adams fragrance family

ワークショップデザイナー・フレグランスデザイナー。心のハナレ、大人の自己変容、美しい化…

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ワークショップデザイナー・フレグランスデザイナー。心のハナレ、大人の自己変容、美しい化学反応をテーマにadams fragrance family主宰。「貴方のスキと貴方のモデレート」創香/「もう一人の素敵な自分発見」名香水モニタリング/「香るあり方」歴史に学ぶサロン秀麗凛華/

マガジン

  • 香りの歴史、人物と香りの物語

    歴史に名を残す人物たちと香りの物語

  • adamsfragrancefamilyのサロンについて

    心のハナレ、大人の自己変容、美しい化学反応。adams fragrance familyについてのNOTEです。サロンで大切にしている「ときめく会話」「目から鱗の刺激」「おだやかな風」「エレガントな尊重」のことなど、折々につづっています。

  • 星座・干支と香水について

    星座や干支と香水を関連付けたNOTEです。

  • 週刊お題note

    • 25本

    みんなでお題を出し合い、週1ペースで書いてみようという試みです! ☆毎週日曜にお題を発表、土曜締め切り。 ☆2000字以内(目安) ☆noteへの投稿であれば表現方法はなんでもOK! ☆#週刊お題noteと#(その週のお題)のハッシュタグを付けてね。Twitterでもシェアしてくれるとなお嬉しい。 ☆誰でも参加可能。お題はオンラインサロン「コルクラボ」のメンバーで考えてます。 ☆できない週があっても自分を責めないこと!

最近の記事

心の身だしなみ、取り繕わない美学 9月19日~365日の香水

メンズフレグランス 奇跡の日 修業時代のお話し。 ある年に長期インターンの学生が男女1名ずつ入ってきた。 その年だけの方針だったと記憶しているけれど「現場で学ぶ」一環でその学生二人は、香水売り場の販売員見習いとして数日、現場体験をした。 その期間中に、あるメンズフレグランスの日本の発売日が重なっていた。 実習を終えた二人に後日感想を聞くと、開口一番「奇跡が起こっていた」と。 当然、メンズフレグランスの発売日のことを言っていた。 何が奇跡だったか。 その香水を求めて店頭に来る男

    • 異端の力 9月18日~365日の香水

      異端ということ 今日、私たちが生存しているのは、歴史を通じて常識にとらわれず挑戦してきた少数の異端者のおかげかもしれない。彼らは常に少数派でありながらも、イノベーションを起こし、変化をもたらし多数派とは異なる選択をした。 この見解の出典も不明だけれど、イノベーションを起こせるかどうかは、あらゆる組織や集合体の生命線と言っていいし、それを起こす人は常に少数派だという節理は納得度が高い。 芭蕉のイノベーション イノベーターで思い浮かぶのはたいていの人と同じスティーブ・ジョブズ。

      • 月光が聴こえる 9月17日 ~365日の香水

        今年は今日が中秋節 つい先日のバンコクもそうだったけれど9月(の中旬以降)に東南アジアや東アジアを旅すると、行く先々で月餅のプロモーションに出会う。 そのたびに「中秋の名月の季節だな」となんとなくは思ってきた。 明確に教えられた記憶はないけれど、秋、名月、月餅や月見団子、そういうことは自然と自分のナレッジにあった。 もしかして、月見バーガーが発端だろうか笑。 中秋節とは太陽太陰暦の8月15日のことで、今年はそれが今日9月17日にあたる。何日になるかは毎年変わるということと、必

        • 従者とともに 9月16日〜365日の香水

          equpageとは エルメスのクラシックの男性用フレグランスエキパージュ(equpage)は、二輪馬車を指すと聞いたことがあったけれど、これは厳密ではなかった。 昨日取り上げた女性用のカレーシュ(careche)が四輪馬車を意味したのに対し男性用は二輪馬車ということだったけれど、実際の意味は、軍隊の装備、従者を含めた馬車、家庭用品や個人の身の回り品一式、などを意味するようだ。 装備、必要な一揃えということだと思うので、従者(御者)がいて馬車は一式という意味合いも、ヨーロッパの

