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【植栽家の日常】20230810 仕入れドライブと読書など

今日は、遠方のナーサリーまで植物の仕入れに行きました。
他の卸業者では扱っていない珍しい植物や、園主さんの植物の好みが私と近いのか、私好みの植物が多く揃うので、いつも行くのが楽しみなナーサリーです。

今回も耐寒性があって庭植えできる珍種のサボテンや日本古典園芸モノだけど現代の庭植えにミックスしてもカッコいい植物などいろいろ仕入れてきました。

耐寒性のヤシ チャメロプス フミリスの、たくさん種まきするとたまーに出てくるレアな水色葉の個体とか、

私が自身の植栽でもとてもよく使う古典園芸品種 石化檜や蛇の目松や

球型サボテンの有名種 金鯱の、珍しい短棘品種や白棘品種。白棘品種にいたってはもはや金(ゴールド)鯱ではなくて白金(プラチナ)鯱ですね。

今回トライアルで導入してみた、これまたコテコテの古典園芸っぽい縞斑のハラン

なぜだか和モノともたいへん親和性の高い、オーストラリア原産のバンクシア エリシフォリアの這性品種 バースデーキャンドル。

やはり蛇の目松、めっちゃ好きな素材だなぁ、と。

まぁ、その他いろいろ、私目線で面白いと思うものをいろいろ仕入れました。

園主さんともしばし植物・植栽談義をしたのですが、『これからは「何を植えるか」ではなくて、「何と、どう植えるか」というセンスでしか差がつかない時代ですよね』という話で意見が一致しました。

そんなに昔でもない2010年頃と比較するだけでも、現在の日本では昔だったら手に入れること自体がとても難しかった珍しい植物も大体のものはお金で買えるようになったし、植物の情報もネットで簡単に手に入るようになりました。

とはいえ、現在たとえばネットで見たカッコいいドライガーデンの植物をネットで調べて、実店舗やオンラインショップで植物を取り揃えてセットで植えれば、カッコいい庭になるのかというと、なかなかそうはうまくいかなくて、ステレオタイプな感じになってしまったり、成金っぽい感じになってしまったりして、まぁ平たくいうと「どういうわけかカッコ悪い」庭になってしまうケースが多いように思うんです。

それって何がよくないのかというと、植栽に「その人自身が考えたこと」があまり入っていないか、その考えが浅いことが植栽から透けて見えるからなんじゃないかなと思います。

同じ植物を植えるにしても「どのくらいの間合いが美しいか」と美意識を働かせたり「自分特有の組み合わせを試してみたいな」と少しでも深く考えて実践するだけで、庭の見え方は相当変わります。
深みやメッセージが伝わるようになるんですね。結局のところ、どんなジャンルであれ、相手の心を動かすのは作者の「想い」なんでしょうね。

『音楽は心から生まれて、心に届かなくてはいけない』

セルゲイ・ラフマニノフ

庭の植栽って、いってしまえば植物を植えるだけのことかもしれないのですが、そこに盛り込める教養もあるし、そこから滲み出る教養もあるんですよね。
そういう心の栄養素や旨味みたいなものが、読めば読むほど出てくる植栽の方が絶対豊かです。



そんなこんなで、このナーサリーへの仕入れは片道2時間弱のドライブなのですが、私にとってこの往復の移動時間はお気に入りの学び時間なんです。

iPhoneの読み上げ機能を高速モードで使って電子書籍の読書をすると、本のボリュームにもよりますが、1回の往復で1冊以上の本を読了できます。

そして、ずっと読み上げを聞いているとその刺激に脳がちょっと慣れきってダレてくるので、数十分ごとに今練習中のピアノ楽曲のプレイリストに切り替えて、流し聴きというよりは「自分で弾く」前提で細かい部分の表現などに注意しながら聴きます。

「植物や園芸」「心理学」「哲学」「社会科」など様々なジャンルの本と、ピアノ「音楽」などと科目を変えて、半日程度の時間、常にフレッシュな気分でいろいろな教養が得られて、なかなかお気に入りのお勉強タイムです。

