい。

今は亡きシュウエケ夫人が腰掛けたであろう肘掛けのついた椅子。主人なき今も窓際バルコニーで外向きに置かれて光を浴びていました。

名建築でコーヒーを

テントコーヒーさんのコーヒー

満足して出口を出ると、そこにコーヒーとカレーが。聞けば中庭で☕️飲んで良いとのこと。

なんと最高ではないですか。

1時間前にスタバでカフェミスト飲みましたが、また買って室内へ逆戻り。そして中庭のベンチへ。

名建築を愛でながら飲むコーヒーは最高です。

コーヒー提供はこちらのテントコーヒーさんです

おまけ、屋根の上のシャチホコ

そうそう。

コーヒー飲みながら「なぜ洋館なのに、屋根の上にシャチホコなんだろ」と考えてました。

かの名建築家の片山東熊さんだって、屋根にシャチホコは置かない。見たことない。あまりに和洋折衷すぎる。

受付の方に聞いて見ました。

「洋館にシャチホコって変わってますよね、アレ火除けのまじないらしいですよ。
 なにしろ木造の建物ですからね」と。

かつて日本の建築物は木造が中心で、火事は大敵。そのため、水を口から吐き出すと伝わるシャチホコを飾ることで、火除けの守り神とした。

まさか洋館にまで。意外でした。

シュウエケ邸、よく見ると。
シャチホコどころか、屋根はオール日本瓦です。

写真見返してで初めて気づきました。

なんか、外国人ながら最後は武士になった人みたいで面白い。
 ウィリアム・アダムス= 三浦按針みたい。

洋館に、日本瓦と鯱。
イギリス人航海士に、ちょんまげ。


次回予告。

スターバックス神戸北野異人館。
「北野物語館(旧M.J.シェー邸)」
1907年(明治40年)

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