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急成長スタートアップの人に読んで欲しい、成長痛でつまづかないための「鼻毛」の話

突然ですが、皆さんはもし鼻毛が出ていたとしたら、周りの人から指摘してもらいたいでしょうか?

また上長やパートナーが「鼻毛」がわさーって出ていたのを見つけたら、教えてあげることができますでしょうか?

今までいくつかの場所でこの質問してみたところ、やはり多くの人は鼻毛出てると、言ってもらいたいけど、相手には言えないと答えます。 

今回はこの「鼻毛」に関する質問が急成長スタートアップに重要という話をしたいと思います。 

急成長組織での実体験

私は今まですべてベンチャー企業に勤めてきました。現職のコドモンが三社目で、今までこんな感じの社員数の変化を体験しました。 

1社目(15年)12→60→20→買収→転職
2社目(4年)14→110→転職
3社目(1年)15→30 ※現職

特に前職において急成長する組織の一員として得た経験は、とても大切なことでした。 

それまで背中あわせだったので、なんとなく誰が何かをしているのがわかるレベルから、どんどん人数が増えて、誰が何をやってるのかわかなくなる。 

自分ひとりではカバーできない業務量や人数になり、 間に人に入ってもらうことで「現場」との距離ができる。 

そして、それでもスタートアップの宿命である常に、前を向いて、前例や過去にとらわれず突き進み続ける。 

これらの条件がそろうとき、組織内に自分が見えていないものを悪く解釈する「邪推」(あの人は自分より働いていないんじゃないか、あのチームは自分のチームよりラクしているんじゃないかetc)というものが急に増えて、組織の間に壁や溝が出来てギスギスしてきます。 

難しかった「鼻毛研修」

こんなとき、ある研修で受けた質問が先ほどの「鼻毛」の質問だったのです。つまるところ、お互い信頼しての「率直なフィードバック」が必要とのお話でした。 

研修では、参加者同士でお互いへ敢えて低い点数をつけ合って、さらにそのお互いの足りないところ(伸び代)をフィードバックするという研修をしました。 

高い点数つけることは、相手に伸び代がないという低い評価をしていることになります」と説明され、低くつけて伸び代を伝えるようにと言われるものの、さすがに直属の上司や社長に対して低く採点しフィードバックすることは厳しかった記憶がありますw 

そのときはこの研修自体にへぇー、なるほどくらいに思っていたのですが、それが後々に痛いくらい身に染みるようになるとは露にも思いませんでした。 

↑鼻毛のことを教えていただいた方のnote

「裸の王様」になった苦い思い出

結論から言うと、私は急成長する組織の中で、ある時期、信頼残高を失い、裸の王様として孤立する苦い経験をしました。 

それは急成長する組織の中で、ある意味当然のように、さらにひたすら前に進めようとするマネジメントと、こんな状態なのにガンガン前に進めていいのかという不安が募った現場との間が、一気にストレッチしたことにより、あちこちに「邪推」が頻発したのです。 the 中間管理職的な自分がその矛先のひとつとなったのです。

急成長しているのに少人数だった時と同じように、言わずともみんなはわかってくれているだろうと、自分が甘い認識で対応が後手後手になったのが要因でした。

チームメンバーに、すべてを伝えても何か隠してるのではないか、そのまま伝えても何か話しが曲解されているのではないか、常に疑われているようでしんどかったです。 

もっとも状況悪化した時には、社内でのチャットでの発言する際に、毎回ビクビクして、異常に気を使うようになってしまいました。 

「率直なフィードバック」の大切さ

そんなときにいろんな人にアドバイスをいただいたのですが、「率直なコミュニケーションやフィードバックの大切さ」だったのです。 

「鼻毛が出てる」と指摘されること自体は私自身を否定する話ではないし、その指摘は正しいとも限らない。ただ単に「相手からはそう見えてますよというサイン」であると言われ心が軽くなりました。

