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母のために選ぶ、児童書。9

90歳を超えて、さすがに母も小さい文字が読みづらい、眼鏡をかけても本が読めないというのです。電子書籍は母には使いこなせません。ルーペ眼鏡も、母には使いにくいようです。ならばと、視点を変えて、児童書にアプローチしてみました。これは、いけるかも!

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 11セット目の3冊についてご紹介します。通算でゾロ目の33冊となります。母の感想はどうだったでしょうか。

1.『三まいのはがき』おくやまゆか著 福音館刊☆
2.『体育館の日曜日』村上しいこ著/田中六大画 講談社刊☆
3.『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット著/ルース・クリスマン・ガネット画/わたなべ しげお訳 福音館刊☆

 ちなみに、☆マークの本は母から借りて私も読みました。

 1冊目は、表紙の絵や色使いがシンプルなわりに不思議に味わいがあるという印象を抱きました。読んでみたらこれまた不思議な味わいが。主人公の少年が、三匹の生き物を危険から救ったことで感謝され、それぞれの自宅へ招待されたてん末の物語です。ナメクジ、カエル、ヘビというどちらかというと、気味悪がられる生き物からの、これまた変わった招待の中身。主人公は招待先から無事に戻ることができるでしょうか。こんな物語をつくった〈おくやまゆか〉さん、発想力がすごい。

 2冊目は、逆に、にぎやかで楽しげな表紙です。さぞや内容にも変化があって面白かろうと期待も。体育館の備品や道具の、とび箱、バケツ、ぞうきん、一輪車、ボール、縄跳びなどのキャラクターが活躍します。体育館の遊びに飽き足らなくなった彼らが、街へ飛び出します。ひと波乱の末、体育館の駄目キャラであったものが一発逆転、ヒーローになるという物語。

 3冊目は、もはや何の説明をも要しないほどの古典的名作。むかし、母がまだ幼かった弟のために買って与えたことを思い出しました。3部作で、それを今度は、母自身が読むという人生の巡り合わせに思いを深くいたすところです。
 物語は、少年が語る、父親(エルマー)の少年時代の冒険譚というしつらえ。ある日エルマーが出会った猫から、島と竜のことを聞いたのが冒険のきっかけです。エルマー、動物としゃべることができるんです。いろんな野生の動物が出てきて、みんな個性的。エルマーとの知恵比べが楽しい。もう一つの魅力は、挿し絵です。表紙もそうですが、著者ルース・スタイルス・ガネットの義母、ルース・クリスマン・ガネットが描いています。

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 ここから母のために選んだ12セット目、3冊のご紹介です。今回も、大型書店で選びました。今回も前回と同じく、ハードカバーのものを選びました。値段は千円台前半で比較的求めやすいところがうれしいです。

・『クーちゃんとぎんがみちゃん ふたりの春夏秋冬』北川佳奈 作/くらはしれい 絵 岩崎書店刊
・『転校生は忍者⁈』もとした いずみ・作/田中 六大・絵 佼成出版社刊
・『レッツ キャンプ』いとう みく・作/酒井 以・絵 佼成出版社刊

 1冊目は、表紙の絵や色使いが乙女趣味たっぷりで、レトロ感ただよう趣き。書名と表紙から推して、二人の仲よし少女のココロあたたまる物語がはじまる予感がします。
 2冊目は、逆に、おてんば娘が活躍するような書名と表紙の絵。いかにも勝ち気で意志のしっかりした女の子と見ました。忍者とどんな関係の物語なの?という疑問と、起伏のあるストーリーへの期待が高まります。
 3冊目は、父親と男の子の絵。キャンプのアイテムが描かれています。ランタン、ライト、携帯ガスコンロ、なべ、てぶくろ。本の帯に「キャンプなんて来るんじゃなかった!」とあります。一体、どんなできごとが。

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 今回選んだ3冊は、三者三様の個性的な表紙で、書名も興味をひかれるものです。母の気に入るでしょうか。

 結果は、次の記事でご紹介します。では、またお会いしましょう。



※春田みつき さんの画像をお借りしました。

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