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ひとり暮らし10年目にして、ふたり暮らしがはじまった(5)

今回は暮らしのことを書きたいわけではない。1ヶ月経過して暮らし方についてはある意味落ち着いた。だからこそ、最近とてもモヤモヤしはじめたことがあるのだ。そのことについて、だんだんと気持ちの整理がついてきたので、留めておこうと思う。

彼は人混みが好きではない。行列もそこまで好きではない。ちなみにわたしもそれは同じだから、行列店に並びに行く趣味もない。

そういう意味で、わたしは花見もあまり好きではない。わざわざ花見に行こうとはならないし、これまでも近くの川沿いの桜がとてもきれいに咲くので、人のいない朝や夜にランニングをするついでに済ませるタイプだ。あとは、前にも紹介した川のクルージング船が桜のシーズンは朝ごはん付きのクルーズをやってくれるので、それにだけ乗りに行き堪能する。

一瞬、わたしがモヤモヤしているのはこういうちょっとしたイベントに一緒に行けないことについてなのか?と思っていたが、今回船に乗ってつくづく実感。違う。こんなの、一緒にいたらわたしが楽しめない(笑) わたしのやることなすことにたぶん何かと言ってくるはずだから。

花見の後にのんびり一人でよく行くお店に行き、鹿肉のパテと白ワインを飲んでいて気づいた。

わたしがわたしの思う通りにスケジュールが立てられなくなっていることが、すごくモヤモヤしているんだ、と。

彼の移動は正直かなり突然だ。そのことで振り回されている自分に気づいた。この日はいるかもしれないから、予定を入れたらダメだな、とか。この週はこれくらいの作り置きで持つだろうか、と考えて作り置きのメニュー数を増やし、キッチンに立つ時間が長くなる、とか。
ランニングに出かけるスケジュールも格段に減らさざるを得ない。朝起きても走りに行けないし、夜も早く帰ってきてる時は走りに出かけられない。その分急にいなくなられたりして、想定が崩されいろんな予定も狂っていく。

これだ。モヤモヤの原点。

「共に暮らす」ということはこういうところをお互いがお互い面倒くさがらずに合わせたり受け入れたりすることだ。わたしはその姿勢があるが、彼はあくまで居候なのでその姿勢はないし、その姿勢を持つつもりもない。それが嫌だからずっと一人でいるわけで(笑)

この姿勢が最もわかりやすいのが何度か起きている事件だ。わたしが作り置きをしているのは知ってるし、帰ってきたら二人分を作るのも知っている。なのに、ちょっと帰りが遅く自身の小腹が空いたら、コンビニに何か買いに行って食べようとする。
一応事前に聞いてくるのでわたしが大慌てで帰宅して食事を作るため事なきを得ているが、これ、反応しなかったら、おそらく一緒に食事もしなくなり、本当に「居候」になると思う。辛うじてわたしがそこを食い止めているのか。

これがあるから、いるときはなるべく彼の行動に水を刺さない形を取ろうと、心のどこかで思っていて、自身の思い通りにならないことが積み重なり、モヤモヤに繋がっているのだと気づいた。

そんなわけで、第一弾。桜のラベルの赤ワインをラン仲間との花見に献上した。本当は彼と晩御飯の時に飲もうと思っていたのだけれど、彼が衝撃の告白「赤ワインはそこまで好きなわけではなかった」を先週の居候時のコメントとして残していったので。
3000円程する家飲み普段ワインにしてはいい方のお値段だが気にしない。飲める人たちと楽しく雰囲気に合わせて飲む方が、ワインも嬉しいはずだ。

第二弾。作り置きはたくさん作らない。代わりに日野さんのところで見つけた冷凍庫ストックを作ることにした。

第三弾、連絡が来るまでは何も気にせず自分の予定を立てることにした。ランニングも含めて。
気にせず旅の予定を入れた。高野山に遅咲きの桜を見に行くついでにいつもの宿坊に泊まることにした。
石垣島ウルトラマラソン、ちょっと挑戦したくなったし、それまでにまた走力戻さないといけないし。旅のスケジュールも勝手に立てようと思い立つ。

お互い時間があれば会いたいと思えている者同士なんだし、相手に縛られる必要なかったわと、雨の日曜日の午後「この天気には負けるから今夜も戻ってこないな」とアタリをつけつつも、のんびり過ごす。

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生まれてから一度目の結婚をする26歳まで実家を出たことがなかったわたしが、一応26歳から36歳までの10年は結婚生活をし、36歳からひとり暮らしをはじめて、10年目にして月の約半分がふたり暮らしっぽいことをはじめることになったので、そこで気づいたいろいろをまとめているシリーズです。

過去の記事はこちらから。

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