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内側側副靱帯損傷 vol.1

まずはじめに、野球というスポーツは競技柄上半身の怪我がとても多いということをご理解いただきたい。

投球動作、フリップエンドが有鉤骨の鉤に当たることによる骨折、投球時や打撃動作時に身体を捻る動作を繰り返すことによる肋骨骨折、と多岐に至る。

その中でも今回取り上げる内側側副靱帯損傷は投手に多いとされている。
(骨端線の話は以前のnoteを参照してください)


▪️ 内側側副靱帯の場所

内側とは文字通り肘の内側で小指側となる。
医学的に、小指側にある骨は尺骨と呼ばれ 親指側にある骨は橈骨(とうこつ)と呼ばれている。
今回テーマとなる内側側副靱帯は、肘関節の小指側にある尺骨と手首から肘までの部分を指す前腕が繋がっている部分です。
(実際触りながら確かめてみるとわかりやすいかもしれません)


トミージョン手術

トミージョン手術は内側側副靱帯が損傷した際に太ももの裏・お尻・膝等自分の身体の一部から靭帯を採取し損傷した側副靭帯に移植を行う術式で
自分の靭帯を移植するわけですから、拒絶反応は起こりませんが採取部位によっては手術方法が変わったりリハビリ期間などが変わってきます。

◆ 要因の仮説

1) 球速

150km/hや160km/hの球を投げ三振を取る……今や野球の華の一つでしょう。

アメリカスポーツ医学研究所による見解では球速のみに拘った若い選手に言及しており、ボールの軌道・コントロール・メカニクスの維持は成功をおさめる大前提だと述べておりこれはスポーツ医学に携わる人達の共通認識である。

この事についてTEXのチームドクターKeith氏も「フォルクスワーゲンにV8エンジンを記載出来ないことと同じ(無意味に速さを追い求めるのは最終的に身体を壊してしまうことの比喩)」と述べている。

2)球種〜スプリットとカッター〜


スプリットは人差し指と中指を広げるグリップから投げられる球種の一つで動力学上ではこのグリップに負担があると言われているが、スプリット自体はトミージョン手術が頻発する近年目立った球種ではない。

反対にカットボールは使用割合が上昇している。BALではカットボールが禁止されておりその事についてダンGMは

The philosophy of the organization is to encourage pitchers to develop a good delivery, command of their fastball, an off-speed pitch and a good breaking ball,” Duquette said. “The first breaking ball that we work with our young pitchers on is a curveball. (中略) “First of all, the cut fastball, we don’t like it as a pitch, OK? And we don’t like it for young pitchers because it takes away from the development of their curveball, which is a better pitch long-term and also, the velocity of their fastball.

カットボール使用による身体能力、及びそれに付随する形でのストレートの球速が低下する点について言及をしているが、内側側副靱帯への負担や影響については触れていないのである。

続きはまた今度更新します🤘

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