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超短編ラボ

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毎日短い物語を作り続ける工房
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超短編:海のない町

超短編:海のない町

「うち、明日海の日なんだ!!」
「いいなぁ!うち小さい海しか買ってもらえないからな」
「遊びにくる?」
「え!やったあ!いくいく!」
 タケルがバイト帰りに歩いていると、制服の小学生たちが楽しそうに通り過ぎていった。
 窓がギラギラと太陽を反射している。夏だ。

 海かぁ・・・・。

 タケルは海を見たことがない。
 いや、正確いうと、この世界にはもう海がない。
 大昔には地上の7割は海だったとい

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超短編:猫とカバン

超短編:猫とカバン

 世界中のお宝を集めて回る、ふしぎなカバンをもつ猫の盗賊がいた。カバンというより袋のようなものだったが、とにかく猫はそれをカバンと呼んでいた。
 気に入ったものはなんでも、カバンに入れて持ち帰ってしまう。
 難点は、カバンは最後に入れたものの色に変わってしまうこと。パンを持ち帰っては背中がパンの色になり、宝石を持ち帰っては背中が宝石のように輝いてしまう。
 持ち物がすぐにバレてしまうので、街から街

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超短編:不思議なスイッチ

超短編:不思議なスイッチ

古い納屋を整理していたら古い桐箱が発見されたので、リビングに家族があつめられた。
僕も母さんも父さんも、もしかしてお宝かもしれない、とわくわくしていた。

とうさんが白い手袋をはめ、うやうやしく桐箱を開けると、中から出てきたのはちょうど洗濯バサミくらいの大きさの、錆びたスイッチ。皆一斉になんだこりゃ、と首を傾げた。
ためしにパチ、とスイッチを押した途端、フクロウがホウホウ鳴き出した。
もう一度パチ

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超短編:フラミンゴのボトル

超短編:フラミンゴのボトル

フラミンゴのソムリエはその昔、自分が作ったワイナリーで、自分そっくりのワインを作った。

 彼のワインはこの世のものではない程の美酒だったが、性格も首のように曲がっていたフラミンゴは気になった客にしかワインを振る舞わない。
幻の味ということで各国の権力者達が一口飲んでみたい、と彼の元と尋ねてきた。
 しかし誰に対しても「あなたはまだ選ばれる時ではないようです」という。

 その噂はついに天までとど

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超短編:片付けメガネ

超短編:片付けメガネ

目を固く閉じた老人が語りかけてきた。

目を閉じてるのに、メガネをかけている。不思議ないでたちだ。

「あなたは、押し入れやタンスから見覚えのないものを発見したことはないだろうか。

名前もしらないキャラクターのキーホルダーやら、やけにカラフルなクリップ、何につかうのかわからない謎のプラスチック、コートのボタン、靴紐みたいなリボン、などなど。

いつからここにあったのか、まったくもって思い出せない

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超短編:みつあみまつげ

超短編:みつあみまつげ

いまでこそ、まつ毛は長い方が美人、というのは定番だが、その昔、長すぎるまつ毛をもつ魔女がいた。彼女は本当のところ魔女ではなかったのだが、街の人から魔女だと思われ、蔑まれていた。
なぜかって?長すぎるまつげは前から見ても髪の毛のように見えていて、首が前後逆についているように見えていたし、本人も睫毛で前だ見えないのでしょっちゅう誰もいない壁に向かって話しかけていたから。

そんな彼女と友達になったのは

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