見出し画像

資産課税は日本に唯一残された最期の伝家の宝刀である

はじめに

本noteで述べる資産課税の定義ですが、日本国民個人の所有する預貯金に対する課税を意味します。

一般的な定義で指す、固定資産税や相続税は含まれませんので、ご了承ください。


1.社会保障費の削減はほぼ不可能

社会保障費削減に取り組んだ内閣は、直近で言うと、小泉内閣が有名なのですが、その額も2200億円と、社会保障歳出と比すと、微々たるものであり、何の効果も無かったと言えるでしょう。

社会保障費の削減が難しいと言われる大きな所以は、社会保障費の削減を行うと、それが医療機関の経営に大打撃を与える事にあります。

日本の各医療機関は、医療サービスの値段を自ら決定する事が出来ず、法令により、その値段が決定されており、公的医療保険を収入の拠り所としているため、社会保障費の削減が行われるという事は、医療機関に支払われる保険料が減る事に直結いたしますから、そこまで単純には行えないという事です。

2020年に起きた新型コロナウイルスパンデミック発生時から、日本の医療機関の脆弱性が指摘しましたが、これは、日本の医師の絶対数が少なかったり、各医療機関の慢性的な赤字体質などが原因であり、その事は、医療機関の経済的負担をこれ以上は増やす事は出来ない事を意味します。

また、小泉内閣以降、第二次安倍内閣を除き、誰も社会保障費削減に挑戦していない事からも、その難易度の高さを物語っています。


2.資産課税導入は社会主義政策ではない

私の過去のnoteでも、何回か述べましたが、現状、日本の富の70%は60歳以上が握っております


そして、下図で解る通り、社会保障支出(134.3兆円)の大半は、年金・医療・介護と言った、60歳以上の高齢者しか得をしない分野が占めており、それを社会保険料や所得税、消費税といった各種税金若者に課している現状は、資本主義や社会主義と言った枠組み以前の問題であり、若者奴隷主義と言わざる負えません。

そして、現行の社会保障制度維持のための負担を、60歳以上に求める事は、60歳以上しか恩恵を受けていない現行の社会保障制度を見るに、自然の道理であり、社会主義政策であるという主張は的外れであると言わざる負えません。

令和2年度(2020 年度)社会保障関係予算


3.資産課税を導入しなかった場合、日本はどうなるか?

「少子化のワニの口」国民負担率が増えれば増えるほど、婚姻も出生も激減している30年

まず、国民負担率と出生率は、負の相関関係にあります。

そして、出生率の低下と経済の低迷は、正の相関関係があると、一般的に見なされておりますので、出生率が落ち込めば落ち込むほど、経済も停滞していくのは間違いありません。


3-1.法人税や所得税を上げる余地はもう無い

消費税10%引き上げ1年 減税論に財務省警戒 自民若手からも圧力

まず、巷では、"消費税が法人税の穴埋めとして使われている!"という主張が一定数ありますが、これ以上法人税や所得税を上げる余地は無いと考えております。

所得税に関してですが、現状でも、かなり高い税率が課されており、所得税増税の余地が無い事は、既にご存知の通りだと思います。


そして、法人税に関してですが、下図で解る通り、法人税引き下げの動きは、日本だけで行われいる訳ではなく、世界各国で行われています

どうなる「法人税引き下げ競争」、各国の賛成・反対意見とは?

その大きな要因は、タックスヘイブンの存在にあります。

上図で言えば、アイルランドのような、法人税を極端に下げている国があるため、法人税を引き上げるとそういった国々に企業が流出し、法人税自体取る事が出来なくなってしまうため、各国は法人税の引き上げを容易には行えないという現状があります。


3-2.消費税や社会保険料を上げるしか無くなる

個人金融資産1999兆円に 株高で過去最大、9月末

消費税や社会保険料の引き上げをすれば、日本の財政の問題が解決するなら良いですが、現状、消費税の引き上げに伴って、個人の金融資産は右肩上がりで増え続け、現在では2000兆円に達したと言われております。

