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「子ども」と関わるために、まず知っておくべきこと(第二期:第1回①)
「子ども」とはどんな存在でしょうか。
宇宙が誕生してから130数億年が経つと言われています。
そこから地球が生まれ、生命が生まれ、その生命が枝分かれしながら時に選定もされて現在に至るわけですが、現在の生態系の頂点に私たち人間がいることはまず事実です。
そして現在がその歴史の最先端です。
ですから、「子どもとは何か」という問いに対して
「この130数億年の宇宙史における最上で最先端の生命」
と答えることができます。
生命の進化は種の環境適応の連鎖ですので、
リレーに喩えれば、トップ独走中のチームの現在か次の走者です。
目の前に誰もいない「Top of top」です。
これは紛れもない事実です。
このCHEESEという研究会では、
まずは、虐待、マルトリートメントというテーマを扱うこととしました。
「子ども」を先のように定義したとすると、
この目も当てられない(しかし目を逸らしてはいけない)現在の問題は、
ある意味でその宇宙史、控えめに言っても生命史への
冒瀆と言うことができるわけです。
では逆に、このTop of topを「尊重」する、
つまり子どもを「育む」には何をすべきでしょうか。
はじめに大雑把にお伝えしてしまうと、それは…
「支えること(support)」と「勇気づける(encourage)」ことです。
「母性と父性」と言い換えることができます。
子どもが健全に育っていくためにはこの2つの要素が必要です。
「虐待」について知っておくべきいくつかのこと
この2つに触れるのは後に回して、
もう一度、虐待とマルトリートメントに戻りたいと思います。
まずは「虐待」についてですが、
虐待には、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトの4つがあり、
厚労省のHPにその「分類」と「例」が記載されていますが、
理解することには不十分な内容に思えます。
ここまでで記載した内容からも
「虐待とは何か」ということを多少理解できるはずですが、
さらにその言葉の成り立ちを知ることも重要です。
まず虐待の「虐」の字ですが、
「虎」が「爪」を横に向けていて、
その先には「人」が省略されている漢字(象形文字)で、
その意味は「死の一歩手前」だそうです。
虐待を意味する英語の「abuse」は
useにabという接頭語がついた語で
「乱用、濫用、誤用」の意味です。
薬物乱用の「乱用」です。
次にマルトリートメントですが、
malとtreatment(扱い)からなり
「不適切な養育」と訳されます。
マルウェア(ウィルスソフト)の「マル」です。
abもmalも「間違った」という意味があります。
虐待とマルトリートメントの違いはというと、
明確に線引きするのは可能でも必要でもありませんが、
要するに、程度の問題です。
時折ニュースを賑わす虐待死つまり「殺人」の直前までが「虐待」、
虐待未満が「マルトリートメント」。
そう理解することがまずスタートだと思います。
連続線上のものということです。
虐待を「しつけの一環」とする主張や体罰容認問題が残っています。
いわゆる「愛の鞭」です。
虐待が「脳」に与える影響も後に紹介しますが、
先に結論だけ言えば、
愛情の表現あるいは伝達のための手段や道具として
「鞭」を必要とする対象は、
少なくとも子どもではありません。
歪んだ性癖のある大人です。
「愛の鞭」は虐待、控え目に言ってマルトリートメントです。
相手が誰でも同じことです。
ハラスメントも同様で、即刻改めるべきです。
そして、それらはたとえどんなものであっても、改善することができます。
さらに、同様の方法で、
優しく温かい適切と言える関りもさらに良いものにすることができます。
虐待やマルトリートメントに留まらない
「子どもとの関わり方」の改善法(その1)は次の記事へ!
まとめ
1.「子ども」とは宇宙史、生命史の最上で最先端の存在
2.「虐待」をはじめとする子どもへの権利侵害は生命史への冒涜
3.「マルトリートメント(不適切な養育)」という言葉も知っておくべき
4.「愛の鞭」や「ハラスメント」も同様に即刻改めるべき
5.望ましくない関りも、より良い関りもさらに改善させることができる
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