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1993年のオーストリア・モーツァルト №71〈ウィーン №23〉終

1993年7月、転職のはざまに2週間の自由(失業)期間ができて、これはチャンス。リュックを背負ったエコノミーな個人旅行で、憧れのオーストリアへ行きました。
今年はちょうど30周年、当時はスマホはもちろんなく、携帯電話すら一般にはまだ普及していなかった時代。世の中随分変わりましたね。
旅行中の日記がこの『旅日記』の元ネタです。写真も交えて旅のあれこれを思い返しながらつづっていきます。そんな、よしなしごとにお付き合いいただければ幸いです。

ウィーン♪ №23(さよなら、またね。アウフ・ヴィーダーゼーン!)

1993(平成5)年7月21日(水)夜

〈オーストリア旅行 行程図1〉

 そうか、そうだ。本当は僕もそういいたかったのだ。楽しんだが、雨にたたられることの多かったこの旅行。(※1)

〈オーストリア旅行 ウィーン観光〉
空港行きのリムジンバスの中から
夕陽の差し込む車窓越しにドナウ運河沿いの景色を撮りました

 でも最後の日はとびっきりの笑顔で見送ってくれたのだ。(※2)

〈オーストリア旅行 ウィーン観光〉
木々の向こう側に大きな建物がそびえたっていました
僕は今日でお別れしますが あしたもウィーンは晴れて微笑みそうな感じがします

 馬車馬のウ○コが道路に落ちていてもウィーンは美しい。オーストリアは美しい。ザルツブルク、そして湖畔の小さな街々とそこで出会った人たち、みな美しい。(※3)

〈オーストリア旅行 ウィーン観光〉
空港も近づいてきました
いよいよさようならのときが来ると思うと一抹の寂しさが湧き出てきました

 タクシーから乗り換えた空港行きのリムジンバスの中から写真を何枚かとっているうち、胸が詰まってきてやがて風景がにじんでぼやけた。(※4)

〈オーストリア旅行 ウィーン観光〉
旅の終わりを象徴するように夏のながい一日が暮れようとしています
空港に着きました

 ダンケ・シェーン、ありがとう、ウィーン。さようなら、オーストリア。そしてまた会う日までアウフ・ヴィーダーゼーン。(※5)

〈オーストリア旅行 ウィーン観光〉
感傷にひたる間もなく 帰りの飛行機に搭乗する手続きをします
窓の外がまだ明るいのですが時間帯はもう夜です

 心のなかで僕は何度も繰り返していた。(※6)

〈オーストリア旅行 ウィーン観光〉
無事手続きも済んで機上の人と相なりました
空港にはライトも灯され隣に並ぶスイス航空の飛行機も離陸待機中でしょうか
さようなら ありがとう 楽しかった!


〈オーストリア旅行 行程図2〉

  
――おわり――


※1 ウィーンでもザルツブルクでも雨によく降られた気がします。女性に振られるよりましかもしれませんが。ザルツカンマーグートでは、晴れが多くてよかったです。

※2 終わりよければなんとかで、これがもし雨だったらと思うと女神のような、女性の微笑みのような晴れの天気がありがたかったです。気持ちがずいぶん違っていたでしょうから。

※3 シェーンですね。美化しすぎでしょうか。でも夢にまで見た土地にきて10日ほども過ごすことができたことは、まさに幸せです。

※4 思えばこの旅行で涙を流すのは2回目。1回目はザルツブルクのモーツァルトの生家をはじめて目にしたとき。2回目がこのときでした。

※5 その後30年経ったこんにちまで、オーストリアへは行けていません。今後に具体的な旅行計画もありません。でも、行きたい気持ちはいつもこころにあります。

※6 帰りの飛行機はSQ347便で、ウィーン発21:15。往路と同じくシンガポールポール経由での帰還。現地時刻7月22日17:35シンガポール着。トランスファーでSQ986便に乗換え、23日深夜1:05にシンガポール発。日本時刻23日朝8:15大阪国際空港着で無事に戻りました。

――ごあいさつ――

『1993年のオーストリア・モーツァルト』を最後までお読みいただきありがとうございました。30年ぶりに振りかえったオーストリア旅行。当時のことがまるで昨日のことのように目のまえによみがえった気持ちでした。
 
 連載中にインターネットでオーストリアやウィーンの、いまの様子なども知ることが出来てたのしかったです。30年経ってウィーンは国際都市として、ますます洗練されてきている印象を受けました。

 今から30数年後、2056年はモーツァルト生誕300年。日本は、オーストリアは、そして世界はどう変わっているでしょうか。この世でお祝いできない場合はあの世でモーツァㇽトに会って、一緒にお祝いしたいものです。


※標題画像は聖マルクス墓地のモーツァルトの墓標です。

最後までお読みいただきありがとうございました。記事が気に入っていただけましたら、「スキ」を押してくだされば幸いです。