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車椅子の概念を変える?アウトドア車椅子”MountainTrike"

こんにちは。wamです!
理学療法士として働きながら、障害者の余暇活動について
発信しています。

以前、スポーツ用車椅子について記事にしました。
競技特性に応じて微妙に違ったりしていて、よく見ると面白いんです!

その流れで面白い車椅子をご紹介していきたいな~
と思い、「足で漕ぐ車椅子”COGY”」についても書きました。

今回は、”アウトドア用車椅子”について記事にしたいと思います。

車椅子でアウトドアなところって行けるの??
読んでくださっている方の車椅子の常識が変わるかもしれません!!
(言いすぎかな?笑)

普通の車椅子との違いって?

一般の車椅子(常用車)は、あくまで平地用に作られていることが多いです。
病院や施設内のコーティングされた床であったり、コンクリート、
家の中などのフローリングを走ることが想定されています。
その仕様で外に出る事ももちろんできますが、不整地は結構大変です。

「平地を想定されたつくり」

まず前輪です。
小さくて、細いことが多いです。
床との接触面積を減らすことで駆動する際の抵抗を減らしています。
(床との抵抗が減ることで早く漕げたり、小回りがきいたりします)
また、小さくすることで軽量化や安価化もしています。

次に後輪。
必要最低限のグリップ力であり、タイヤの幅も自転車と大体同じくらいです。

あとはフレーム(本体のこと)です。
多くの乗用車は折り畳みタイプなので、剛性が弱いです。
折り畳みタイプといっても様々ですが、
車椅子の下に横方向の支柱同士がクロスになっているタイプは、
幅を狭く折りたためるよう設計されています。

ユーキトレーディング社HPより

日常で使う分には、車に積み込むのに便利ですし
椅子やベッドへ乗り移った際に畳んで置いておくことができるので
省スペース化できるので多くの方がこのタイプを使用しています。

便利な反面、本体を支える支柱が可変式なため
折り畳み式でないものに比べると
特に捻じれの力に弱いという側面があります。

もちろん多少凹凸のある道路を漕ぐぶんには何の問題もありませんが、
アウトドア、特に木の根っこや石ころがたくさんあるような場所では
すぐにフレームが歪んでしまう危険があるのです。

以上の事から、
なかなか乗用車ではアウトドアを楽しめない現状があります。

ですが、障害を持っていてもアウトドアを楽しみたい人のために
様々なアウトドア用車椅子が開発されています!

今回は、その中の一つMountainTrikeをご紹介します。

オフロード車椅子”Mountain Trike”

イギリスの車椅子メーカーが販売している車椅子で
森の中や砂浜、雪の中も走れる走破性と安全性を売りにしています。

どんな車椅子?

足元から伸びるレバーを前後に引くことで駆動します。
レバー操作なので、タイヤを直に触ることなく
汚れを気にせず進むことができます。
レバーには後輪を操作する機能もついており、
方向転換やブレーキも手元で行えます。

nicomobility社HPより

車輪にはそれぞれサスペンションがついているので
砂利道や石畳の道などのぼこぼこ道も衝撃を吸収してくれます。

折りたためますが、ハンドルと背もたれが倒れるだけなので
剛性もありますし、タイヤの太さもあります。

そして(個人的に)一番おもしろいつくりだと思ったのが
前輪が常に浮いている!!!

その手があったか!!!天才??!!

不整地ってどうしても前輪がネックになります。
乗用車は前輪二つの大輪(後輪)二つの4つがスタンダードですが、
段差を普通に漕いで超えようとすると前輪の半径以下の段差しか物理的に超えられません。

そこでどうするかというと、前輪を少し浮かせて段差を超えます。

浮かす????

重心位置を大輪の方へずらすことで前輪を浮かすことができるのです。
これを”キャスター上げ”と言ったりします。

一般社団法人コ・イノベーション研究所HPより引用

↑のようにキャスターを上げながら
不整地を進んだり段差を乗り越えたりするものなのですが
もともと前輪が上がっているのであればその必要がない!

mountaintrikeは、大輪の後ろに後輪が1輪ついているので
3点支持で安定感もありつつ、不整地もガシガシと登れる仕様になっているようです。

どこで手に入る?乗れる?

日本ではnicomobilityさんという代理店で取り扱っているようです。

海外の国立公園などでは、貸し出し用として複数置いてあったりするみたいで、
日本でも戸隠観光協会ユニバーサルツーリズムさんで実際に借りて
散策することができるようです。(なんと無料で!)

自然大好き勢としては、日本各地の観光協会で普及してもらいたい!!

mountaintrikeには後輪にモーターのついたタイプや
介助者が押せるタイプのものもあり、様々な方が楽しめる可能性があります。

以上、どこでもいけちゃう可能性を秘めたオフロード車椅子でした!

私の運営するハンディキャッパーのためのアクティビティ検索サイト「want to do!」では、
障害を持つ人が気軽にアクティビティを知ってチャレンジできるよう
様々な掲載情報を募集しています!
面白い情報や、楽しそうな事をぜひ教えてください♪

wam

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