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47|8 2020年8月30日 日曜日の過ごし方

 忘れていた日曜日の恐ろしさを思い出した。恐ろしさというにはあまりに傲慢かもしれない。むしろこれこそが自分の追い求めていたものではないだろうか。このためにスペインに来たと言ってもある意味では正しいのかもしれない。それだけに忘れていたという事実がある種の未練というか気の緩みの表れかもしれない。この国は日曜日は働かない。ほとんどの店が閉まる。どんなに大きなデパートでも閉まる。行きたかったお店も閉まっていたので、天気もいいし少し散歩することにした。夕方には大家に頼んでいた卓上ランプを届けてくれる予定だったのでそれまでに帰ってくるつもりだった。目を付けていた紅茶屋も日曜日は営業していないので明日行くことにした。閉まっているのは分かっていたが、何となくその辺りを歩いていると、たまたま開いている店があったのでそこで夕食代わりの菓子を買った。"Pastel Vasco"(バスクケーキ)というカップケーキのような形で中にカスタードが練りこまれているものを2つ買った。1つはシンプルなもので、もう1つはアーモンドが乗っているもの。どちらも思っていたより優しい甘さでちょうどよかった。これからは曜日と時間を見て計画的に買い物をしないといけないな。「日本ならいつでも大体のものなら買えるのに。」そんなことは分かっている。でもその環境を作り出すのにどれだけの人間とエネルギーが必要だろうか。求めているのはそんな生活じゃないだろう。きちんと考えてやるべきことはやるべき時にやる。それだけのことだ。
 大家から「田舎の家にあると思っていたランプがなかった。明日買ってくる。」と連絡があった。外のコンサート会場から時折、演奏と共に歌が流れて来る。

(21:23 パンプローナ自室にて執筆)


現在、海外の大学院に通っています。是非、よろしくお願いします。