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常磐線舞台芸術祭VoiceonVoice「中通りと浜通りの境」


言葉と言葉の打ち上げ花火
メロディは加速させる推進させる
スロウにメロウに解き放つ

べべんべんギターを
かき鳴らして揺れる田島貴男
言い立てる
言葉をたてる
声を発して空気を震わせる和合亮一
2人で1人の琵琶法師
まちなか広場に突如として
打ち上げられた
花火を観た


正確には「浜通りと中通り」の順番何だけれど書きはじめて中通りが先にでてきた
無意識に
自分が住んでいる居住地を
中心に添えて
考えてしまうものなのかもしれない
常磐線は浜通りを
北から南へ
もしくは
南から北へ
縦断している
交差しない
福島県内では
交わらない
東北本線と常磐線は宮城県で交差する 
ディスタンス
川の字のように
縦に流れ落ちる
この距離感が
福島県

常磐線は本数が少くて
1時間待ち
2時間待ちなんて
ざらにあって
何処かへ繰り出す
ことも難しくて
大人しく
駅舎付近で時間をやり過ごすしかなくて
いわきから原ノ町はほとんどが無人駅で
浪江駅で
JRのエリアがスイッチする
浪江から以北は東北で
浪江から以南は関東で
ここには線がひかれている
時は過ぎ去る
刻一刻
常磐線は
時間を巡る

「浜通りと中通り」の境は
なぜ福島市なのか
福島市からバスが出ている
川俣町
飯舘村を経由して
原ノ町まで往復している
公共交通機関
つまり
私のあなたの
みんなを運ぶ
その意味で
境を超えて越えて

そして
海へ

声は届くだろうか
時を超えて
声は届いただろうか
空気を揺さぶって
その波は
どこへ帰るん


雨ニモマケズ 風ニモマケズ