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複雑系、アナログ的 “℉” 9月21日〜365日の香水

セルシウス氏とファーレンハイト氏
アンデルス・セルシウス(anders celsius)はスウェーデンの天文学者で、今私たちが使う温度のスケール℃の提唱者。
ガブリエル・ファーレンハイト(gabriel fahrenheit)はドイツの物理学者で、セルシウスとは別の温度スケール℉を使った温度計を開発した。
ずっと知らなかったけれど、摂氏(℃)、華氏(℉)という表記の「氏」とはセルシウス氏、ファーレンハイト氏という時の氏だそう。
摂がセルシウスを華がファーレンハイトを示す、音読みや中国語の発音だとそれぞれの漢字は名前の頭の「セル」「ファ」に近いのだろう。

わかりやすさと複雑さ
ちなみに、セルシウスの℃が先に登場して、それよりももっと精密な測定を目指してファーレンハイトが℉の温度計を開発した。18世紀初頭のこと。
℉を使っているのはアメリカがそうで、そういえば西海岸に行った時、天気予報で気温を見てもよくわからなかった記憶がある。
℃は沸点が100℃、凍結が0℃とわかりやすい。
℉は、塩水の氷結が32℉、沸点が212℉。複雑だけれど、これは極論、人の体感に厳密にしていった結果らしい。

デジタル的なスケール区分に合わせる日常
体内時計という言葉があるけれど、私たちは計測しやすく覚えやすい“デジタル的”なスケール区分に自分たちを合わせて生きるように今はなってしまった。
12時だからお昼ご飯、25℃だから上着、など。
眠いから眠る、食べたいから食べるということが自由にできているようでいて、既にデジタル的なバイアスがかかった上での判断なのかも。
ファーレンハイト氏は、より“アナログ的”なスケール区分を目指したのかもしれない。
体感は、複雑でさまざまなな要因が絡み合って生成される。それを数値化するのだから、わかりやすくはなり得ない。

センスオブワンダー
センスオブワンダーということを時々考えるけれど、アナログとは人間そのもので、これはとっても複雑だから平準化や均一化は難しい。
複雑なものはそのままで、アナログで生きるということがセンスオブワンダーなのかもしれない。

fahrenheit/christian dior/1987
発売当時のバージョンがコレクションにある。ヴァイオレットリーフの香調を出すのに有効なある合成香料が使用可能な時代だった当時のもの。
セージやラベンダーなどのハーブとこのヴァイオレットリーフ様の香気が絶妙で、そこにパチュリやレザーが相まって、幻惑的な感じのする香水。
まさに複雑系。複雑系は解析しても意味がない。そのまま楽しむ方がいい。

香り、思い、呼吸。
9月21日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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