「断言」ってそんなに簡単にしていいのか?ーー断言したほうがいい時と、しないほうがいい時
「絶対こういう風にしたほうがいいよ!」
「これを買えば必ず痩せることができます!」
なんでもかんでも断言する情報に世の中は溢れている。
でも、「絶対的にこうだ」と言えることは世の中には少ない。
そんな中で、「断言する」ということを、私はしていいのだろうか。
断言することについてあれこれ考えてみた。
・断言はしていいけど、反感を買うときがある
・断言しないほうがいいときは、「雑談をするとき」
・断言したほうがいいときは、「立場・考えを明確にしたいとき」
・基本的にはIメッセージがおすすめ
・断定的な情報にふれるときは、批判的に見るエネルギーがあるときが良い
なぜ人は断言しちゃうのか
断定的なメッセージが生まれるのは、2つ理由があると思う。
1つは、「人は自分の事が正しいと思いがち」だから。
人間が普遍的にもっているバイアスとして、自己正当化をしてしまう「確証バイアス」というのがある。
「確証バイアス」とは、個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという傾向。いったんある決断をおこなってしまうと、その後に得られた情報を決断した内容に有利に解釈する傾向をさす。(Wikipediaより)
自分の考えが正しいと感じてしまったり、それを補強するような情報を集めてしまうのだ。だから、知らないうちに、自分の価値観が絶対的に正しいと信じてしまう。それをそのまま言葉として発してしまう。
確かに、自分の価値観が正しいと思えなければ、自分の考えに自信が持てなくなってしんどくなってしまう。自分のことを守るためにも自然な性質だと思う。
ただ、そのまま表出してしまうと、人といさかいがうまれてしまったり、人の意見を柔軟に取り入れたりすることができなくなってしまう。
もう一つの理由は、「断言して焦らせた方がものが売れるから」
商業的なメッセージに断定的な表現が多い理由がこれだと思う。恐怖訴求はマーケティング施策として有効な事がわかっている。通販番組とかをイメージすればわかりやすい。だから、商業的なメッセージは断定的な情報に溢れやすい。
断言しないほうがいいときは、「雑談をするとき」
まあ人には表現の自由があるので、断言してはいけないってことはないんだけど、比較的断言したほうがいいときと、断言しないほうがいいときがあると思う。
断言しないほうがいいときは、「雑談をするとき」だ。
なぜかというと、反感を買いやすいから。こういうのを、「心理的リアクタンス」というらしい。
自由の回復を目指す動機づけを、心理的リアクタンスと呼ぶ。
ー例えば、「まだ結婚しないの? 早くしなさい」と言われると、「結婚するかしないかは個人の自由なのに、人から言われたくない」という気持ちが強まり、結婚に消極的になることがある。(今城、2012)
特に、人のことを言うときや、悩みを聞いているときは断言的なアドバイスなどは避けたほうがいい。反感を買ったりうざがられるだけの事のほうが多い。
そもそも人のことなんて完全に理解することは難しいし、自分が思う最善手が、その人の価値観にとっての最善手かどうかはわからないから、考えがそもそも間違っている可能性がある。
断言したほうがいいときは、「立場・考えを明確にしたいとき」
スタンスを示して、人に考えを作り出したいときは、断定的な表現の方がいい。
理由は、わかりやすいからだ。オブラートに包んだ言い方は人を傷つけないけど、要点がわかりにくい。問題解決をしていきたいときは、要点をつかみやすくするために断定的な表現を使ったほうがいい。
たとえば、ビジネスドキュメント、ディスカッションするとき、論文、ブログなどが当てはまると思う。
基本的にはIメッセージがおすすめ
決めつけは良くないけど、オブラートに包んでしまってもやもや意見を話すのはよくない。要点がわからなくなってしまうし。
だから、つきなみだけどIメッセージで伝えることがおすすめ。
Iメッセージとは,主語が必ず「私は」から始まる形で相手に伝えるメッセージのこと。
意見も明確に伝えることができるし、相手を決めつけて反感を買うことが少なくなる。気持ちのいいコミュニケーションにしやすい。
「断定しない」と「自信を持って発言しない」は違うことだと思う。
断定的な情報にふれるときは、批判的に見るエネルギーがあるときが良い
メディアリテラシーなんて言葉があるけど、情報をあんまり鵜呑みにするのはよくない。でも、「批判的に見る」って結構エネルギー使う。
というのも、僕は、断言されると「確かにそんな気がする」と、信じちゃうたちだ。だから批判的(ここでいう批判的は、「文句を言う」感じじゃなくて、「事実に即しているかチェック」くらいの感じ)に物事を見るようにしているのだけど、体調がわるいときだと「そうなのかもしれない」と不安になってしまうことが多い。
だから、あまりにも断定的な表現をする情報は避けるようにしたり、体力があるときに読むようにしている。
こうすると、変な情報に接して動揺することが少なくなる。
まとめ
まとめるとこんな感じ。
・断言はしていいけど、反感を買う
・断言したほうがいいときは、「立場・考えを明確にしたいとき」
・断言しないほうがいいときは、「雑談をするとき」
・基本的にはIメッセージがおすすめ
・断定的な情報にふれるときは、批判的に見るエネルギーがあるときが良い
自分が発信するときは、発信する側も受け取る側もここちのよい表現ができるように、くふうしていきたい。
なんだか考えが整理できて、スッキリした。
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