現場で働きたかった自分が、あえて大学院進学を選んだ理由
みなさんこんばんは。
トレーナーの阿部です。
自己紹介のような記事が続きましたが、進路についての質問も今回が最後です。
〇なぜ大学院に進学したのか
→自分の考え、伝えたいことを客観的に論理的に伝えられるようになるため
僕はとにかくトレーナーとして働きたい気持ちしかありませんでした。
したがって最初から接骨院、整形外科で働く選択肢はありませんでした。
ただインターンで、プロのトレーナーの方々を日々みていたので大卒1年目の新人をメディカルスタッフとして雇うことは能力的にないということをずっと肌で感じていました。
それでもう一つ、僕がトレーナーを志した理由の、
「学生スポーツのサポートがしたい」という部分。
ここはいつか自分が経験を積んで、それこそ当時は学校にトレーナーが常駐できるような制度をつくりたいとまで思っていたので、いずれ教育委員会や政府、自治体の方々にプレゼンをし、一緒に仕事をする時が来るのではないかと想像していました。
そこで僕は自分を客観的にみて、大学で資格しか取っていない…と思ったわけです。
そしてもう少し専門的には勉強をして、それを発表したりするなら、人に何か伝えるという能力をつけられたら、やりたいことがより現実的になりそう!と思い、大学院進学という決断をしました。
早かれ遅かれ、誰かに止められようが必ずトレーナーはするだろうと思っていたので、自分であえて修士課程の2年間いつかやりたいことのための、自分にプラスになる選択をしました。
両親には感謝しかありません。
ありがとうございます。
そしてこの2年間は、トレーナーとしての現場をどうしようかと悩んでいたときに、大学時にお世話になったインターン先で選手だった方が、大学ラグビー部の監督になるというタイミングが重なり、在学の2年間、チームでパートタイムで働きながら、研究を進めるという大変ありがたい環境に身を置かせてもらえることになりました。
〇論文の書き方
大学院は研究をするところ。
まず僕はここを思いっきり勘違いをしていました。
勝手にもう少し専門的に勉強できるところだと思っていたのです。
研究は、明らかになっていないものを明らかにするもの。
勉強は既に明らかになっていることを自分が知るためのものでしかなかったのです。
論文は基本的に4つの構成から成り立ちます。
【緒言】
→この研究をなぜしなくてはならないかのプレゼン
・今世界的にこのようなことが問題
・既に〇〇のようなことが分かっている(先行研究)
・数々の先行研究があるが、こういったことはまだ明らかになっていない
・この研究で明らかになったらこんな良いことが起きる、社会的価値がある
・今回の研究の目的は〇〇を明らかにすること
【方法】
→研究目的を明らかにする方法の説明
・どんな対象(年齢、性別、身長、体重、研究によって必要な条件)
・人数
・測定、実験方法
・期間
・統計の種類
【結果】
→研究の目的を明らかにする方法で得た結果のみ書く
・結果
・統計学的にみても優位なものか
【考察】
→得られた結果からどんなことが言えるか、自分の考えを先行研究を交えて述べていく
・その結果から言えることは
・今後の展望
よくエビデンス(証拠、科学的根拠)と言われるものいうものは、こういった流れでできています。
〇大学院で得たスキル
・情報に対して、必ずなぜそのような結論になったのか気になるようになった
良いとされるものがなぜ良いのか、何をもって良いとしているのか。
食事でも、サプリメントでも、トレーニングでもなんとなく良いらしいぞという情報に対して自分で精査できる力がつきました。
・エビデンスもあくまで、その研究の対象でその方法で取ったデータの結果でしかない
スポーツ科学は人を対象としたものが多く、人数によっても、対象が少し違っただけでも結果がガラッと変わることがあります。
エビデンスはあくまで絶対ではないということ。
現場ではそのエビデンスを参考に、自分はどうするかの判断材料のひとつにできたら良いかと思います。
・自分が知りたいことは意外ともう既に研究で明らかになっているものがある
専門家にとって論文は、本を読むことと同じだと先輩方は良く言っています。
参考書も数多くの論文を引用しています。
今目の前の選手、患者さんで悩んでいることは、もしかしたらもう既に研究で明らかになっているかもしれません。
僕は修士課程の2年間しか、研究という分野に身を置いていなかったため、正直研究とはこんな感じなんだくらいしか分かりませんしお伝えできません。
もっと研究の詳細、おもしろさなどは、博士課程まで進んだ同期、その後研究者として活躍されている先輩方にお聞きするのが1番だと思っています。
いつかそんな方々にインタビューをして、この記事も書いてみたいなとも思います。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
それでは!
kenabe
いつも読んでいただきありがとうございます! 僕が今まで、またこれから学んだ知識、経験が、誰かの悩み、不調の改善に少しでも役に立てることがあればこんな幸せなことはありません。 より多くの方に有益な情報が届くよう、活用させていただきます。