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2023年女子ワールドカップでメルボルンを訪れる人のためのメルボルンガイド(7月6日追記)

オーストラリアとニュージーランドが共同開催する女子ワールドカップも開幕までもう1ヶ月を切りました。
一般人として自分が何するわけでもないですがホスト国の人間としてちょっと緊張してきています。

私が案内のようなことを出来るのは本当にメルボルンくらいで他の都市についてはあまり書けませんが今回メルボルンに試合観戦にする人、そしてその後でも使えるようちょっとしたメルボルン案内記事を書こうと思います。

他の都市についてはあまり、と言ったそばからですがスタジアムに限って言えばアデレード(Hindmarsh Stadium)とシドニー(Sydney Football Stadium)のスタジアムに行ったときのレポを書いてあるのでリンクしておきます。

まずはこのワールドカップでどの試合がメルボルンで開催されるか、から。

7月21日 12:30 ナイジェリアvsカナダ(グループB)
7月24日 18:30 ドイツvsモロッコ(グループH)
7月31日 20:00 カナダvsオーストラリア(グループB)
8月2日 20:00 ジャマイカvsブラジル(グループF)
8月6日 19:00 グループG1位vsグループE2位(R16)
8月8日 18:00 グループH1位vsグループF2位(R16)

試合時刻は現地時間で表記、全試合Melbourne Rectangular Stadium (AAMI Park) で開催

残念ながら準々決勝以降はメルボルンで開催される試合はないですがそれを除けば強豪の試合がいくつか見られる良いラインアップだと思います。

そしてベースキャンプとしてメルボルン周りに駐屯する代表チームはカナダ、ジャマイカ、モロッコです。ただこのうちモロッコのベースキャンプはWerribeeでちょっとメルボルンの中心部からは離れます(電車でいうとまだメルボルン圏内ではありますが近くはない)。
この記事を書いている時点でまだ公開練習の話は出てきてませんし、試合のライブビューイングに関してもちょっとしか情報が入ってきていません(後述)。できたら後日追記します。

前述の通りメルボルンでの全ての試合はMelbourne Rectangular Stadium(通常使われる名称でいうとAAMI Park)で行われます。前こちらに記事を書きましたがワールドカップに向けてちょっと変わってたりすることもあるかも。
記事内にもありますがスタジアムへはメルボルンの中心部(CBD)の主要な駅Flinders Street Stationから歩いて行けますし(googleによると20分)、電車だとRichmondまで一駅+イベント開催日専用出口(MCGが見える方向にある)から数分歩くだけでたどり着けます。ちょっとFlinders Streetあたりとか新しい地下鉄の駅の工事なんかやってて不便もあるかもしれませんが基本的にはすんなりいけるはず。

そのFlinders Streetの駅の向かいにあるFederation Squareという(足元がガタガタした仕様の)広場で今大会初の試み?であるFan Festivalが開催されるのでここも要チェックですね。無料で出入りできるイベントや色々催し物があるそうですがまだ詳細が発表されていない。上記リンクを定期的にチェックしたほうがいいかも。(あとこの辺りも工事の影響があるのでちょっぴり注意)

あ、そういえば今大会ではFIFA公式のお知らせなど各ページで見られる通りオーストラリア・ニュージーランドそれぞれの原住民の言葉での地名の併記が使われています。例えばメルボルンは「Melbourne/Naarm」と表記(後者がアボリジニの言葉での地名)。
それに関連して(ニュージーランドは分からないのですがオーストラリアでは)試合前に各国の国歌斉唱と共におそらく「Welcome to the Country」のセレモニーも行われることになると思います。
「Welcome to the Country」は試合が行われる土地の元々の所有者である先住民族の長老がその土地に来た人を歓迎するスピーチと儀式です。メルボルンで行われる試合では(Eastern) Kulin Nationと呼ばれる地のWurundjeri民族の長老により行われます。
また、同様にオーストラリアの国旗として知られるユニオン・ジャックの旗の他にアボリジニの旗(Wikipediaリンク)、そしてトレス海峡諸島民の旗(Wikipediaリンク)も目にすることがあると思います。先住民の文化も少しでも体験して学んでいってもらえるといいな。

あらかじめのおことわりですが日本から来ると間違いなく物価は高いです。今に始まったことではないですがご注意を。

ワールドカップが開催される7月8月は南半球では冬です。メルボルンの冬は最高気温でいうと10度~19度くらいの間で夏より湿度が高く、気温より体感ちょっと寒く感じるかもしれません。風が吹くとめちゃ寒いですが風が吹かなくても冷える。とにかく寒いことには間違いないです。街中では各種ライト的なダウンジャケットを着ている人が多く、特にサッカー観戦の時は耳まで隠れる帽子や底がしっかりして地面の冷たさがある程度伝わらない靴辺りは少なくともあると良いです。雨は早朝や夜などに降ることが多いイメージですが必ずしもその時間帯に限らず。季節にかかわらずメルボルンの天気は予測しにくくよく変わることで有名で、逆に言えば雨も降ったとしても長くは続かないことが多いです。