消費税を引き上げると言う事は、日本国民や日本企業の消費意欲を削ぐ事に等しいですから、国民の貯蓄企業の内部留保更に加速させるという事です。


また、岸田首相は、金融所得課税の強化を、就任当初から目標に掲げておりますが、金融所得課税も、消費税と同様の観点から、投資を抑制する効果があるので、国民の貯蓄企業の内部留保更に加速させる事に加担する事は間違いないでしょう。


3-3.結果、日本は海外の植民地となる

中国におけるM&Aの動向

日本人や日本企業は貯蓄をしまくるとしても、海外の投資家や企業はそうではありません。

現に、日本企業は、中国企業に次々と買収されておりますが、消費税や社会保険料の引き上げが行われた場合、お金に余裕のある個人や法人はとにかく貯蓄をするため、日本の経済は停滞し、値打のある日本企業は、次々と、中国やアメリカの投資家や企業に買収されていくでしょう。

そうなってしまった場合、日本企業はあくまでも、株主に配当を配るために存在しますから、どんなに業績を上げても、中国やアメリカの投資家や企業にお金が流れていく事になります。

つまり、実質的に、日本人は、中国人やアメリカ人の奴隷となり、日本は、その植民地と化すという事です。

現に、アフリカでは似たような構造が既に存在するため、日本の植民地化と言うのは、近い内に起こり得ると思います。


3-4.暴力革命でしか日本を変えられなくなってしまう

現状、政治に参加するためには、投票に行ったり、デモに参加したり、SNSで発言したりと、平和的な手法を取るだけで十分ですが、消費税や社会保険料の引き上げにより、貧富の格差が固定されてしまったり、日本が植民地化されてしまうと、貧困層への武力での弾圧などが行われる可能性もあるため、平和的な手法は段々と通用しなくなると予想しております。

そうなった場合は、明治維新米騒動のような、武力を用いなければ、政治に参加する事が出来なくなってしまうでしょうから、そうなる前に手を打つ必要があるのです。


4.資産課税に加え、富裕層(60歳以上)の医療・介護保険の適用を無くす

日本が成長できないのは「財務省の大増税」のせいである…日本は「世界有数の重税国家」という不都合な真実

まず、現状、後期高齢者の医療負担月6472円であり、介護保険の負担月5869円です。

60歳以上の世帯には、資産1億円以上を持っているお金持ちが沢山いる中、月6000円程度の負担で、日本のほぼ税金で成り立っている医療や介護を使い倒されてしまっては、日本の財政赤字が膨らむ一方です。

ですから、日本国憲法上の"健康で文化的な最低限度の生活"を守るという観点から、60歳以上富裕層を、医療・介護保険加入の適用外とする事は、現行の社会情勢から見ても、当然だと思います。


5.富裕層高齢者への年金支給も無くす

年金は、医療保険程、国の財政赤字に寄与しておらず、制度存続が危ぶまれる状況ではございませんが、70歳を過ぎても働かされる貧困層の高齢者や、年金の世代間格差など、既に色々な問題が噴出しており、社会保険料を下げる観点からも、既に、"健康で文化的な最低限度の生活"以上の生活を営んでいる高齢者に向けて、年金を追加支給する必要性は全くもってありません


6.昭和25年の富裕税導入時と現代の相違

日本の歴史上、一度だけ、昭和25年に、富裕税と呼ばれる資産課税が導入された事がありましたが、結局導入から三年後の昭和28年に撤廃されています。

富裕税導入の背景としては、下図の通り、戦後の日本ではハイパーインフレが発生しており、そのインフレを抑制するために、シャウプ勧告なるものがアメリカから出され、その一環として、導入された税金の一種となります。

実践的基礎知識 投資の必要性編(5)<過去の債務削減方法とインフレ>

そして、今現在の官僚には、"富裕税も失敗したから、資産課税を導入しても失敗する可能性は高い"と主張する層も一定数いるようですが、私は、現代と昭和25年では、以下の3点から、全く状況が異なると考えております。


