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母のために選ぶ、児童書。14

90歳を超えて、さすがに母も小さい文字が読みづらい、眼鏡をかけても本が読めないというのです。電子書籍は母には使いこなせません。ルーペ眼鏡も、母には使いにくいようです。ならばと、視点を変えて、児童書にアプローチしてみました。これは、いけるかも!

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 16セット目の3冊についてご紹介します。通算48冊目になります。母の感想はどうだったでしょうか、ご報告します。

・『アニメ版 ちびまる子ちゃん』 さくらももこ原作 金の星社刊☆
・『あやめさんのひみつの野原』 島村 木綿子作/かんべあやこ絵 国土社刊☆
・『俳句ステップ!』おおぎやなぎ ちか作/イシヤマ アズサ絵 佼成社刊☆

 母によれば、三冊とも面白く読んだそうです。ちなみに、☆マークの本は母から借りて私も読みました。

 週1回ペースで様子を見がてら、母に会っています。最近、母が愚痴をこぼしたことがあります。
「テレビもラジオも同じようなことの繰り返しで、おもしろいことないわ」
 ペット番組などは別として、私も母に同感します。サッカーなどのイベント番組はどうか。そういった番組もある面同じパターンが。「悲願」「奇跡」などの視聴者受けをねらう旧いキャッチもその一つ。食傷気味かも。
〈本〉はどう?と私が聞くと、母は「本は、まあ面白いね」と答えました。〈まあ〉とはいえ、母に本を楽しむ時間が増えてよかったと思います。

 さて、1冊目は、テレビでずっと放送されている、あのアニメです。母はもちろんテレビのマルコちゃんを知っています。
 私が読むときに最初に気づいたのが、この絵は今のアニメと少し違って、より原作の絵に近い初期の絵ということです。どっちがいいということではありません。
 お話の内容は、例によってまる子の怠惰や、おじいちゃんのおせっかいが原因で運動会でちょっと恥をかいてしまいます。それと、クラスメイトのあいだのちょっとしたすれ違いなどが絡んで話は進みます。でも、さいごは仲直り。めでたしめでたし。でも最後にとっておきの、まる子の失敗が……
 
 2冊目。主人公の少女の、叔母さんの名前があやめさんです。庭や動植物が好きで大切にしていましたが、亡くなってしまいます。
 叔母さんからもらった形見の座布団に、ある日飼い猫が座ったら言葉を喋るだけではなく、謎の呪文を唱え始めました。すると、あらふしぎ……
 可愛い花や木の葉に赤い実などの植物がしげるすてきな野原につきました。そこでリス、ウサギ、野ネズミにカエルなどのいろんな小動物やスズメやきじバトと出会います。皆とおしゃべりをして楽しい話を聞いたり、ふしぎな体験をして時を過ごします。
 そんなことのあった何度目かのあるとき、叔母さんが少女に託した、あることづてを知ることになります。

 
3冊目は、母が以前、俳句の趣味があって先生について作句や吟行をしていましたので選んでみました。表紙は雨上がりの道を、ランドセルを背負った女の子がふたり駆けています。
 主人公の少女があるとき、俳句を作る趣味のおばあさんと出会い、作句を勧められます。たまたま学校の遠足で作ったのが良くできた俳句で、市の大会で〈子ども俳句大賞〉に選ばれたと担任の先生が授業で発表します。ところが、なぜか、作者が自分ではなく、よりによっていちばん苦手なクラスメイトの作品ということになってしまっていて、さあ大変。
 おとなしい性格の主人公が、活発なクラスメイトに対抗して、自分の作品だと皆に認めてもらえるのでしょうか。

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 ここから母のために選んだ17セット目の3冊、通算51冊めのご紹介です。今回も、大型書店で選びました。今回もハードカバーのものを選びました。

・『すみれちゃん』 石井睦美作/黒井 健絵 偕成社刊
・『オバケたんてい』 藤江じゅん作/吉田尚令絵 あかね書房刊
・『カステラアパートのざらめさん』島村木綿子作/コマツシンヤ絵 Gakken刊

 1冊目は、書店で選ぶとき『すみれちゃん』という書名と、かわいい表紙の絵が私の気に入りました。すみれちゃんのまわりには、スミレの花や木の葉、音符などが散りばめられています。
本の帯に「おしゃまでおしゃれなすみれちゃんにはなやみがいっぱい」とあります。幸せそうな、すみれちゃんにいったいどんな悩みがあるのでしょうか。

 2冊目の表紙絵は、パジャマ姿の少年をはさんだふたり(?)のオバケが描かれています。少年は平気な様子なのに、オバケの表情がふたりとも何かを怖がっている様子。逆ではないか。オバケ&探偵の物語、いったいどんな事件が起きて、解決するのかしないのか、オバケは活躍するのか邪魔をするのか。疑問が尽きません。これは読むしかない。

 
3冊目は、たまたまですが、前回(上記)の3冊目『あやめさんのひみつの野原』の作者の本です。 両作品の内容はまだわかりませんが、書名の一部を比べると前回は「あやめ」、今回は「ざらめ」でなんとなく似ています。もう一つの共通点は、表紙にネコを抱いた少女が描かれていることです。
 さて、こんどの作品も不思議な、だけど心あたたまる物語でしょうか。読まないとわかりませんね。母の後で読みましょう。
 

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 今回選んだ3冊も、三者三様の個性的なたのしい表紙で、書名も興味をひかれるものです。母の気に入るでしょうか。

 結果は、次の記事でご紹介します。では、またお会いしましょう。



※春田みつき さんの画像をお借りしました。

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