受け継がれてきた「精神」(第二期:第7回③)
1.「心」の「要素」を捉える
特に日常語として「無意識」という言葉を使う場合、それは「意識」という言葉と区別している場合が多く、その限り、心がその2つからなる前提があります。心理学用語として「前意識」が入れば、構成要素は3つとなり、学派や理論が変われば「心」を構成する要素の名前やその数も変わることになります。
第3回で紹介した「交流分析」も、NP、CP、A、FC、ACという5つの要素で「心」を理解しようとしており、同様の考え方といえます。それ以外の要素があると考えても、このような前提である限り、そこに「それ以外」という分類が加わるだけです。心をどのように「分解」するかが異なるということです。
2.「交流分析」とユングの「元型」
ユングの「元型」という概念も似たものと考えることができます。詳細の解説は割愛して、ここでは3つの要点を書きます。
一つ目は、「元型」の数は無限であるとされていることです。外界と接している限り、心(少なくとも「意識」)は「開かれたもの」ですし、そもそも「分解」は無限に行えるものです。
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