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フィルム写真の頃が良かったと思うこと

202310101327 フィルム写真の頃が良かったと思うこと

 私は写真撮影が好きです。スマートフォンでの写真撮影も嫌いとは言いませんが基本的にはカメラ(写真機)を使います。今では100%デジタルカメラによる写真撮影で便利・高機能でありそれはそれで楽しいのですが,昔のようなフィルム写真(銀塩写真とも言います)の撮影が良かったと思うことも時々あります。

 もちろんデジタル写真撮影で助かる,と思うことはたくさんあります。
 フィルム撮影では一巻毎(ごと)のフィルムの感度は同じで(ISO100など)固定されていますから,1本のフィルムだけを使う撮影時には光量などの変化には弱い訳です。つまり明るいところと暗いところでは本当なら撮影感度を変えたいのですがフィルム一巻の間ではそういうことは原則的には出来ません。しかしデジタルカメラでは一コマ毎に撮影感度を変えることが出来ます。
 感度ばかりではありません。デジタルカメラによる撮影ではRAW撮影を行えば撮影後に『デジタル現像』(*1)をパソコンですることが出来てその際に露出補正も含めていろいろな修正が出来ます。トリミング(*2)も色温度(*3)の変更なども自在に出来ます。あまり小細工が過ぎると不自然な写真になってしまいますが上手に加工すると良い結果を出すことが出来ます。
 またデジタルカメラではフィルムカメラより撮影枚数が相当に多いことも利点です。フィルムは最大でも一巻36枚(35mmライカサイズの場合)ですから,たくさん撮影したかったらフィルムを何十巻も持ち歩くことになります。それがデジタルだと条件にもよりますが一つの小さな記憶媒体(多くはSDカード)で軽く1000枚を超えて撮影が出来ます。
 それから撮影の結果をその場で確認出来るのもデジタルカメラの利点です。

 しかし,上記のデジタルカメラの利点は逆に言うと「フィルムカメラの良さ」がなくなってしまっているような気もします。フィルムカメラの撮影では露出(*4)決定の際にはフィルム感度をきちんと考慮しなければなりませんでした。明るさだけではなく光の色温度も考えてフィルムをディライトにするかタングステンにするか,またフィルターを使うかなどを考える必要がありました。ネガフィルムによる撮影だといくらかの補正が出来てもポジフィルム(リバーサルフィルム)だと補正は無理に近いからです(*5)。
 また撮影出来る枚数が少ないということはほとんどが一発勝負になります。被写体をよく考えてフィルムを選択しカメラの設定を慎重にする。それでも失敗は許されない(許されないのはプロであり私のようなアマチュアは失敗は失敗で済みましたが)ことになります。

 私はプロの写真家ではありません。まったくのアマチュアです。写真の技術を身につけるための学校に行ったこともありません。それでも若い頃にたくさんフィルム写真を撮影し,またほとんどがモノクロ写真でしたが暗室作業(*6)もひと通りこなした人間にとってはフィルム写真を単に懐かしがるだけではなく,写真撮影の基礎を学ぶためにもフィルム写真の良さがあったよなぁ…と思う今日この頃です。

 どこかにレンタル暗室がないかなぁ…

(*1)デジタルカメラによる撮影で特にRAWデータというファイルも一緒に保存するとパソコンなどで写真加工が容易に出来る。
(*2)撮影したコマの大きさから少し画面を切り取ったりすること
(*3)例えば昼間の太陽光と白熱電球とでは色が異なる(色温度が違うという)のでカラーフィルムの場合は必要に応じてフィルムを変えたりフィルターを使う。
(*4)フィルムに当てる光の“量“のことでカメラではシャッタースピード,レンズでは絞りを変化させる。
(*5)フィルムにはポジフィルムとネガフィルムがあり一般的にはポジフィルムの方が撮影が難しいです。
(*6)真っ暗な部屋(暗室)でのフィルムの現像と印画紙のプリント作業のことです。実際には一部の作業を明るい部屋で行います。

#写真が好き

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