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ババア☆レッスン(その7・出産、二人目)

 一人目の長女は、最初の夫との子供である。
二人目は、再婚相手との子供である。
34歳で離婚して、確か37歳で再婚、38歳で二人目を産んだ。

 世間ではよく、「産む時は大変だが、産んでしまえば、その時の苦しさはケロッと忘れる」と言われている。が、しかし。
・・・・・私は忘れなかった。ネチネチとネチっこく、ず〜〜〜〜っとしつこく忘れなかった、あの壮絶な、絶叫を伴う激痛。
なので「出産はもうこりごり」だったのだが、なんと再婚相手の夫が「子供が欲しい」と言うではないか。
本当に欲しそうにしてるので、なんとなく自分も否定しづらい。
なので「じゃあ、もし妊娠したら、その時は無痛分娩で産む」という事で話がついた。

 というわけで「雑な子宮保持者」の私は、またしてもシレッと妊娠した。
そして、シレッと「無痛分娩で産める病院」を検索。
自宅から乗り換えなしで通える所に、その病院はあった。杉並区内にある、無痛分娩の老舗的病院である。
 で、わたくし個人の感想になるが、私はこの病院にして正解だったと思っている。が。万人の方にはおすすめは出来ない。
というのも、この病院は「計画出産」推奨の病院だからである。
 通常の出産だったら、陣痛が始まってから病院にダッシュなわけだが、「計画出産」はそうではない。あらかじめ「産む日」を医者と相談してこちらが決めてしまうわけである。
そこに抵抗を感じる人もいると思う。だから、「誕生日くらい本人に決めさせてやりたい」と考える方にはおすすめできない。

 というわけで、二度目の妊娠生活が始まった。
一度目の時は、何故か全く「つわり」に悩まされなかったが、二度目はソレがやってきた。「おお、これがつわりってやつか」などと最初の頃は新鮮がってたが、あんな二日酔いみたいな症状が、しばらくの間エンドレスで続くのは最悪だった。気持ち悪くて食べてもゲロゲロ戻してしまうので「これで体重増えずに済むかな?」と、死んだ目をしてほくそ笑んでたのだが、つわり期間が過ぎたら、ああ、またしても。結局は食欲のバケモノと化し、体重増加で医者から怒られ、10キロ以上肥えたのであった。

 さて。医師と相談して12月上旬に赤子を産む事が決まった。
計画出産、変な感覚であった。なにせ、「予約」を入れたその日の朝に「行ってきま〜す」と赤子を産みに病院に行くのだから。まさに「産んできま〜す」なわけである。
 病院到着後は、剃毛だの人工的に破水させたりとか、出産に向けての準備を粛々と行う。そして、腰に麻酔の注射を打ち、腕に陣痛促進の点滴をつなげる。・・・・・・・とまぁ、こう書くと、本当に全てがスムーズにいったかのように見えるが、そうは問屋が卸さなかった。
何故かといえば。
義父と義母が陣痛室に押しかけてきたのである。・・・・・言わなきゃ良かった、出産予定日。

 という訳で。ここで私、これから出産予定のある方々に、口を酸っぱくして言わせてもらいますよ!!
「義理親を陣痛室に入れては、絶対ダメーーーーーーーー!!!!」
これはね、とにかくもう、こっちが滅茶苦茶気を使うんですよ。
私の友人も、陣痛中に義母に来られて、腰をさすられたりしたけど「スミマセン・・・・」と、めったやたらに気を使って、「出て行けぇぇぇ!!!」と怒鳴りたくなるのを必死に堪えたとか・・・。聞いてるだけで、めまいがしそうな話である。
 実母だったらOKかどうかは、それは産む側とその母親の関係性によるかもしれない。しかし義理親は、絶対にやめた方がいいと思う。
 事実、私は、義母に陣痛室に居座られて本当にしんどかった。
悪い人じゃないのは知ってる、心配なのも分かる、が、しかし。
麻酔が効いてて陣痛に苦しむ必要がないのはありがたかったが、義母にそばでずっと居座られてたら、別な意味で地獄である。いくらそばで待たれても、赤子なんて早々簡単に産まれるもんじゃないし。
 なので私個人の意見になるが、陣痛室に入っていいのは亭主だけ、それ以外の外野は「絶対入れるな」と、前もって病院スタッフに言っておいた方がいいと思う。そもそも「亭主以外は入れない」と決まってる病院もあるようだし。
  
 結局、この「義母・居座り」のストレスのせいか、子宮口がなかなか開かず、赤子が生まれたのは翌日の午前中であった(経産婦だし、医者からは「その日の夕方くらいには産まれるだろう」って言われてたのだが)。

 さて、肝心の「麻酔効果」である。
後半、お腹が「ぐいぐい」してきて、そこはちょっとしんどかったが・・・陣痛に比べたら、まさしく「屁」みたいなもんである。
なにしろ分娩台に移って、子宮口全開という、自然分娩だったら「絶叫地獄タイム」な時に、私、居眠りしそうになっていた。ありえないでしょう?
「本当に麻酔が効くのか」もの凄く不安だったが、麻酔、ちゃんと効いてくれてた。
 にしても確かに、普通に産むよりも無痛分娩は割高ではある。が。
・・・・絶叫のないお産。「一人目で本当に苦しんだ」という方には特に強くおすすめしたい。

 ところで、二度目の出産でも、助産師さんにもの凄い力で腹を押されたわけだが。最後のいきみの時に、股間に「グラグラグラッ」という揺れを感じた(無痛でもそういう感覚は分かる)。
その時、何故だかあの、ハトヤのCM「暴れる魚・丸抱え」シーンが思い出された。
なんというか、「股で鯛を釣った」ような感覚だった。
産まれた赤子は、男の子だった。

 と言う訳で、そんな長男も、早いもので現在高校1年生である。
先日、二人で「銀河鉄道999」の話をしてたのだが、「エンディングの曲もいいけど、鉄郎が999に乗って旅立つシーンの曲もいいよね」と意見が一致した。
長男に捧げる曲。

ゴダイゴ「TAKING OFF」



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