そして積極的に自らフィードバックを受けにいくスタンスで、率直なコミュニケーションすることで邪推されず、信頼も得られるとのアドバイスでした。 

それからは耳の痛いフィードバックも、なるほど、彼(彼女)から見るとそう見えるのかと気づきを得られ、むしろメシウマ的に面白くなり、ストレスも一気になくなりました。 

急成長すると視座の高低差が一気に広がる

最初に勤めた会社の社長からよく聞かされたのは、「飛び出し」のたとえ話でした。 

小学生は周りをよくみず渡れると飛び出そうとする、中学生はそこは停車中の車の影だから車がくるかもしれないからと止めようとする。

でも背の高い大人は停車した車の向こうには車が来ていないことが見えるので渡れると、視座により判断が異なるという話でした。 

池田さんが書かれたnoteはまさにこの話に通づる話です。


役割に応じて視座が変わり、見える視界も変わります。でも、これは上とか下とか、どちらが重要とか重要でないとかでもなく、「鳥の目」「虫の目」と言葉があるように、どちらも経営判断に重要な情報なのです。 

でも視座が違うと、お互いにお互いでの視座で見える情報をすべて把握することが難しいです。それが急成長になると、なおさらお互いを理解しにくくさせます。 

それを補うのがお互いに「率直なフィードバックをし合うこと」なのです。 

「率直なフィードバック」をもらうようになって変わったこと

たとえば、あるメンバーに以前は失敗することが目に見えていたので、それはこうこうこうだからしない方がいいよと良かれと思いアドバイスしてたのですが、そのメンバーから、実は足立さんはチャレンジさせてくれないという不満を抱えていることがフィードバックしてもらってわかりました。 

そのフィードバックを受け、そのメンバーに対し、大きなケガにならない限りはやらせてみるように変えました。結果、転んだ方が学びが早く、本人の不満も生みにくく、また大事なポイントでのアドバイスは素直に聞いてくれるようになりました。 

このように相手の考えていること、不満に思っていることなどを、1on1や普段のコミュニケーション通じてもらえるようになりました。それにより自分が見えていない範囲の情報や視点ももらえるようになり、気づきも多くな他のは非常に大きかったです。

特に今のメンバーは忌憚なく、それこそ遠慮なく「足立さん、鼻毛出てますけど!」って、フィードバックしてくれる関係(笑)なので、自分の考え・視野を超える判断ができるようになり、本当に助かっています。

「率直なフィードバック」をし合うためのパワーワード「鼻毛!」

率直なフィードバックをしあえるようになるためには、まずは空気作りです。うちは「率直なフィードバックし合っていく組織なんだと宣言」してもいいと思います。 

一方で「率直なフィードバック」という言葉では頭に残りにくいので、今回私がしているように「鼻毛出てると言い合おう」の方がイメージしやすく、インパクトあり、定着しやすいです。今の会社でもすっかり「鼻毛」で通じるように、またいじってもらえるようになりました。 

そして次に、「自分は鼻毛出てると言ってもらっていい相手」であることを自分から伝えることです。 

ドキドキしながらも勇気を出してフィードバックしたら、「余計なお世話だ!」なんてキレられたら、周りの人は言えない空気になってしまいます。それではいつぞやの私のように、裸の王様コースまっしぐらです。 

そこはどんなに的外れだと感じたとしても、教えてくれてありがとう!と感謝すべきでしょう。抵抗感のある話であるほど、なるべく要らない感情を排して、なぜ相手からそのようなフィードバックもらったか考察すると気づきが得られると思います。 

また、自分が作った提案書やアイデアなどをすかさずシェアして、みんなにレビューを呼びかけるクセをつけるのも効果的かと思います。 

一方でフィードバックする側のポイントとしてはなるべく出来る限り、本人に直接伝えたほうがいいと思います。

相手に合わせ、時と場所を考えたり、また、あくまで自分がそう見えてるだけである前提を忘れずに、上から目線になったり、決めつけたりしないで、自分にはこんな風に見えてるけどと、フィードバックすると相手も受け入れやすいと思います。 

いかがだったでしょうか? 過去の自分と同じ悩みを持ってる人の解決につながれば、またいい感じの急成長スタートアップが同じことで躓いて欲しくないなと思います。 

レッツ 鼻毛! 

ということで最後にとってつけたかのような告知ですが、鼻毛を指摘しあえる急成長中の株式会社コドモンでは、率直なフィードバックしあい、成長しあえる仲間を募集中です!

子どもを取り巻く環境をテクノロジーでよくする」という壮大かつ、社会貢献度の高いミッションに向けて、ぜひ一緒に働きませんか??



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