今日も往路で高城剛さんの「白本5」を読了、復路で山口真由さんの「成功したければの本型エリート思考」の後半を読み切れました。

上記2冊はkindle unlimitedの本なので、今日だけで月額 ¥980で読み放題サービスの元が取れていいことづくめですね。

高城さんの白本、黒本シリーズは、高城さんのメルマガの質問コーナーの問答のまとめですが、丁寧な語り口かつ痛快な切り口で繰り出される、高城さん独自のアンテナでとらえた新しい知見や刺激的な発想に触れることができ毎回楽しみに呼んでいます。

今回の白本では、変化の多い現代においては、自身が常に進化しないと生き残れない、つまり、同じところにとどまっていることは安全ではなくむしろリスキーだということの例えで引用されていたリー・ヴァン・ヴェーレンの「赤の女王仮説」の件がとても印象に残りました。

「有名な進化に関する仮説の一つにリー・ヴァン・ヴェーレンの「赤の女王仮説」があります。「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説「鏡の国のアリス」に登場する人物で、彼女が作中で発した「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」という台詞から、種・個体・遺伝子が生き残るためには進化し続けなければならないことの比喩として用いられています。

高城剛「白本5」より

山口さんの著作も私にとっては共感度が高く、得られるものを多いのでよく読んでいます。
今日読んだのは、著者の財務省勤務時代の経験などを基に官僚に代表されるような「日本型エリート」の思考・仕事・行動の仕方について紹介されている本です。

根回しとか空気を読むとかがたいへんニガテな私とはむしろ真逆なくらいかけはなれている方々が、どのように考えて行動しているかについて知ることができ、「違う世界を垣間見れた」気がしました。

自分の人生を生きながら他者の経験や思考を疑似体験・追体験できる面で、やはり読書から得られるものって大きいなぁと改めて感じました。

本書では、私は、次に引用するあとがきの一文にグッときました。

『時の流れとともに変わっていくものと、普遍的なものがあると思うのです。
そして、変わることは、逆に、絶対に変わらない価値観を見つける作業でもあるのです。』

山口真由「成功したければ日本型エリート思考」より

トレンドとかファッションとか、時代の表層部分は海面が波立ったり凪いだりキラキラ輝いたりするようにその様相はめまぐるしく・大きく変わりますが、海であることの本質は変わらないんですよね。

表層変化の徒然なる波風も楽しみつつ、深い部分では変わることなく美しい海・豊かな海でいたいものです。


【今日のピアノ練習覚え書き】

ウォーミングアップ

左右に広がって閉じるスケール ドからシ半音ずつ上げて12の長調

ツェルニー30番13、14

【ドビュッシー グラナダの夕べ】

コンクールモードでの通しと部分練習


【スクリャービン エチュードop.2-1】

コンクールモードで、プログラム全部の通しと部分練習

【コンクールの新曲2曲】

昨日から新規で始めたドビュッシーの曲を中心に。
ドビュッシーあるあるで、短い曲でも譜読みが面倒です。3段譜だし😅
もう1曲はスペインの作曲家の作品ですが、響きとしてはかなり現代曲な雰囲気の曲です。
まずはこの2曲が弾けるところまで頑張ります!

【パスカル・ヒメノ 演奏会用リズムエチュード
1-1 ファンキー、1-3 ボレロ】

2曲通しとファンキーのラスト部分練習。

【ベートーヴェン 
創作主題による32の変奏曲】

今日は第32変奏を集中的に部分練習。

ショパン バラード第2番 op.38

今日は1〜4ページめを弾きました。

ラフマニノフ 楽興の時 第3、4番

鬼門と思っていた3番の暗譜がかなりできて、完成間近。
4番の中間部6小節の暗譜ができればまずは暗譜はOK。演奏の精度やスピードを上げていくステージにはいります。



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