見出し画像

夜の始まり 9月23日〜365日の香水

俄かに秋
俄かに、気温は変わらないけれど湿度が下がり体感温度はかなり変化してきた。
残暑の中に少しずつ秋が滲み出てきている。

秋という環境下での五感
そういえば、秋の味覚という時に旬であるだけでなく、季節の到来とともに欲して食べたくなる味がある。
色彩も同様で、特に季節の変わり目ほど、選ぶ色合いが変化する。定番すぎるけれど、ブラウン系のカラー、深みのある赤などに気持ちが移る。
同じ色彩も暑気にあっては重くどんより見えたものが、徐々に冴えてくる空気の中で映えてくるためかもしれない。
空気感の変化は私たちの感覚に影響を及ぼす。
視覚や味覚だけではない、音も軽やかにクリアになっていく。ヴァイオリンやピアノの音色などがそうだ。
嗅覚も同様で、気温も湿度も高い艦橋ではより嗅覚センサーが反応しやすく、強く濃くにおいをとらえがちになる。
普段はいい香りなのに夏場になると心地よく感じないのはこのため。

五感が癒され、醸成される季節
四季それぞれの良さがあるけれど、私たちはちょっとしたことが不快に感じた日々から、ようやく軽やかで繊細な五感を遠慮なく楽しめる季節の扉の前にもういる。
夏の疲れを癒しながら、感覚を研ぎ澄ます手伝いも、してくれている秋。
秋生まれのせいか、やはりこの季節が好きだ。

夜が長くなる日々の始まり
そういう研ぎ澄まされた季節の中で、夜も長くなっていく。
秋分は昼と夜の長さが同じということだから、ここから夜が少しずつ昼を侵食していくことが始まる。
夜会のような夜ならではの楽しみもあるけれど、音や体感の喧騒が鎮まり、長くなった秋の夜は内省的な時間でもあると思う。
月明かりと、静けさと、軽やかになった空気。
内面を覗き込んだ時、それまで隠れていたどんな物語が立ち現れるだろう。
クリエイティブに向いた長い夜の日々。

la nuit/paco rabannu/1985
これも譲り受けたもの。今日気がついたけれど“デモンストレーション用 “となっている。

シプレータイプの奥行きやフローラルとのアコードによる繊細なニュアンスが楽しめるようになってきた。
温かみの中に、ひんやりした部分も感じる。シプレーやアニマリックノートとバジルなどのハーバルの組み合わせからきているようだ。

パッケージもボトルも宇宙を思わせる。
夜の神秘や夜に生まれる物語を想う。

香り、思い、呼吸
9月23日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?