        心の身だしなみ、取り繕わない美学 9月19日~365日の香水

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        記事

          四輪馬車の秘密 9月15日〜365日の香水

          高貴な女性が誇らしげに 現代では移動手段としては使われなくなった馬車。 ベルギーのブルージュの広場には観光用の馬車が待機していて、利用する環境客もよく見かけた。 馬具商であったエルメスが1950年代から香水に着手し始め、3〜4作目の香水がカレーシュ(caleche)だった。 ブルジョワ女性を舞踏会、劇場や愛人宅へ運んだ馬車。 高貴な女性が誇らしげに並木道を行く豪華な馬車、そのようなイメージで創作されたという。 秘密の取沙汰される場所 乗ったことがないのでわからないけれど、馬

          四輪馬車の秘密 9月15日〜365日の香水

          女神の分人 豊穣、愛、戦争 9月14日〜365日の香水

          アナイスアナイスの思い出 キャシャレル(cacharel)のアナイスアナイス(anaisanais)のことは一度書いた。 そして、もう一つ、名前は出していないけれどアナイスアナイスに関連するnoteが下記。 今はない、日本で初めてと言っていい香水専門店アミドパリ。昭和初期の輸入ビジネス、しかも女性が起業した事業だった。 初対面で、創業者の桐生さん(その時はお名前は存じ上げなかった)が少しの会話の後で「あなたに似合う」と言って見せてくれたのがアナイスアナイスだった。 既にイ

          女神の分人 豊穣、愛、戦争 9月14日〜365日の香水

          成長のサファイア 9月13日~365日の香水

          サファイアは9月の誕生石。 数字の9には「成長」「変容」のイメージがあるとつい最近のNOTEに書いた。 サファイアのイメージ サファイア(Sapphire)は古代ギリシア語の「青い」を意味する言葉からきていて、空や海の青をそのまま映した「神に近い神聖な存在」を感じさせる石とされてきたらしい。またこの青に心を鎮めて人を冷静にさせる効果があると信じられ、目標に向かう時のお守りにもなった。硬度はダイヤモンドの次に高い。 くわしいわけではないけれど、硬度NO.1 のダイヤモンド、赤

          成長のサファイア 9月13日~365日の香水

          神秘のアジア 幻想の花 9月12日~365日の香水

          アナイスの旅した日本、バリ 私の好きな作家アナイス・ニンが日本やバリなどアジアを訪れた時のエッセイを読んだことがある。 趣は違うけれど、女性の仕草や物腰に敬意を持ち、愛らしさと、西洋社会とは異なる女性たちの自由意思をアナイスは感じ取ったのだと私は受けとめた。 アナイス・ニンが日本を訪れたのは1970年代だったはずなので、その当時の話になるけれど、日本女性の慎ましやかな感じや、ご挨拶の仕方、男性を立てるようなあり方についても、追従や不平等ではなく「それが美しい」という価値観に基

          神秘のアジア 幻想の花 9月12日~365日の香水

          生きる 9月11日〜365日の香水

          バックパッカーだった友人 私の友人でバックパッカーの旅に出て、その最終地に選んだアフリカで、2年の旅を終える計画だった人がいる。 結果、彼女はアフリカ(マラウイ→モザンビーク)を離れられず、数年が過ぎ、現在はNPO法人を設立し、複数地域にまたがって、孤児や女性支援をしている。 なぜ、そうなったのか。 最初は「アフリカはやはり怖いし数週間だけいて、すぐ立ち去ろう」というつもりだったという。 それでエチオピアの施設でボランティアを最後にしてバックパックの旅を終えることにした。 施

          生きる 9月11日〜365日の香水

          巨人とマドモアゼル、巨人とイノベーター 9月10日〜365日の香水

          伝説の衰退  シャネル帝国は二度、衰退の危機に陥ったことがある。最初はココ・シャネルが第二次世界大戦時に香水の販売以外の事業、つまりファッション部門をクローズし、さらに戦後はスイスに隠遁していた時期。シャネルというメゾンは終わっていた。1954年に電撃的に復帰した時も、シャネルはパリでは「過去の人」と酷評された。 しかしアメリカでの高評価をきっかけに再浮上し、あのシャネルスーツを発表するなど完全復活を果たした。 再び、伝説の衰退 二度目の衰退期はココ・シャネルの死がきっか

