アスリートと歯

現役22年間
通算868本塁打(世界一)
通算2,786安打(NPB歴代3位)
セリーグMVP9回
セリーグ本塁打王15回(うち13回は連続)
セリーグ三冠王2度獲得

読売ジャイアンツ背番号1(後に永久欠番となる)
日本プロ野球名球会顧問
国民栄誉賞第一号受賞
文化功労者

多くの人が彼の活躍を讃え今日に至る。

この「世界の王」ですら引退時には歯がボロボロだったと言われている。スポーツをするときに奥歯に力がかかるのは何故なのか。

元フィギュアスケート選手である浅田真央選手は、「ジャンプのときに奥歯を噛みしめるため、歯が欠けることがある」と述べている。
普段私たちが力仕事でグッと力を入れる際、奥歯に掛かる力は50kg~100kgにもなるといわれており、時速150kmの硬球を打ち返すときやスケートのトリプルアクセルを跳ぶとき、数100g~1tものエネルギーが奥歯にかかるといわれている。

奥歯を噛みしめることによって重心が安定し体がスムーズに動くようになる、ということが証明されている。

重心が安定する理由としては、顎のすぐそばに「三半規管」という平衡感覚を司る器官があり、そこに強い刺激が伝わることにより安定し身体の末端まで力が伝わるという仕組みである。

人類が進化の過程で4足歩行から2足歩行に変わる時、脊椎(背骨)と頸椎(首)の角度が大きく変わっている。
直立した人間は頭部のバランスを下顎で取っている。

王貞治氏の場合、「一本足打法」という敢えて体幹に大きな揺らぎを作りその反動を利用してHRを量産している。
下半身が揺らぐと当然上半身も揺らぎ、その揺らぎは下顎で補正することとなるため歯の磨り減りは他の選手以上だったのではないかと推測する。


またしっかり噛むことで認知機能をつかさどる前頭前野の血流がよくなるので集中力と判断力が上がるといわれている。
野球選手が試合中にガムを噛んでいるのもその効果を期待してではないだろうか。

アスリート用のマウスピースはスポーツ時の食いしばりや激しい衝撃にも耐えられるような厚さ、大きさとなっており歯の保護や脳震盪などスポーツの現場で起こる怪我を最大限に予防したり保護したり出来る仕組みになっていると言われている。



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