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長澤靖浩
2021年9月4日 10:28
(2012年facebookより) 三並夏「平成マシンガンズ」再読。たぶん三回目。「いじめ」を描いて、重松清の「十字架」とどちらがよりリアルで心にしみるかというと、僕なら「平成マシンガンズ」をとる。 三並夏がこれを書いたときは15歳の中三だ。リアルなだけではなく、小説としての体裁もちゃんと整っているし、文章はぎらぎら屈折しながら練り歩くし、天才的だと思う。 重松は確かに想像力でどんな
2019年11月13日 02:39
7 誰もが少なからず両親には愛憎悲喜こもごもな気持ちを有している。子どもに障碍がある時、その濃度は通常よりずっと濃厚になるのは避けられない。 未熟児として産まれ落ち、出産初期の保育器での酸素欠乏が原因で、沙織は脳性麻痺による肢体不自由の障碍を負った。その自分の境遇へのやるかたない憤懣をぶつける相手といえば、両親のほかにはなかった。 地域の小学校で沙織は周囲の子どもたちの剥き出しの残酷さ