ショートストーリー「間違いロボット」4
踊るロボットがちがうことを始めた
漫才をしだしたのだ
きのうまで、よさこいや阿波踊りやコッペリアを踊っていたのに
それが、けさ起きたら
おおぜいの笑い声が、あれっ
ダイニングから聞こえるので行ってみると
ロボットが漫才?している
「ロボちゃんでーす」「ツトちゃんでーす」
「ふたり合わせて、クマちゃんズでーす」
「ちゃうやろ。ふつう、ロボ・プラス・ツトで、ロボットや」
「責任取らすぞ」「こっちのセリフや」
ひとり二役で〈ボケ〉と〈ツッコミ〉をやっている。
ワハハ、イェーイなどの笑い声やら口笛やら
入退場の三味線、太鼓の鳴り物やも内蔵されているようだ
「ほな、さいなら~」
終わって立っているロボットは、無表情でちょっとこわい
アッ!ひょっとして・・・
スランプで踊れなくなったロボットをきのう修理にだして
つなぎに代わりのロボットを頼んだっけ
きたのが今のやつ
ろくに確かめもせず玄関先にたたせておいたが……
彼女の前髪をちょっと上げて
小さな印をよく見ると
字が小さくてわかりにくいが・・・
いやー、まるの中に「漫」じゃん
前のやつは
まるの中に「踊」だったな
(識別方法のなんとアナログなことか!〉
しかも、
〈漫談とか漫画とどう区別する???〉
えっ、ひょっとこして
〈全部できるってことかあ⁈〉
すげー!!!
でも一応、業者にクレームをカマさなくちゃ「間違えんなー」
これで4回目だ。いいかげん腹が立つが、待てよ、おためしって意味か
じゃ、ほかの〈漫〉もみたい、うっしっし😁
午後は「漫談」をリクエストしようかな
踊りは……まっいーか、というのも踊り見なくても生きていけるし
(漫才見なくても生きていけるけどぉ……)
オレだって 自分で阿波踊りは朝飯前だしぃ
とりあえずペコペコの腹を満たそう
「スーパー・ゴールド・アルファ・リアル……なんちゃら」
長い名前なんで、思い出す気もナエたが、これが現物💊だ
満腹感も得られる最先端の「食事カプセル」
オレはそれを2、3粒のんだ
業者には強気でクレームっぽく切り出して
今度のことは許すとおためごかしで
「貸し」を作ってやろう
いや、こっちの「かし」のほうがいいか⁈
「ロボットちゃーん、『まんが日本おかしばなし』をいっちょ描いて~」(〈お菓子〉と〈変しい〉と〈可笑しい〉を掛けている)
いと、をかし
「ワカッタ チョット マッテロヨ。イマナンジ?」瞬時の返事
3時だけど……
やっぱ、ちょっと怖いわ
<つづく、かも。>
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※いなげさんの画像をお借りしました。