いずみ

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最近の記事

応急手当てで命を守る【心臓震盪編】

脳震盪の発生頻度に比べると稀ではあるが、若年者の突然死の一つとして心臓震盪というものがある。 心臓震盪とは外部的要因により心室細動になることで 衝撃の力によって心臓が止まってしまうのではなく心臓の動きの中であるタイミング(専門的にはT波の頂点の直前)で衝撃が加わった時に、致死的な不整脈が発生してしまうことが原因と言われている。 心臓震盪はそれまで元気で、何の病気もなく心電図検査やレントゲン検査で異常のなかった若年者に起こる恐れがあるため発生リスクを予測することは出来ないが

    • 内側側副靱帯損傷 vol.1

      まずはじめに、野球というスポーツは競技柄上半身の怪我がとても多いということをご理解いただきたい。 投球動作、フリップエンドが有鉤骨の鉤に当たることによる骨折、投球時や打撃動作時に身体を捻る動作を繰り返すことによる肋骨骨折、と多岐に至る。 その中でも今回取り上げる内側側副靱帯損傷は投手に多いとされている。 (骨端線の話は以前のnoteを参照してください) ▪️ 内側側副靱帯の場所 内側とは文字通り肘の内側で小指側となる。 医学的に、小指側にある骨は尺骨と呼ばれ 親指側に

      • アスリートと歯

        現役22年間 通算868本塁打(世界一) 通算2,786安打(NPB歴代3位) セリーグMVP9回 セリーグ本塁打王15回(うち13回は連続) セリーグ三冠王2度獲得 読売ジャイアンツ背番号1(後に永久欠番となる) 日本プロ野球名球会顧問 国民栄誉賞第一号受賞 文化功労者 多くの人が彼の活躍を讃え今日に至る。 この「世界の王」ですら引退時には歯がボロボロだったと言われている。スポーツをするときに奥歯に力がかかるのは何故なのか。 元フィギュアスケート選手である浅田真央選

        • 筋肉とステロイドと

          まず、運動すれば誰でも筋肉がたくさんつくかといえばそれは間違い。 運動をすると強い負荷がかかることで筋細胞が損傷し筋肉を動かすエネルギーとして「筋肉のたんぱく質」が分解される。 この時その運動が激しい筋肉トレーニングであれば、回復することによって筋肉が前より増えることになるが 有酸素運動の場合はあまり強度の高い運動ではないため筋肉回復の流れが起こりにくいから筋肉量が減ったままになる。 これが有酸素運動をすると筋肉が減ると言われている理由。 一昔前、野球だけに限らず様々なス

        応急手当てで命を守る【心臓震盪編】

          空気抵抗 -湿度-

          まず湿度は高ければ高いほど、空気密度は軽くなり空気抵抗の減少=打球は飛びやすくなる。 とは言え湿度0%と湿度100%の差では約91.44cmほどの差しかないので空気中を飛ぶ打球の飛距離としてはあまり差はないのかもしれませんが。 ただしボールやバットはこの湿度の影響を受けやすいのである。 それは湿度の高い環境で長時間放置していると、水分を吸い込み重たくなり反発力も低下してしまうからである。 野球選手が試合前の練習の時にバットを干している光景もそれが理由であり MLBでは、全球場

          空気抵抗 -湿度-

          空気抵抗

          空気は窒素分子をはじめとして様々な分子からなっていてその分子は、たとえ風のない静かな部屋の中でも,平均として音速(だいたい300m/秒)以上のスピードで飛び回っている。 そのようなすごいスピードのものが私たちに当たっても痛くないのは、分子の質量がとんでもなく軽いからある。ただこのような軽い分子でも、たくさんの数で当たってくると大きな力となる。台風などがわかりやすい例として挙げることができる。 このように空気中を動いている物体が空気から抵抗力を受けるのもたくさんの分子が当たって

          空気抵抗

          放映権について

          以前ツイッターでこのような記事を紹介させていただきました。 https://full-count.jp/2018/05/25/post132289/ ここではその放映権についてまとめていきたいと思います。 ◆放映権 全国放送はコミッショナーが直接契約し、地元放送はチームが契約する仕組みになっています。 収入源としては、全国放送は公平に分配されるため地元TV局の方が大きくなっています。 放映権は、通常10〜20年程度の長期契約で、一度契約するとTV局は放映し放題、球団も毎年契

          放映権について

          野球肘

          一般的に野球によるスローイング動作、特に投手に頻発するボールを投げすぎることによって生じる肘の障害を野球肘という。 繰り返し投げることにより肘への負荷が過剰となり肘の外側で骨同士がぶつかって、骨・軟骨が剥がれ痛むといったことや肘の内側では靱帯・腱・軟骨が痛み肘の後方でも骨・軟骨が痛むといった病態である。 結果投球時や投球後に肘が痛くなり肘の伸びや曲がりが悪くなり、悪化することにより剥離や骨折を起こすことがある。 野球、テニス、アメフト、ヤリ投げなど、オーバーヘッドスローの

          野球におけるイップスについて

          スポーツにおいて不安や緊張といったものは欠かせないものであり、その中でもイップス (心因性運動機能障害) は精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレーや意識が出来なくなる症状のことである。イップスと類似したものとしてスランプやアガリというものがあるが、スランプは高度な技術を習得しようと意識するあまりに陥る症状であり、アガリは試合の肝心な場面で生じるものであるためここでは区別していきたい。 先行研究を参考にし、この文において「心理社会的要因

          野球におけるイップスについて

          投手の適材適所

          投手は役割によって大きく2つに分類される。 試合開始からマウンドに立つ先発投手(スターター)と、試合展開によって途中イニングから先発投手に代わり登板する投手救援投手(リリーフ)である。 その先発が9イニング投げきってしまえばいいが、全力で9イニング投げるのは不可能に近く当然何巡もすることによって打者も慣れてくる。 そこで手抜きしながら9イニング投げるよりは、6.7回まで全力で投げて中継ぎに繋ぐという手法が主流になった。又、一日で球数を投げると、投手寿命に深刻に影響すると

          投手の適材適所