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乾杯で毎日を祝福しよう。プロビーラーが発見した、ビールの「新航路」とは

横須賀に「GRANDLINE BREWING」という面白いクラフトビールがあるという噂を耳にした。全国に800あるクラフトビールの中でも、かなりエッジが効いているらしい。これは「プロビーラー」である私が飲まないわけにはいかない!ということで早速淡路島まで取り寄せてみた。

まず入門編となるのがこの「Hello, World」らしい。日々Wordpressにお世話になっている私にはたまらないネーミング。ラベルのグラフィックアートは新たなビールの世界へと誘う「扉」のようにも見える。すっかり心をくすぐられたところでラベルをよく見るとアルコール度数8%。入門編からかなり飛ばしている。

栓抜きで、新たなビールの世界への扉を開ける。

グラスに注いだ瞬間、豊かに立ちのぼるホップの香り。これまでビールを飲む時に「香り」のことなど意識したことがなかったのだが、ホップを強く効かせたビールのかぐわしいことといったら・・一口目の前から既に濃密な体験がはじまっている。

口に含むと、いきなりホップの苦みがドーンと押し寄せてくる。同時にalc8%の衝撃が脳をまっすぐ刺激する。これは真新しい体験だ。ラベルのアートを見つめながら飲んでいるとそのままどこかにトリップしてしまいそうな・・そんな鮮烈なファーストパンチの直後、フッとフルーティな風味が現れる。フルーティだが甘すぎない、絶妙なところをキープしている。

既に様々なクラフトビールがある中で、いままでにない「新世界」を切り拓くための方法が、原材料のホップを大胆に注ぎ込むこと。これによって生まれるのが芳醇な香りと高いアルコール度数だ。横須賀という土地柄、米軍キャンプの客も多いが、彼らをも唸らせるパワーを持った1本だ。

インパクト、だけじゃない。

さて、次にいただくのが「Only Impact」だ。ちょっとアホっぽいニホンゴ英語がじわじわくる。

さきほどと同様、グラスに注ぐと衝撃的な香りのイントロが響く。そして、ファーストインパクト。ビッタビタのビターだ。呑み込んだ後もしばらく、ビターな重低音が残響のように胸にビーーーンとこだましている。これは新しい体験。日中に色々あって、「今夜はウイスキーだな」という夜の扉を開く一杯目にピッタリ。

スッキリしたピルスナービールが上方向▲への高揚感だとすれば、Only Impactは地面すれすれを滑行する下方向▼のスリル。プロビーラーといいながら、これまで一方向の愉しみ方しか知らなかったという事実に気づかされる。ビールの世界はまだまだ広くて面白いのだ。

ここまでの2本がGRANDLINE BREWINGのフラッグシップビールらしく、他に3本存在する。それぞれのネーミングやラベルには"人生という冒険"が表現されているという。

・Hello,World:新たな扉を開く(挑戦)
・Super Welcome:扉を開いた者を迎え入れる(歓迎)
・Only Impact:試練が訪れ、長く苦い時期がある(苦悩)
・Refresh Heaven:ひと時の休息や整い。そして光の道が開ける(解放)
・Next:・・・よく見ると光の先に危険な赤いイナヅマがほとばしっている

全て制覇したら人生経験が増えそうだ。

概念としてのビール

ここまではフラッグシップの白ラベルシリーズだったが、最後は別の発想で創られた黒ラベル「Crypto Beer」だ。クリプトとは暗号・仮想という意味だが、メタ空間で乾杯できるビールという構想で生まれたビール。もちろんリアル世界でも飲むことができる。

徐々にアングルが下がっていくのはビールへのリスペクトの表れだ

さて、いつものフレイバーを愉しんだあとの一口目・・まず何か口の中でフルーティに弾ける感覚が。これは苦みと甘味のバランスがちょうどよく、これまでの2本と比べて量が飲める感じ。メタでもリアルでも「乾杯」できる、ということは遠くにいる人とも、お酒が飲めない人とも「乾杯」できるということ。合言葉は「エンジョイ乾杯」・・そもそもビールとは、「乾杯」が一番似合う酒。多くの仲間と、たくさん乾杯するための1本だ。

このビールは「Crypto Beer Punks」というコミュニティも展開し、ビールのラベルを描くアーティストなどの作品をNFTとして所有することも可能。飲料としての「ビール」だけではなく、誰かと誰かをつなぎ、ハッピーな気分を交歓しあう「コミュニケーションツールとしてのビール」として捉えなおして生まれたものだ。

私のデイリーハイライト

一日の締め括りにビールを飲むことは、毎日を祝福すること。その日一日のハイライトを脳内再生しながら、人生の最小単位である「今日一日」をしみじみと味わい直す瞬間だ。毎日をきっちりと味わう時間を持つことの豊かさ。そして、その瞬間そのものもまた「一日の最高のハイライト」なのである。

プロビーラーたるもの、その日一日の味わいとのペアリングも愉しみたい。GRANDLINE BREWINGはラインナップも豊富なので、その日の「気分」に合った1本が必ずみつかる。ほろ苦い一日には、とことんビターな「Only Impact」を噛みしめるように飲むのがいいだろう。

いずれも個性のハッキリした味わいを持つ様々なビールを飲むうちに、自分の中で新たな味の尺度が生まれてくる。すると、いつものピルスナービールの味わいも変わってくるから不思議なものだ。GRANDLINE BREWINGをきっかけに、味覚の新航路を拓いてみよう。

(提供:GRANDLINE BREWING)


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