読んだ人を後悔させるタイトルのつけかた
本のタイトルを考えていて思ったことがある。結論を端的に言えば、「ポジティブな言葉とネガティブな言葉を組み合わせてちょっとした矛盾を作り出すと、人の目に留まるものになるんじゃないか」ということだ。
たとえばこんなタイトル。
『おもしろすぎて欝になる百科事典の読み方』
書店でこんなタイトルの本を目にしたら、たぶん私は「ナニイッテンダこいつ」と思い、手にとってパラパラとめくってみる。そういうことだ。
んで、ちょっと調べてみると、こんなページを見つけた。一部引用してみよう。
認知的不協和:矛盾によって魅了するコピーライティング
http://pharm-kusuri.com/copy/ninchi.html
人は何かしらの矛盾を感じたときに不快感を覚えます。この事を認知的不協和と言います。人はこの矛盾に遭遇した時に、何とかしてその矛盾を解消しようと行動し始めます。
周りの広告を見渡せば、多くの広告が認知的不協和を活用していることを理解できます。広告に限らず、本のタイトルなどにも多用される心理学の要素です。
にゃるほど。上記のページだと、以下のような例文が掲示されている。
・好きなだけ食べているのに、3ヶ月で12.6kg痩せた禁断のダイエット法を解禁
・東大に合格するには勉強をやめなさい
さすがにこのような表現方法はいまや手垢がつきすぎてコンシューマーがスルーすると思うが、「人間は認知的不協和音を解消したがる」という基本的性質は変わっていないはずなので、あとは言葉の選び方さえ目新しくすれば、「ん? どゆこと?」とヒトビトの興味を惹くコピー(タイトル)になるはずだ。自力でこのことに気づいた自分はエライ!
無論、あまりヒネリ過ぎるとわけわかめになる可能性が高いので、どこかで冷静な視点を持つ必要はあるだろう。だが、さすがに1000個もタイトルを考えていると脳みそがふやけてくるので、頭のストレッチ代わりにはなる。ちょっと考えてみた。
『自分が大好きな人のための、自分が大好きになる100の思考術』
『わかる人にしかわからない、マジックの種の見破り方~初級編~』
『元気すぎて早死に注意の健康法大百科』
『旅行をキャンセルしたくなる! 荷物になるほどボリューム満点な沖縄パーフェクトガイドブック』
もはや、誰が何のために買うのかよくわからない本ばかりである。
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