営業が知っておきたい「あふれる営業Tipsのサバき方」 〜手段は一つでないけど、答えは一つな営業〜
#営業アドベント2021 15日目の #note になります。名だたる営業の方に混ざって昨年の初参加「人生に使える営業術」に引き続き、2度目の参加をさせていただきます。
今回書くこと & ところであんた誰?
さて今回は「巷に飛び交う営業Tipsとの付き合い方」についてお伝えしたいと思います。昨今の「営業手法(Tips)」が溢れる環境が恵まれていると思う一方、情報が飛び交う中で頭でっかちになったり、情報迷子になっているという営業パーソンの方もいるのではないかと思ったからです。
ちょっと整理しきれず無駄に長めになり、全部読むのも大変なので「太字の部分」だけ読んだら、半分以下の文量であらましがわかるようになってます 笑 ので、まずはざっと読んでもらい、気になるところは、より読んでもらう的な使い方をしていただければ幸いです。
私は、20年弱、飲食店向けの営業をした後、現在は主に保育施設向けSaaS事業のセールス・マーケ部門の責任者をしています。子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものにするべく、保育園、幼稚園、学童、小学校などの「こども施設」向けICTソフト「CoDMON(コドモン )」の普及に全力をかけています。
学生時代の1999年から営業をはじめ、かれこれ20年以上営業に携わってます。そのうちマネージャーを18年勤めてきました。
私の詳しいキャリアはSalesZineさんがキレイにまとめてくれた記事があるのでそちらを見ていただくか、 私のProfieeをご覧ください。
(上記ツイートは各施策を詳しく書いたnoteにもつながっています)
成功手法がいっぱい。営業Tipsに溺れる時代
20年以上前の私が新人だった頃、昔は営業手法のノウハウは上司や先輩から教わったり、営業本を漁るしかありませんでした。それが今はSNSにより、営業で実績をあげた人たちが自分の持っている営業ノウハウを後進のために惜しみなくシェアしてくださることが増えました。
おかげさまで、自分もそれらを参考にすることで、困ったときや、未知のケースの対応をするときに活かせることも少なくありません。
一方で、中には私から見ると、再現性があるように思えない属人的で偶然的なTipsが発信されているケース(自戒も込めて)も少なくなく、ケースによってはそのまま取り入れると逆効果になるような、受け取り手側のリテラシーも問われるようになってきたと感じます。
そもそも営業手法の正解はひとつではなく、目的達成の手段は無数にあります。またそれが最適かどうかは、どんなお客様であるかや、どんな状況かによっても変わるのです。
したがって、「或る人は活動量が必要」と言っている一方で「或る人は質がない活動は意味がない」と言うなど、発信されている営業Tips同士が矛盾しているように見えたり、真逆のことが同時期に情報発信されるケースも少なくなく、混乱される方もいるのではないかと思います。
非常識!?な「コドモン流の営業手法」
さらに混乱させてしまうかもしれませんが、私たちコドモンが採用している手法(下記)も一見すると、今まで言われてきた営業セオリーとは真逆かつ昨日までの営業アドベント参加の方々が発信しているnoteと矛盾してるやんと思われるかもしれません。
これら巷で営業Tipsとしてさまざまな人が発信している情報も、非常識な営業手法に見える私たちの手法も、実は根本は一つと聞いたら驚かれるでしょうか。またよく言われるSMBか、エンタープライズ営業かに関しても手法は異なれど、根本は同じく一つだと思っています。
ではこれから世の中にあるさまざまな情報の中から①「再現性ある営業Tips」を見極め、②「それらを活用できる最適な手法」を見つけるステップをお伝えします。この二つができると、世の中に溢れる情報や常識にとらわれず、思考停止せず、自社に最適な手法を見いだせるはずです。
ステップ① まずは「再現性ある営業Tips」を見極める
まず先により再現性あるTipsを見つける有効な手段をご紹介します。そもそもなぜ再現性が重要かというと、属人性の高いTipsと違い、再現性があるTipsのほうが自らやチーム全体で活用できる可能性が高いからです。
再現性あるTipsの見つけ方としては「同じテーマに基づいて情報を集め、共通するエッセンスを見つける」という方法がオススメです。共通する最大公約数の部分が再現性が高いのだろうと推測できるからです。
※著者の福田さん自体もそのままはダメだと言及されています
ステップ② 「活用できる営業手法を見つける」
再現性がありそうなTipsが見つかったとします。しかし、いろんな営業手法があり、またそれを行った結果の実績があふれる中、次は「営業Tipsが活用できるか」という判断です。
活用できるかどうかの答えにたどり着くには「営業のゴール」とそこに導く「3つの要素」が鍵となります。もちろんいろんな考えがありますが、私の考えとしては、
営業のゴールは
だと思います。
そして突き詰めると、そのゴールを達成するために必要な要素は下記の3つに集約できるのかなと思います。
「どうやって」