交通については前述の通りスタジアムまで行くには街から歩けますし、CBDの範囲内(正確にはこちらのpdf参照)ならトラムは無料ですが、その外にトラムで行く場合+電車やバスに乗る場合にはMykiというカードが必要になります。電車の駅や一部トラムの停留所などで購入可能。日本の交通ICと違って返却の時に返金にならないのは不便ですが現在のところはしょうがないという事情。ただ料金はメルボルン周りほぼどこに行っても一律料金なので普段使う&色んな場所に行くなら普通に使えるという感じです。
そもそもCBDの範囲内も結構歩いて回ってその徒歩圏でだいたいのものが揃っている、みたいな感じでわりとこぢんまりしている街です。コーヒー片手に歩くのも良いですよ。

CBDの中を実際歩くと分かると思いますがメルボルンの街は結構アジア化しています。その恩恵の一つとしてユニクロとダイソーと無印良品(MUJI)がCBD内にあるのでもしも何か服や日用品で困ったら結構な割合でなんとかなります(ただ価格は上記の物価事情参照)。日本食も価格・レベル色々ですがあります。そういう意味では困らない、とまでは行かなくとも困ってもある程度大丈夫な街。

メルボルンの何が楽しいというと色んな国のご飯が美味しい街だということ。(基本的にはお金をそれなりに出した方がおいしい料理にありつけます)
朝から夜まで、カフェにレストランにフードコートにバーやパブ、アジアからヨーロッパからアフリカから肉からシーフードからスイーツまでとにかく食の楽しみは尽きません。
メルボルンに来たらオススメなのがギリシャ料理。ギリシャ系移民が多い都市で、サッカー文化にも関わりがある料理です。フードコートでも食べられますし、レストランでいうと有名なのはStalactitesとか。
それからオージー、特にメルボルン人はものすごくコーヒーにうるさい民族で、メルボルンのコーヒーこそ美味しいと日々主張しているくらいなので是非カフェでコーヒーを味わっていって欲しいです。ブラックなら「long black」、ミルク入りなら「latte」か「flat white」あたりを頼むのが簡単かな。カフェは特に街中だとメインストリートをちょっとはずれた小道にたくさんあります。
あとカフェ文化と物価の高さがマリアージュした結果なのかブランチ文化が発達しています(集まってディナーにいくよりはブランチの方が安くつくしコーヒーもおいしい、みたいな)。賢く調整すれば節約にもできるのでカフェでブランチおすすめです。

そしてメルボルンはオーストラリアの中でもナイトライフが充実している都市でもあります。W杯ではいくつか20:00キックオフの試合がありますがそれが終わった22:00後に改めて何か食べたいな、または飲みたいなと思った時もCBDで開いているレストランやバーは色々あります。
ちなみに飲み物でいえばオーストラリアはワインやビール(クラフトビール含む)も有名ですが最近では多くのバーでローカルの蒸留所のジンが飲めたりします。あとバーで飲むならエスプレッソマティーニはコーヒーがとにかく好きなオーストラリアの名物カクテル。ノンアルコールでは「lemon lime and bitters」というちょっとおしゃれなソーダみたいなドリンクがポピュラーです。あとなんていっても寒いので「mulled wine」や「hot toddy」のような暖かいお酒も出している店もあります。
ちなみに食べたり飲んだりする店はだいたいCBDの東半分にあります。(西半分はビジネス街ぽい感じ)他にもヤラ川を渡った南側のSouthbankとその西方向のCrown Casino周りにも色々。

ライブビューイングに関しては前述通りあんまり情報が入ってなく、スポーツ観戦出来るバーやパブの多くはオージーフットボールの方を普段流しているところが圧倒的多いのであんまり期待はしてないのですが、とりあえずCBDの東端にある「Imperial Hotel」というパブでは全試合やってるそうです。あそこは男子EUROの時も盛り上がりましたしロケーション的に行きやすく屋上もあるので(メルボルンでは屋上有りバーはよくある)私も一回くらいは行ってみようかな。
(7月6日追記: 色々情報が出てきたので追記。CBDだと上記Imperial Hotelの他にthe Crafty Squireも全試合ビューイングあるみたいです。あとDuke of WellingtonみたいにMatildasの試合+決勝トーナメントだったりアイリッシュパブのPJ O’BriensみたいにMatildas+アイルランド代表など一部試合を流すところもあるようです。他にもきっとある。)

メルボルンという街はバリバリに観光都市ではなく、例えば観光らしいことをしたければグレート・オーシャン・ロードだったりフィリップ島だったり(どっちもこの時期街中以上にめちゃ寒いですが)、あとはワイナリーだったりツアーで郊外まで行くという形になります。メルボルンの街中は本当に普段の生活に良い街で、文化・芸術・グルメなどを楽しむなら様々なアクティビティがあります。このnoteの音楽関係マガジンの方でクラシック音楽のコンサートについて書いてますし、あとNGV Internationalという美術館は通常展示など無料で見れるものも色々あったり。博物館や公園・庭園、建築見物など、あとスポーツではオージーフットボールとかもシーズンまっただ中なのでそういう方向でなら観光も色々できます。

ざっとですがそれくらいかな。
食べ物とか食べ飲みできるお店に関してはもっと詳細に話し始めると長くなるのでなるべくシンプルに押さえたのですが、結局ボリュームとしては半分以上食べ物の話になってしまった気がします。
そして何度も言うようですが寒いので外で過ごすことが多くなるイベントなりの準備はしてきてください。
まだまだサッカーファン以外のオーストラリアの皆さんがワールドカップが身近に来るとどうなるか分かってない部分もきっとあると思いますがホストとゲストどちらも良い大会、良い体験にしていけることを願ってます。