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漫画『ワンピース』に学ぶメンタルヘルス! (#007:『ONE PIECE』23巻)

ワンピース×メンタルヘルス!

メンタルヘルスの研修をやってからもう1年以上経ちます。
その際に、『ワンピース』に触れたので…

研修で漫画を持ち出すのは
どうなんでしょうか…
真剣味に欠けるようにも見えてしまう…
かもしれませんが、
大真面目でしたし、それなりにご好評頂いたと記憶しています。

今回は、その研修の内容となる
“メンタルヘルス”に関する内容と、
そこに入れることができなかったネタ、
それがこの『ワンピース』23巻。
そこにも触れる今回としたいと思います。

特に「冬」という季節は、
“メンタルヘルス”、“心の健康”にとって
GW明けの「五月病」と並ぶか、それ以上にご注意の季節です。

まだまだ寒い日が続きます。
免疫力を高めてインフルや風邪を予防するように。
『漫画』と『学び』で“心の健康度”を高めていきましょう!

まずはOP23巻…

『史上最強』の漫画の23巻です。
個人的に大好きで、いつかちゃんと触れたいと思っている
“人間トナカイ”の“船医チョッパー”をめぐるエピソードと
並ぶ人気を誇る“砂漠の国の王女ビビ”のエピソード。
どちらも映画化したほどの人気のストーリー。

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展開としては、砂漠の王国“アラバスタ”の
乗っ取りを目論む世界政府公認の海賊
“王下七武海”クロコダイル
そしてクロコダイル率いる秘密結社バロックワークスとの
戦いの終盤。
ルフィがクロコダイルに勝利して、小休憩を挟んだ後に、
海軍の包囲網を突破しながらの船出。
そこで王女ビビとの感動的な別れをします。
その際のビビの感動的な”演説”がこの巻の
そして”アラバスタ編”のクライマックス。

ルフィとクロコダイルの戦いは、
それまで苦戦はあっても敗北はなかった
ルフィが二度も敗北をし、三度目の正直と言わんばかりに挑戦し、
「…おれはお前を…越える男だ…!!!」とついに
クロコダイルに勝利します。

王女ビビのそれまでの壮絶な戦いは
第216話「ビビの冒険」と感動的な“演説”に集約されます。
ルフィ達と旅に出たいビビですが、
「私はやっぱりこの国を愛してるから!!!!」
と国に残る決意をします。

作戦のために刻んでおいた“友情の証”を
ルフィたちが掲げるシーンは、
きっとたくさんの読者、そして視聴者が涙したシーン。

“海賊らしい”という✖印は、本来「死」を象徴しますが、
誰かと誰かの“道”、人生が「交差(cross)」する。
「出会い」と「分かれ」があり、そこに友情がある。
それを示すのがこの場合の✖印だと解釈できます。

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メンタルヘルスの”キモ”―ビビの演説ー

そして、この23巻のクライマックスとも言えるビビの演説ですが、
メンタルヘルスという観点からも非常に学びの多い内容です。

それは、ビビにとって、そしてアラバスタという国にとって、
“クロコダイル”という存在が苦難そのものだったから。
その苦難の中にあって、ビビはルフィたちと出会い、
支えられ、変わり、そこまで至ることができた。

そこに至るまでのルフィたち、そしてビビの
「責任」、「選択」、そして「態度」。
それこそが「メンタルヘルス」にとっての “キモ”。
ビビの演説の内容は…

少しだけ冒険をしました。
それは暗い海を渡る絶望を探す旅でした…
国を離れて見る海はとても大きく…
そこにあるのは信じ難く力強い島々
見たこともない生物…
夢とたがわぬ風景

波の奏でる音楽は時に静かに
小さな悩みを包み込むように優しく流れ
ときに激しく弱い気持ちを引き裂くように笑います

暗い暗い嵐の中で一隻の小さな船に会いました
船は私の背中を押してこう言います
「お前にはあの光が見えないのか?」

闇にあって決して進路を失わないその不思議な船は
踊るように大きな波を越えていきます
海に逆らわず船首はまっすぐに…
たとえ逆風だろうともー

そして指をさします
「みろ、光があった」

歴史はやがてこれを幻と呼ぶけれど、
私にはそれが真実

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“Free from stress”から“Free for stress”へ

まず、「ストレス」という言葉について知って頂く前に、
そもそも「メンタルヘルス・心の健康」というものが
どういったものなのかを知る必要があります。

精神科医、精神分析家の小此木啓吾先生は、こう言っています。

“心の健康とは、憎しみ、悲しみ、不安、罪意識のない、
幸せと満足がいっぱいの快適なだけの世界のことではない。
むしろ悲しみを悲しみ、怒りを怒り、恐れを恐れとして
感じることができる世界である。“

つまり…
ストレスが無いことや悩みが無いこと、悲しいと思わないこと
それが「心の健康」ではないということです。
そもそもこれはただの「麻痺」、「無感覚」です。

そして「ストレス」とは、物理学由来の用語で
「圧力」あるいは「応力(おうりょく)」と訳されます。
それが内分泌学者H.セリエによって
生理学、精神医学、心理学に持ち込まれています。
意味としては…
「心身の負担になる刺激、出来事、状況により個体内部に生じる緊張状態」ですが、
量的に過剰なストレスと過少なストレスがあり、
質的にも有益なストレスと有害なストレスがある。

ポイントは「ストレス」に、
量の「多-少」と質の「良しー悪し」があるということですが、
では、その境目はどこでしょうか…?


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