①マイナンバー制度普及による課税のし易さの向上

まず、現行法制度上でも、個人の金融資産の総額を把握できたり、税務署による個人の預金口座の情報を簡単に調査出来たりと、政府が、個人の預金残高を把握するという点では、既に、実現されており、マイナンバー制度普及により、各口座にマイナンバーの紐づけを義務化すれば、その事務的容易性はさらに増す事でしょう。

日本の財政赤字や1200兆円規模の借金が出来た主な要因は"社会保障"であり、日本の社会保障の手厚さから考えれば、各口座にマイナンバーの紐づけを義務化する政策的必要性は十分あると思います。


②国民の豊かさの向上

戦後と比べ、日本国民の豊かさは比較にならない程向上しておりますし、個人の金融資産2000兆円という額を見ても、それだけで国の借金を全額返済できるような高さですから、その点においても、昭和25年とは異なる事は自明です。


③ハイパーインフレの最中ではない

戦後は、ハイパーインフレの最中でしたから、行政側にとっても、余裕が無い状況でしたが、今現在は、ハイパーインフレは起こっておらず、余裕を持って政策を実施できる状況のため、仮に、資産課税の税収が思ったより低くとも、たいしたデメリットには成り得ないと考えます。


7.とにかく自民党議員を落とすしかない!!

直近で起こった、自民党内のLGBT法案の部会長一任騒動でも、お解りの通り、自民党というのは、60歳以上の高齢者幹部が全ての実権を握っております

ですから、いくら自民党所属の若い議員を当選させたとしても、所詮は議席数確保要因に過ぎず、その若い議員の意向は党内では一切通りません

なので、資産課税を導入するにあたっては、60歳以上の高齢者が損をする政策となるため、資産課税の導入実現のためには、60歳以上高齢者が全てを仕切っている自民党の国会議員は、一人でも多く、選挙で落とす他ありません。


まとめ. 国家や社会保障制度を守る事が何よりも重要

我々日本国民にとっては、社会保障制度を維持する事、ひいては、日本国家を存続させる事が何よりも重要であり、極論他の事は重要ではありません。

ですが、現状、財政赤字や国の債務膨張に起因する預金封鎖やハイパーインフレの危機が迫っており、消費税増税や社会保険料の引き上げに起因する日本の植民地化に至っては、現在進行形で、既に進んでしまっています

ですから、そういった危機で、日本国家そのものが無くなってしまえば、いくら資産を持っていたとしても、歴史上のユダヤ人のように、各国で迫害され、日本人にとっては、悲惨な未来が待ち受けている事には違いありません。


そして、いくら預貯金が大量にあったとしても、詐欺や恐喝と言った非合法的な出費をさせる手法に限らず、投資の失敗各々の趣味への出費と言ったような合法的な出費をさせる手法も、時代と共に日々増え続けております。

ですが、現在の法体系では、合法的か非合法的かに限らず、一度お金が他人に渡ってしまうと、取り返す事が難しいような法整備になっているので、富裕層の資産防衛の難易度と言うのも、年々増加していると、考えております。

ですから、どんな富裕層であっても、明日から無一文になってしまうという状況は起こり得るのです。

なので、そういった方々も含めて保護するためにも、社会保障制度を維持する事は重要になります。


確かに、資産課税を導入したり、医療・年金・介護の給付を、富裕層に限り抑制する事は、トータルで見たら微々たるものになるかもしれませんが、小さい積み重ねこそが重要だと思います。

その小さい積み重ねこそが、消費税増税や社会保険料の引き上げを防ぎ日本の将来を繋ぐ事に繋がるのです。


最後に、近年の自民党政権は、国家を存続させたり、社会保障制度の維持をするという観点では、何の責務も果たしておりませんので、現状、自民党政権には何の存在価値も無いと断言出来る事は間違いありません。

ですから、大和魂を持った日本国民の皆様には、投票に行くという行動を持って政治に参加していただき、自民党以外の若い議員を当選させていただきたいと思っております。

この度は、記事を最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。 Amazon Kindleにて、勉強法などの電子書籍を販売中です。 詳細は、下記公式サイトをご覧ください。 公式Webサイト:https://www.academicagent.net