「GWは働いてもOK」にした理由。 【#私たちはつながっている】
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ABEJAでは4月9日から完全出社禁止となり、全員が在宅で働いています。
今週から始まるゴールデンウィーク(GW)を前に、会社から「GW中の5月4~6日は勤務を認めます」という告知が。GWの勤務を認めるってどういうこと?本当にできるのーー? いきさつをまとめました。
ABEJAではもともと、GWも暦通り「お休み」になる予定でした。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大で、GW中は不要不急の外出の自粛が呼びかけられています。
そんなある日、社員の中川裕太さんからこんな声が。
中川さん以外にも、賛同する社員の声がチラホラ。
これを受け、総務と労務のチャンネルで相談が始まりました。
そして4日後には、GW中の5月4〜6日の祝日3日間は勤務を認めること、自由に外出できるようになったらGW中に働いた日数を休日として振り替えられることが、Slackでアナウンスされました。
管理部門責任者の森田潤也さんに話を聞きました。
ーーGWの祝日に働く代わり、別の時期にその分休んでいい。この方法、労務的にはどうなんでしょう?
森田:本来「休み」である祝日に働くと、3つのリスクが出てきます。
① 36協定で定めた残業時間を超えてしまい、労働基準法違反になったり、社員の健康が害されるリスク
② 残業時間が増えることで残業代も増え、人件費が想定以上に増えるリスク
③ 労務の管理コストが増えるリスク
この3つをクリアできたら実現できるだろうと、検討を始めました。
残業時間は基本的に、祝日を除いた分で計算されています。通常、休日出勤を認めるときは同じ月内の平日と振り替えて休んでもらうことで、月内の業務日数を変えないようにし、残業時間が増えることによる法律面・健康面・コスト面の問題をクリアするようにしてます。
①のリスクについては、毎日の勤怠入力を徹底してもらい、万が一残業時間がオーバーしそうになったらその月に振り替え休日をとってもらうことにしました。
法律的にクリアできると確認したうえで、社員が「GW出勤」した場合の想定月次勤務時間と人件費を試算し、②のリスクを検証しました。実はフルリモート勤務になった4月から社員の平均勤務時間は減る傾向でした。そのため、5月も大きく残業時間が伸びるということはないだろうという見通しが立ち、GW出勤を実施しても人件費は大きく圧迫されないだろうと判断したのです。
③の労務の管理コストは間違いなく増えます。現在使っているシステムで運用可能ですが、オペレーションが通常とは異なるので間違いは起こりやすくなる。労務の担当者には負担がかかると思います。
ーーリスクや負担がある中でも、なぜ実現しようと?
森田:確かに、会社からするとリスクしかないです(笑)。でも「リスクを負ってまでGWに働く理由は?」という発想からスタートするのではなく、「社員のゆたかな人生という観点からみれば、希望者はGWに勤務して別のタイミングで休みを取った方がよい。どうやったら実現できるのか?」から考えることにしました。
こういう状況だからこそ、仕事したい人はする、休みたい人は休む、の選択肢を持ってほしいと思いました。
また、社会全体からみてもこの方がいいと思ったんです。ABEJAはいま、出社を全面禁止にしているので、GWを勤務可にしても人の移動が増えるリスクはありません。いつか落ち着いたタイミングで旅行などをしてもらった方がいいだろうと。
全社アナウンスの後には、頼れる労務担当、梅川麻衣子さんと稲垣あや子さんから、勤怠入力の徹底についてアナウンスが。
労務チームのみなさんのおかげで、私たちの働き方の選択肢が増えているんですね。いつもありがとうございます!&これからもよろしくお願いします!
【#私たちはつながっている】について
新型コロナウイルスを機に、今まで当たり前だった風景や意味を考えていくシリーズ。随時更新していきます。
高橋 真寿美(たかはし・ますみ)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズに新卒入社、大手企業向け人材開発やコンサルティングに従事。
その後、経済産業省に出向。地方創生やベンチャー支援などに関わる。
2019年、ABEJAに入社。HRとして、エンジニア採用や人事企画、組織開発に携わる。PRとGR(Government Relations)を兼務。