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最果てからの手紙01

私は今、波戸という九州の西の端っこにある岬にいます。
水平線と空がどこまでも広がる場所です。ふと足元に目を向けると日本語、中国語、韓国語のラベルのついたプラスチック製の無数の漂着物がいくつも転がっていました。海の向こうのどこかから流れてきた用途不明のプラスチックは脳内の想像コーナーを刺激して馴染みの無いパッケージにワクワクと好奇心をくすぐられたのでした。未知の大陸に想いを馳せ夢中で想像の翼をパタつかせたけれどこれってゴミだよね・・・。はたと、冷静になってしまい漂着物に高揚している人間は少数だろうと思うと少し寂しい気持ちに。観光雑誌では恋人の聖地として紹介されている波戸岬での「漂着物ときめき体験」を呼子で弐〇月(にじゅうづき)という本と器の店をやっている方に話してみようと思います。そこは戦後間もない頃に建てられた古家にゆったりと品物が並んでいる懐かしいのに新鮮な気持ちになるお店でした。時代が移り変わる中で多くの人が削ぎ落としたり忘れかけているであろうものに目を向けるのが面白いと話してくれた彼女なら漂着物と戯れた話にもきっと花が咲くでしょうから。

波戸岬にきたら、陽気なお母さん達が焼いてくれるサザエの壺焼きをぜひ、食べてほしいです。

今回はにじゅうづきで買った書籍「耕す女(ひと)」を送ります。

2020/10 吉日

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