見出し画像

私の推しのライバル、意外性はモテにつながる

『ハンニバル戦記」の続きです。ハンニバルの後継者は皮肉なことに宿敵ローマのスキピオでした。ハンニバルより一回りくらい若いこのスキピオの登場によってハンニバルはどんどん追い込まれていきます。
ハンニバルの戦術を良く学んでいて、それをそのまま師匠に対して実行する、そういう若者として登場してきます。

スキピオ、これはモテでしょう。

スキピオは20代にして寛容さと(当時はそんな概念ないけれど)人権主義者的な姿勢で人々をまとめながら、ハンニバル軍に寝返っていた勢力を再びローマ側に抱き込んでいきます。
才に長け、先輩や上司にも言うべきを言い、名誉欲や支配欲ではなく、実行したいための権限移譲を説得する。
戦略として相手の裏をかく、想定外を突く、ハンニバルを真似ることで成果を上げていく新進気鋭さんです。

失敗を許す、マウントせず軍門に下った相手の尊厳を保つようなふるまい。
完璧な若手ですね。
特に、ハンニバル軍の占領から解放してあげた地で感謝の印に一番の美女を献上されたにもかかわらず、彼女に婚約者がいることを知るとご祝儀をもたせて婚約者のもとに返したというお話も彼のパーソナリティを顕著に伝えるものとして語り継がれています。
ハンニバルの前に現れた年下のライバル、スキピオ、これはモテるでしょう。

「彼はアンサンセ。」

すぐに浮かんだのがアンサンセ(意外性・想定外)という香水。
これはメンズフレグランスをかなり中性化させていく起点になる香りだと私は考えています。それ以前は比較的わかりやす男性用、女性用で香りが棲み分けられていました。(香水が近代化してから100年くらいの傾向です。)
ユニセックス化、メンズの女性化、アンサンセからメンズ香水は草食化していったと言えるかもしれません。

そういうことから、メンズフレグランスとして登場したアンサンセも女性の愛用者が多かったようです。
スキピオの支持者も権力者ではなく市民、ベテランではなく若手だったように。

誰に対しても繊細な触り心地で使いやすい香り。重厚な中に色香ただようハンニバルの「青春の雫」とは対照的。この二人の濃淡は何の違いなんだろう?香りを聞き比べて、想い馳せたい。


INSENSE(アンサンセ)/GIVENCHY
意外性、想定外の意味を持つ。90年代、アンサンセのラインのウルトラマリンが大流行。
今の40代以上のほとんどの人が「元カレの香り」と認定している。
アンサンセはメンズ香水としてかなり意欲的にフローラルを使っていて画期的

#note100日
#コルクラボ
#adams


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?