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アマフォトグラファーだがNASを組む(検討編)

写真趣味を"マトモに"始めて五年あまり、最近は3000万画素機をメインに使っていることもありデータ容量も6TBのHDDが一杯になりそうという事で、写真データの保管先を改めることにした。

1.現状確認(写真データの保管について)

・撮影はアマチュアで、年間撮影枚数約2万枚程度。

・ジャンルは多数。スポーツや総火演といった、連写を伴う撮影もたまに行う。

・自宅のデスクトップPCに写真専用の6TBHDDを一台、セカンドストレージとして接続。(OS用SSD、一般データ用HDD、ゲーム用SSD、写真用HDDの4ベイ。)

・バックアップは、Amazon Prime会員だったためAmazon Driveに同期。しかしAmazon Driveは外部からのブラウザでのアクセスが重く、あまり満足していない。

・ノートPCは所持しておらず、特に外でLightroomのカタログを開く必要は無し。

2.NASを構築する意義

プロアマ問わず、フォトグラファーがNAS(Network Attached Storage)導入に踏み切るメリットとしては以下のような点がある。

①ローカルなPC内ではなくネットワーク上にデータを保管するため、例えば外出先やセカンドPC・スマホ等でも写真データを閲覧・編集できる。

②RAID構築する事で、単体の外付けHDDに保管するよりも、HDDの故障=データ損失のリスクを回避できる。

プロユースとしてガンガン使うのであれば、外出先でLightroom編集をしたりクライアントとの打ち合わせで急にポートフォリオを提出する必要があるなど、外からネットワークのデータを取り出せるのは強みかもしれない。

しかし私はノートPCを持たず全て自宅のデスクトップPCで完結させてしまっているので、主に②の動機だけでNASの導入を決断した。一台のHDDにデータを保管しておくというのは、いつか突然過去の写真データを全て失うリスクでもあり、精神衛生的にそこを解決させたかった。もちろん今後①としての使い方もできるようになれば便利である事に違いは無いので、それも導入を後押しする理由になったのだが。

3.NAS導入にあたり購入したもの

必要なものは、NAS本体と搭載するHDDだけである。

フォトグラファー向けにはここ数年台湾のSynology社がCP+に出展するなどアピールを続けており、私自身ネットワーク市場にそこまで詳しくないという事もあり同社製品にあっさりと決めた。

導入条件に「既に6TBほどデータがあり今後も1TB/年程度のスピードでデータが増える」「RAIDでHDDの突然死にも耐えるバックアップ機能を持たせる」があるので、4ベイのモデル6TBのHDDを搭載する事にした。

Synology DiskStation DS420+は同社4ベイモデルの中では中堅機で、上位機種にはより高性能なCPUを内蔵したDS920+があり、2ベイで十分という場合は、DS220+が性能的には同等となる。

※2ベイだと後述のRAID5が使えず、RAID1か0のみとなる。RAID5構築のためにも、3ベイ以上のNASを強く推奨する。

Synology社はHP内で性能比較やRAIDを構築した際に使える容量を計算するアプリの提供等を行っているため、一度確認されたい。

4.RAID5がベストバランスか

先述のDS420+は平均的な性能ながら4ベイあり、価格のこなれている6TBであれば計24TB入る・・・と思いがちではあるが、今回はRAID5で構築する事にした。

RAIDとは複数のHDDを組み合わせて仮想的に一つのドライブとして運用する方法で、データのバックアップや読み込みの高速化を目的に構築される事が一般的。

全く同じデータを2つのディスクに記録するRAID1、データを半分づつ割り振って2つのディスクに記録するRAID0、RAID1とRAID0を両立させたRAID10等があるが、結論から言うとRAID5がベストだと思う。

RAID5はデータを3台以上のHDDに割り振りながら"パリティ"と呼ばれるエラー訂正のデータも同時に書き込まれる仕組みで、HDDが1台故障しても他の"パリティ"でデータ復旧ができる。搭載するHDDに対する保管可能なデータ容量は「HDDの総数-1台」であり、例えば6TBを4台なら18TB、3台なら12TBが保管可能な容量となる。

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後からHDDの追加もできるため、今回はDS420+にWD Blue 6TBを3台搭載する事とした。12TBもあればあと五年以上は持つ計算だ。

5.NAS専用HDDって必要?

世の中にはNASでの仕様を前提とした「高耐久・高信頼性HDD」が存在する。

一方で、一般的なHDD(個人用デスクトップPC等での使用を謳っている)もあるが、価格差はおよそ1.5~2倍程度になる。

もちろん予算が許せば高耐久なモデルを搭載すれば良いが、個人的には一般的なHDDで十分だと思う。なお宗教上の理由でWD社製をオススメする。

そもそもNAS用と謳われているHDDは業務用NASや監視カメラ等、24時間365日フル稼働するような使われ方を想定している。個人のPCでそこまでハードに使う事はまず無いだろう。

またRAIDを組む理由としてHDDの故障を前提に考えており、壊れたら(というより動きが怪しくなってきたら)一台づつ交換すれば良いという考え方もできる。2台同時に壊れるというのは・・・まあ確率的に考えて無視する。

6.おうちでNAS構築、ボーナス資金でいかがですか

導入費用は、

DS420+・・・55,000円

WD Blue 6TB HDD×3台・・・31,500円

計・・・86,500円

であった。私と近い歴・撮影頻度のフォトグラファーは、もはや全員このセットで良いと思う。初期投資は少しかかるが、写真データの損失をほぼ心配しなくてもよくなるという点に価値を感じる人は多いのではないか。


次回、NAS導入編。


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