          巨人とマドモアゼル、巨人とイノベーター 9月10日〜365日の香水

          「9 」 9月9日〜365日の香水

          重陽の節句 元旦、ひな祭り、端午の節句、七夕に続いて奇数の重なる日、9月9日は重陽の節句。 陰陽思想では奇数は陽、偶数は陰。暦の中で最大の陽が重なるのが今日。 偶数である隠は二つに分かれることから調和、安定を担い、割り切れない奇数は変容や進歩を担うという考え方。 正負ではなく、オンオフ、リフレッシュとリラックスのような関係かもしれない。 中国ではこのようにパワーのある9を、皇帝の数字として、例えば紫禁城の部屋の数を9999にするなど、王朝や皇帝に関わる神聖な数字としてきたそう

          「9 」 9月9日〜365日の香水

          パリの宵 再び 9月8日〜365日の香水

          パリの空気 「パリの空気を吸うためなら、わざわざパリに行かなくても大丈夫。ソワールドパリの数滴ですべてがエレガントなムードにかわり、幸福でロマンティックなパリの一夜を体験させてくれるから」 限定復刻版 データベースに上がってこないけれど、ブルジョワ創業の周年か何かで、ソワルドパリ(soir de paris)は復刻したことがある。 その限定復刻版パルファンの箱を開けると小冊子が入っていて、1929年に出たソワルドパリの伝説が1ページ目に、ページをめくった2ページ目に冒頭の文

          パリの宵 再び 9月8日〜365日の香水

          澄んだ空の青と古代地中海の世界 9月7日~365日の香水

          空の色、さまざま 空の青と言ったらどんな色を思い浮かべるだろうか。 スカイブルーは雲一つない晴天の空の青。もう少し暦が進んだら見ることができるインディアンサマーや小春日和の空の色だろうか。 海と空が溶け合った少し緑がかった空はターコイズブルー。 コバルトブルーというと、都会の夕暮れのイメージ。 私のサロンのベースに「令空~れいくう」というものがある。 これは、雨上がりの空のうっすらグリーンとグレイが残りながら晴れてきた青みを帯びた空の色をイメージしている。 (令和に年号が改ま

          澄んだ空の青と古代地中海の世界 9月7日~365日の香水

          ”・・・” 9月6日~365日の香水

          マーク 英語のmarkやフランス語のmarqueの語源を遡ると古いゲルマン語に行きつき、区別する、境界線を引くといった概念からきているらしい。 マークする目的は他との区別なのは今も変わらない。 黒 Black~、Noir~(英語、フランス語で黒の意味)というのは香水の名前でもよく見る。 365日のシリーズでもBlack Jeans(ブラックジーンズ/ヴェルさーり)やBvlgari Black(ブルガリブラック/ブルガリ)、 Nariceisse Noir(ナリシスノワール/

          ”・・・” 9月6日~365日の香水

          淑女の諸相 9月5日〜365日の香水

          今日の香水、マダムロシャスがリリースされたのは1960年。 1950年代と70年代のファッション 1950年代は戦後からの復帰、ディオールのニュールックに象徴されるような古き良き美の復刻。戦時中の物資不足を反映したファッションの反動ともいえる。1970年代は再三出てきているけれど、今度はベトナム戦争の影響で、若者の反戦がカルチャーにも反映して、自然回帰を軸にライフスタイルもファッションも旧世代的なものから脱却した時代。 1960年代のファッション その「間」に位置する19

          淑女の諸相 9月5日〜365日の香水

          美と知と 皇后に献上された香り 9月4日~365日の香水

          マリー・アントワネットの復権 2020年の年明けにパリのコンシュルジュリーでマリーアントワネット展をみた。今年のパリオリンピックでの開会式でもギロチンにかけられた王妃をモチーフにしたパートがあって物議をかもしたようだけれど、この時の展示でもマリー・アントワネットのおもちゃや人形は、どれも”王妃と言えばギロチン”というテーマで、首をつけたり外したりするデザインばかりだった。 革命政府のプロパガンダもあって、恐怖政治の時代には特に魔女、悪女のように扱われた王妃マリー・アントワネッ

          美と知と 皇后に献上された香り 9月4日~365日の香水