あえて逆の順番で一つずつ、まず「どうやって」からご紹介していきます。世の中に溢れる営業Tips、ナレッジの多くはこの「どうやって(how)」にあたります。
しかし、数多ある「どうやって(how)」を集めても、それが自社に活用できるかは判断できません。それは後述する「誰に」「どんな価値を」と組み合わせて考えて初めて「どうやって伝える」の最適な方法が見つけられるからです。
また「どうやって」にはそこにかかる労力の観点も重要です。当然、営業リソースは有限なので、無数にある「しないよりしたほうがいい手法」に手を回していたら、いくらあってもリソースが足りません。
きちんと「労力に見合う手法なのか」という軸でも見て、「本当に必要があるか」の見極めが必要だと思います。
「どんな価値」
どんなサービスでも「価値」はあります。また、その見方によっても価値は変わります。自社の商品やサービスを多面的な見方で見てみましょう。同じ商品でも別の切り口の価値を見つけて売れるようになったものはたくさんあります。
また単品の商品・サービスだけで価値提供が難しければ、他の商品、場合によっては他社サービスと組み合わせて提案することで価値を高める方法もあります。
一方で営業にありがちなのは営業のサガとして「売ること自体が目的化」してしまい、どんな時でも売ろうとしてしまうことですが、こちらが提示した価値に合意できない相手に売っても誰にもメリットがなく、何の意味もありません。
価値が合意できないと見極めて「あえて売らないという選択」をするのも営業の大切な仕事の一つです。誰かの何らかの課題を解決できてこそ「価値の合意」ができます。
うちでは営業成績が悪くても怒られませんが、価値の合意ができていないお客様と契約すると私にこっぴどく怒られます。(もうそんな人はうちにはいないですが)
「誰に」
新規か既存か?、個人?企業であれば中小?大手?、 オーナー代表?管理者?担当者? 職業や業界?といった軸でお客様が「誰か」によって最適解は変わります。
売らなければいけない価値が「これ」と決められている場合でも、「誰に」を変えることで売れることはよくあります。
また見落としがちなのが、合意するべきお客様が「多くのお客様に広く」なのか「少ないお客様と深く」なのかという軸です。ここによっても最適な手段が変わってきます。「多くのお客様に広く」が求められる場合には、限られたリソースの中で対応せざるを得ません。
そのため、お客様に対し、「本当に受注するために必要な対応か?」それとも「やらないよりやったほうがいいレベル対応か?」の見極めが必要です。
「売れる仕組みづくり」「答えを見つける方法」は一つ
今までお伝えしてきたように一見、手段としては真逆や無数に見えても、シンプルに営業を組み立てるフレームワークとしては「誰に」「どんな価値を」「どうやって」を軸にチューニングするという一つになると思います。
そして、正しくチューニングの精度を高める方法も一つ。
長年、営業をやってきたことを振り返ってみても、「誰が喜んでくれたか」「何に価値を感じてくれたか」「どんな方法が伝わりやすかったか」は、いつでも答えはお客様が持っていました。
困った時は大抵、「買っていただいたお客様」や「断られたお客様」に聞いたり、傾向を分析したりすることで答えが見つかりました。
「売れる仕組みづくり」の答えの導き出し方は、エンプラも、SMBも、新規もルートも、高額商品も定額商品も、根本は一緒だと思っています。
なーんだ、そんなことかとか、当たり前の話だよねと思われたかもしれませんが、その当たり前が出来ていないと、残念ながら売れません。
「営業」ってもっと自由で、楽しくてもいいかも
長く「営業」に携わってきた身としては、営業に携わるさまざまな人たちが「営業」を考えるようになった結果、圧倒的に「営業」についての思考は深まって、高度化やロジカルな分析が進んでいるなと思っている反面、「こうあるべき」「こうしなくてはいけない」などと考えすぎて、自分たち自身で必要以上に難しく、取っ付きにくくしてしまっているのではと思います。
私にとっての「営業」のイメージはもっと広くて、言わば「商い」と同義に近い感覚で、プロフェッショナルかつ高度なコンサル的なものから、街のお店など客商売なども、広い意味で「営業」に含まれています。
「お客様が商品を深く理解しないと買ってくれない」なんてことがないのと同じように、営業に携わる人が必ずしも「営業とは」や「営業ナレッジ」を理解していないと売れないわけではないと思います。
(もちろん知らないよりかは知っているほうが良いとも思いますが)
Tipsや理論、KPIどうするかの前に、純粋にシンプルに【お客様が喜んでもらうにはどうすればいいのだろう】を常識にとらわれず、ひたすら追求するだけで、営業力も営業精度も上がります。
文法知らずに外国語話せるように、Tipsやナレッジは、むしろ日々の実体験の後付けで学んだほうが腹落ちしやすかったりもします。
もし巷に溢れるいろんな人のいろんな知見をたくさん見て、頭の中が混乱してうわーとなってしまっている人がいたら、一旦まずはシンプルに目の前の「お客様」に目を向けてはいかがでしょうか。
常に答えは「お客様」が持っていますので。
長文、駄文読んでいただきありがとうございました。
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