皆の幸せ?1人の幸せ?
今回は功利主義の問題点の1つを紹介します。
分かりやすく、幸せを数値で表してみます。
10人の人口の町で、1人あたり10点の幸福度で生活していました。この時、町の幸福度は10×10で100点です。
人口が増えて15人となり、1人あたりの幸福度は7点に下がりました。町の幸福度は
7×15で105点になり、上がりました。
功利主義ではこれを良しとするかどうか、問題になります。
最大多数の最大幸福に従うなら、町の幸福度を優先すべきです。
ですが、1人あたりの幸福度が下がっているため、個人では不満が出るでしょう。
功利主義では、社会的に皆が幸せになる行為は善と見なします。
大量殺戮を防ぐために、殺人犯を殺したら、全体の幸福度は上がるでしょう。
しかし、殺人犯と、殺人犯を殺した人は幸せでしょうか?
かと言って殺人犯を放置すれば、全体の幸福度は下がり、殺人犯の幸福度は上がります。
極端な例えですが、どちらが"善い"のでしょうか?
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